企業のエフィカシー問題

今回は自身が、中小企業でCP(コンタクトパーソネル)として働きながら、ナショナリズムや経営を考え、組織論などを勉強している知見で、あえて日本の中小企業の人間関係の実際に辛口に切り込んで、提言をしてみようと思った初めての試みになります。
(少し内容がネガティヴなので、お口直しに甘口も添えてあります。笑)

①セルフエフィカシーの低い日本の中小企業カルチャーについての考察
②セルフエフィカシーの高い日本の中小企業カルチャーについての考察

はじめに

以下は、実際に数々の組織で働き、経営学における組織行動論などを(多少、)勉強した私が、実践(経験論)と学問(合理論)の両方の見地を合わせて、皆があまり語りだがらないタブーでネガティブな日本の中小企業組織のダークサイドの実際(本質)を、センセーショナルに捉えてみました。
単に、②goodと①badのシナリオ分析として読まれたり、もし当該組織が自身の組織だったらどうするか、などを考えて読んで頂いても面白いかも知れません。

※①のモデルとなっている組織は、古い体質の閉塞感漂う中小企業組織のあくまで一例であり、実在しません。また、描かれた事象は普遍的な事でもありません。

2つの視点が味わえます。

②は、①の立場からすると、綺麗事や机上の空論と揶揄され、理想が高いと思われますが、、②の立場からすると、②の状態はデフォルト(当然の通常)で、①の状態はなんて粗悪な環境なんだろうと思うかもしれません。※②の立場しか体験した事のない方は本記事の内容に驚くかも知れません。

それでは、
①と②の対比をお楽しみ下さい。

①セルフエフィカシーの低い日本の中小企業カルチャーについての考察

まず、皆が皆、見下し合っています。

「こんなところ(会社や業界)で、こんな仕事している奴らなんて、どうせ、どうしようもない奴らばかりだろ」と思い、皆が皆その様に相手を見立てて、見下し合っているので、それが、負のシナジーを生み自尊心や自己効力感の低下につながっている様です。

人間は社会性のある生き物なので、こちらの組織でも生存の為、人間関係に気を使っています。

しかし、皆が皆、陰では見下し合っているので、相手をリスペクトしているフリだけが、上手くなります(苦笑)。また、それに起因して、そのフリをされた当事者は「実質(実力)」と「自己認識」の間に乖離が生まれ、裸の王様となる傾向があるように思います。
また、そこで働く人々は共通の敵(悪者)を作り出し、吊るし上げ、陰口を言う事により、悪しき文化の上に団結し、馴れ合います。

そして、その見せしめで、その生贄(敵)が裁かれたり、惨めな状態に陥っている様子を見たりし、優越感に浸り自尊心を保つようです。この様に①の中小企業では建設的な発想が出来ず、破滅的な発想に陥っています。

これは客観的に分析すれば、これらの原因は人ではなく、その業種業態の慣習や組織構造にあると結論付ける事ができます。

そこでは建設的に正論を言うだけでは、綺麗事だと揶揄されて、その既存の破滅的な生態系(傷の舐め合いを強要する馴れ合い組織)を壊す要因になりかねないので、彼らはそれを守るべく、逆に建設的な考えを持つ相手に攻撃を仕掛けてきます。
いわゆる、抜き出る相手の評価を下げて、その既存の生態系のバランスを保とうとする力学が働きます。
個々で組織文化の改善をもたらそうと働きがけを行なっても、その黒光りした既存の悪しき文化が立ちはだかり、一瞬にして微力である事に気がつかされます。

よって、この様な組織に在籍する方は、排除されたり、自身がスポイルされないようにするだけで必死となってしまうのです。

②セルフエフィカシーの高い日本の中小企業カルチャーについての考察


まず、皆が皆、無意識に尊敬し合っています。

「この様な(会社や業界)で、この様な仕事をされている方々は、素晴らしい方々に違いない」と信じ、皆が皆その様に相手を見立てて、尊重し合っているので、自尊心や自己効力感の向上をもたらし、それが業務の生産性の向上につながっている様です。

やはり人間は社会性のある生き物なので、生存の為、当然ながら人間関係を大切にしています。
こちらの中小企業では、皆が皆、認め合いながら尊敬し合い、相手がまだ気がついていない、相手の良いところに気がつき、それを伝え合う組織文化なので、自身の良いところに気付かされた当事者は、より建設的な自己認識が得られ、自己効力感が増す傾向があるようです。

また、リーダーやマネジメント層のスキルや人間性に敬意や憧れがあるので、少しでも良い気づきや、スキルを吸収しようと、皆が躍起になり、それが仕事へのモチベーションにつながっています。

組織において相互にメンバーを高め合う文化というものは、こんなにもモチベーションを生み、建設的で、生産性が高いのかと感心しました。

例えば、メンバーがネガティブな発言をするようなら、皆から声をかけられ、カウンセリングの標的になります。

よって、この様な組織に在籍時には、当面は、自己成長のために組織の文化に馴化、共感などをしてスキルアップに徹して行くことが良き選択肢の一つになります。


最後に、、
さて、①と②でどちらに心にドライブがかかりましたか?
もしかしたら、①②どちらにも心にドライブがかかり、アンビバレントな気持ちになられてはいませんか?
本記事を少しでも不快に思われた方は、実は意識していない、意識したくない、若しくはあえて意識していなかった(無意識に沈んでいた)人間の本質を想起してしまったのかもしれません。
しかし、それは卑しいものでもなく、動物として自然な感覚で、現代になり物質的にも精神的にも豊かになって忘れ去られていた人間の本質的な情動なんだと思っています。
これは例えば美術館にて芸術家の作品に、なんとも言えない違和感を感じた瞬間にも、その様な無意識への訴えを認める事ができると思います。
そして、その違和感を気づきに繋げるのはあなた次第という事です。

最後はミステリー小説みたいになってしまいました。笑
最後までお読み頂きありがとうございます。


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