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エピソード大喜利#26 お題:藤井聡太王将が王座戦で繰り出した前代未聞の一手とは?

緊張感漂う一室。見守る人たちの顔にも緊張の色が見える。
しかし将棋盤を挟む棋士2人は至って冷静だ。
お互い将棋盤に目線を落とし、自身の戦い方を考えているのか、ボ~ッとしている様にも見える。
 
そんな中で始まった大一番。
藤井聡太王将が史上初の八冠達成に王手を掛けていて、もし達成となれば歴史を塗り替える偉業となる。
この八冠の凄さを誰もが分かる言葉で言い表すと?という将棋に疎い人にも凄さを伝えるためのスレッドがネット上に立ちあがり、「大谷翔平がサッカーW杯で優勝するようなもの」「100円ショップにダイヤモンドが売られているようなもの」「モスバーガーとマクドナルドが合体した店舗」など、どれも的確に捉えることはできていない程、スゴ過ぎる偉業に世間は混乱を極めていた。
 
序盤、優勢に対局を進めたのは藤井聡太王将。
永瀬王座の得意な形を完全に読み切り、攻撃は最大の防御という言葉を体現するような怒涛の攻めを見せた。
 
表情の変わらないことで有名な永瀬王座が途中顔を曇らせる場面もあり、このまま藤井聡太王将が王手を掛けるのかと思われた。
 
しかし突如として形勢は逆転し、瞬く間に永瀬王将が藤井聡太王将の陣地に攻め入っていく。藤井聡太王将もなんとか状況を打開しようと、あの手この手を繰り出すが、永瀬王将を焦らせる様な一手まではいってない。
 
徐々に劣勢になっていく藤井聡太王将。
見守る人たちの中にも口には出さないが、藤井聡太王将の敗色が濃厚になってきていることは、将棋に少しでも関わったことがある人ならば理解できる所まできていた。
 
ただここから奇跡の逆転劇を見せるのが藤井聡太王将だということもみんな知っていた。ここからどういった展開を見せてくれるのか、期待と不安の入り混じる中で見守っていたその時、藤井聡太王将が前代未聞の一手を繰り出した。
 
その一手に永瀬王将も思わず体をのけ反らせ、天を仰ぐ。
 
その一手とは「変顔」
相手を動揺させようと、藤井聡太王将は目を吊り上げ、口を歪ませ、鼻の穴を開き、とっておきの変顔を披露したのだ。
後のインタビューで藤井聡太王将はこの「変顔」について、家で鏡を見ながら毎晩練習をしてきたと話している。
確かに「変顔」のクオリティは小学生や写真慣れしている女子高生よりも完成度は高かった。
ただ永瀬王将には効かなかった。
 
 
 

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