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力強くゴールに向かうプレイが光るアギー・ビーヴァー・ジョーンズ :: P2W019 :: WSL Watch #072

アーカイブ的な意味合いもあるかも? って思って気まぐれに量産体制に入った'P2W = person to watch(注目したい人)'シリーズの第19弾はチェルシーのU23イングランド代表FWのABJことアギー・ビーヴァー・ジョーンズ(Aggie Beever-Jones)を。次世代のチェルシーを背負うことが期待されてる生え抜きの若きスターなんで。

突破力と得点力を兼ね備えた若きアタッカー

プロフィール的な部分は後回しにして、とりあえず、アギー・ビーヴァー・ジョーンズのざっくりとした印象を端的に言うなら、「力強くゴールに向かうプレイが持ち味で、突破力と得点力を兼ね備えたアタッカー」って感じかな。

基本的には右WGで起用されることが多くて、タッチラインの近くでボールを受けて、前を向いてスピードとスキルを駆使して仕掛けてゴールに向かうプレイが得意な右利きのアタッカー。思い切りがいい仕掛けとか速さと強さを兼ね備えたフィジカルも目を引くけど、シュートの上手さも大きな魅力かな。右足だけじゃなく左足でもけっこう決めてるし。選手層が異常に厚いチェルシーだから常にスタメンってわけじゃなくて、今シーズンのリーグ戦20試合で15試合に出場してるんだけどスタメンは実は5試合だけで、それでも11ゴール+2アシストを記録してて、59分に1ゴールのペースで得点してる。確認してみたら内訳も右足で5点、左足で2点、頭で4点って感じで、左足だけじゃなく実はヘディングでのゴールもわりとあったりして。高さと強さが売りってタイプじゃないけど、身長は171cmあるらしいんで。

ちなみに、4月2日の段階でのデータでは、今シーズンのWSLで270分以上プレイしてる選手の中で90分換算してゴールに関与した数を出すとアギー・ビーヴァー・ジョーンズが1位なんだとか。

上述の通り今シーズンのリーグ戦のスタメンは5試合なんだけど、7節のリヴァプール戦以外は全部3月末以降だったりして、スタメンの機会が増えたのはつい最近って感じ。ケガ人の増加とかチーム事情の影響もあったんだろうけど。ただ、その4試合で6得点してたりするんで、まさにブレイク中って感じのタレントって言っていいのかな。

チェルシーの未来を担う生え抜きのタレント

プロフィール的な部分も押さえとくと、アギー・ビーヴァー・ジョーンズはU23イングランド代表のFWでチェルシーでは背番号33を付けてる。2003年7月生まれの20歳で出身はロンドン近郊のサリーで身長は171cm。今年の1月に2026年までの契約延長が発表されたんだけど、そのときに公開された動画でも語ってた通り、祖父を筆頭に家族がみんなガチのチェルシー・ファンで、9〜10歳頃からチェルシーに所属してる生え抜きの選手。18歳になった2021年にプロ契約を結んでて、その年にデビューも果たしてる。

21/22シーズンは当時チャンピオンシップだったブリストル・シティにローンで移籍して22試合で5得点、22/23シーズンはエヴァートンにローンで移籍して16試合で2得点って数字を残して着実にキャリアを積んで、23/24シーズンにチェルシーに復帰したって感じなんで、本格的にチェルシーの戦力になったのは今シーズンからで、上述したけどスタメンで出る機会が増えたのは3月以降だったりするから、まさに今後のチェルシーを担うことが期待されてる若手のホープって言っていいんじゃないかな。

代表歴に関しては、イングランドのU15、U17、U19、U23の代表歴はあるけどフル代表のキャップはまだなくて、でも、リーグ終了後の6月頭にあるUEFAウィメンズ・ユーロ予選のメンバーに初めて招集されてた。"WSL Watch #051"で取り上げたトッテナム・ホットスパーのグレイス・クリントン(Grace Clinton)とか"WSL Watch #053"で取り上げたマンチェスター・シティのジェス・パーク(Jess Park)みたいな同世代の選手が徐々にフル代表でも存在感を出し始めてるだけに、現地のメディアなんかでもけっこう期待されてるっぽい。今回の代表ウィークはフレンドリーじゃなく公式戦だから出場機会があるかはわかんないけど、今後はイングランド代表での活躍も楽しみな存在になることは間違いないかな。

浜野まいかのライバル?

チェルシーのチームメイトで、年齢的にも同世代で、ポジション的にもいわゆる典型的な9番タイプではないアタッカーって意味では日本代表FWの浜野まいかのライバル的な立場の選手って言い方ができるとは思うけど、現状の序列ではアギー・ビーヴァー・ジョーンズのほうが上なのかな。WSL(及びイングランド)での経験値的にも、今シーズンの出場試合数と出場時間とか得点とアシストの数を見ても。個人的には、選手同士の関係性とか、それこそプライベートでも仲がいいのかバチバチの関係なのかとか、選手個人のSNSとかをマメに追いかけてチェックして知りたがるタイプじゃないんで詳しいことはわかんないけど、下に貼ったインタビューでの発言を聞く限り、浜野まいかとアギー・ビーヴァー・ジョーンズがバチバチの関係ってことはないっぽいかな。浜野まいかがリーグ戦初ゴールを決めた19節のアストン・ヴィラ戦後のスカイ・スポーツでのインタビューなんだけど、2:15〜の部分で自分のゴール以外で良かったことを訊かれて浜野まいかのゴールを挙げてるんで。別に浜野まいかについての質問じゃなかったのに。曰く、「こんなにキュートな人には会ったことがない。見てたらわかったと思うけど、チームメイトもみんなもすごく喜んでた」と。これを聞くと、浜野まいかがチーム内でどういう存在か、チームメイトにいかに可愛がられてるかっていうのがちょっと見えた気がしつつ、アギー・ビーヴァー・ジョーンズの言い方だと「まるで先輩選手が可愛がってる後輩選手の活躍を喜んでるみたいだけど、実は全然同世代なんだよな」とか思ったりもして。このインタビュー全体からも、「若いのに、しっかりしてるなあ」って感じは伝わってくるし。同世代っていえば、"WSL Watch #064"で取り上げたマンチェスター・シティのメアリー・ファウラー(Mary Fowler)なんかも似た感じがあるけど。

正直なところ、チェルシーは監督が代わることが決定してるし、浜野まいかの適性ポジションがどこなのか、どういうポジションでどういうタスクを担うとチェルシーで最大限の力が発揮できるのか、まだちょっと見えないところもある気がするし、今後の浜野まいかのチェルシーでの立ち位置がどうなるのかはちょっと見えない感じだけど、まだまだ若いんだし、これからもアギー・ビーヴァー・ジョーンズとはチーム内で切磋琢磨しながらチェルシーの今後を担う選手になれるように頑張るって感じなのかな。



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