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【詩】 土讃詩(つちさんし)

土はキャンバスに似ている、といえなくもない。
土の上でなら、自由な采配で様々な種類の種を撒き、未来という名の絵を描くことができるから。

土はベビーベッドに似ている、といえなくもない。
発芽した種がやがて苗になって、伸び伸びと成長していく様は、子育てに勝るとも劣らぬ充足感を与えてくれるから。

土は未開拓の鉱脈に似ている、といえなくもない。
土が育んだ豊かな実りに遭遇する度、この上ない喜びで心がいっぱいになるから。

穫れたてのニンニクとトウガラシを、土の上に等間隔で並べてみる。種まき、発芽と成長、そして収穫。土と僕とが共に紡いだ小さな小さな物語の、大きな大きな産物だ。

土には全てがあって、全ては土からできている。だから、来年も、再来年も、その先もずっと、僕は土と共に生きていく。

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