ネット投票

こういう記事がありました。ネット投票は政治のゲームチェンジャーだと思います。システム的には、マイナンバーカードの認証ができれば、条件的には実装できそうと思いますが、いくつかむずかしいことがありそうです。

1. まず、投票所での投票とネット投票の併用

当然、オンラインとオフラインの並列で投票の仕組みを持つ必要があるので、オンラインで投票した人はオフラインで投票できない、と、その逆も同じく、対策が必要です。

そうすると、投票券にユニークな番号が必要で、オフライン投票所で使えば、オンラインでは使えない、オンラインで使えばオフラインでは使えない、というリアルタイムに投票状況が同期される仕組みが必要になりそうです。まぁ、複雑なコードとマイナンバーカードの認証を通せば、ほぼ解決できそうです。

これに関連して、オフライン投票所でもマイナンバーカードが必要、とかなってくると、現場対応なども大変なので、オフラインでは投票券だけで済ませる、という方法がありがたいです。とりあえず、ユニークなコードが記載された投票券をベースにオンライン/オフラインを同期する、というのが現実的でしょうか。ただ、PCで自分でコードを打ち込む、となると、複雑なコードにできないので、流出は怖いところです。

また、そもそも投票所になる集会所などにネット回線がないケースはザラにあるので、携帯キャリアの電波を使うことになりそうですが、その通信障害も想定したシステムにする必要がありそうです。この辺を考え出すと結構大変そうです。同期処理のための通信は相当なものになりそうで、海外からの大規模なハッキングに耐えるのもプロフェッショナルな仕事が必要そうです。

そう考えると、毎回の選挙で「オフラインとオンラインを同時に走らせる」ために相当な費用がかかりそうです。ともあれ、大きな不正があったら取り返しがつかないことになるので、セキュリティ対策には相当なマンパワーと知識が必要そうです。それでも、いくら金がかかってもやって欲しい、というのが有権者としての気持ちですが。まぁ、長い視点で運用する必要があるので、効率的かつセキュアな仕組みを考えていただきたいところです。ブロックチェーンを使うと一応セキュアにはなりそうですが、どうでしょうかね。みんなメタマスクで投票だ!

2. 次に投票への第三者の関与 です。

例えば、デジタルに疎い高齢者に「僕が代行してあげますよ」ということで、投票に必要な情報を一通り高齢者から受け取ってしまうと、これは防ぐのが難しくなります。まぁ、振り込み詐欺に近い犯罪行為にあたりそうですので、見つかったら刑事罰、という行為であると思うので、ここまでやるのは相当レアケースでしょう。しかし、絶対にニュースになるし、世の中を騒がせるでしょう。多少のことは目をつぶることが必要になりそうです。

たとえば、集会で、「今すぐ我が党に投票しなさい」と迫られた場合、あたりががよく想定ケースとして書かれてますが、ネット投票でも投票できる日付を絞ってその日は選挙活動禁止にするとか、後から上書きできるようにするとか、(便宜的には)据え置き端末でしか投票できなくする、とか、そんなことでクリアできそうです。

一番むずかしいのは、デジタルが使えない、かつ、自分の意思もはっきりしない程度に弱った高齢者ですね。老人ホームや病院みたいな施設が悪いことを考えると、数十票ならコントロールできるかもしれません。

まぁ、システム的にも制度的にも、難易度は非常に高く、国際的にもほとんど導入している国がありません。個人的には、このシステムをGoogleの天才たちがオープンソースで開発してくれないかな~?と願っています。アホほど利益出してるんだから、100億くらいかけて世界に貢献しておくれよ、Googleさん!!あとは、NTTがその機能を継承してカスタマイズしてくれるさ!


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