オンライン小説講座の記録-2ヶ月目
オンラインで小説講座を開催しております。全部で6ヶ月の講座で、いまは2ヶ月目。今回も講座で話したことのいくつかをまとめていきます。
この講座は参加者がそれぞれ自分の原稿を持ち込み、私がその原稿を読んだうえで、それぞれの文章の癖、小説として優れている部分と改善点、克服するための課題をお伝えして、小説家としてのレベルアップを図るものです。
↓こちらは1ヶ月目のようす。
長編のアイデアはどうやって生まれるのか?
長編を書くことから遠ざかっている人がいたので、既存作の改稿は終わりにして、その人は新しい長編を書き出すことにしました。(講座はマンツーマンで行われます)まずは長編用のプロットをつくるところからです。
「長編のアイデアはどうやって生まれるのか?」
そんな話をその人としていました。結論としては「小さなアイデアのストックがいくつもあり、ある日それらが結びついて大きなアイデアになったりする」でした。
急に長編に使えるアイデアがドーンと出てくるのではなく、今まで考えてきたことや感じてきたこと、なんとなく書きたいと思ったものたち。
それらが時間をおくことで熟したり、まとまったりしたときに、書き切るのに長い時間がかかるテーマ=長編のアイデアが自分のなかに見つかるのだと思います。
ということで、メモを取りましょう!メモを取る習慣をつけましょう!
人は、忘れます。オリジナルの設定も、感動した映画のシーンの詳細も、日常で感じたふとした気持ちも。
それらはすべて、重要なアイデアのもとです。小さなアイデアが集まり組み合わさって長編用の大きなアイデアになります。小さなアイデアのメモをたくさん取りましょう。
プロットの上手さと、原稿の上手さ(速さ)は両立しづらい
これは300人くらい?数えてないので正確に分かりませんが、それぐらいの人数のアマチュア小説家を見てきて思うことです。
私は、小説づくりは原稿を書く前のキャラ設定づくりであったり、ストーリー展開の詰めが重要と思っているので、プロットをつくることを重要視しているのですが、プロットをしっかり作り込んで原稿に臨めている人はとても少ないです。多くの人がプロット作成はちょっとだけで原稿に取りかかっています。
プロットをつくるのが上手い人は、プロットを作っただけで終わってしまうことも多い印象です。原稿にならなかったり完結できなかったりします。
ということを講座のなかで話していて、「プロットと原稿のスキルは両立しづらいのだなー」と改めて思いました。
「設定を考えるのが好き」と「原稿を書くのが好き」は全くべつのベクトルの好きであって、設定が好きな人はプロットばかり作ってしまうし、原稿が好きな人は、設定をじっくり考えるよりも文章を書いてしまうのだと。
しかしプロットも原稿もどちらも優れた小説を書くなら必須と思うので、努力して両立できるようになった人がプロになるのでしょう。
編集者は小説家の代わりに原稿を書くことはできませんが、プロットの作り方、ストーリーや設定の深め方についてはアドバイスできるので、引き続きやっていこうと思います。
小説の書き方は人それぞれ。だからアドバイスも全体ではなく個別に。
今回の講座は4名の方が参加しているので、4つの原稿を読んでそれぞれに改稿のアドバイスをしています。
皆さんとやり取りしていて思うのは、小説家としての強みと弱み、作品の作り方は人それぞれですね。同じ人がいない。
プロットを上手に書ける人もいれば、まずは原稿を書いてみないとアイデアが出てこない人もいます。
ストーリーのアイデアをまとめるのに、キャラ設定から考える人もいれば、作中での出来事の年表から作る人もいます。
小説を書く作業のなかで得意なことと苦手なこと。いま出来ていることと出来ていないこと。出来るようになろうと挑戦したが、出来ずに失敗に終わったこと。
そういうことが人それぞれで異なります。
原稿が上手な人に原稿のアドバイスは必要ないし、根本のストーリー作りが苦手な人にするべきは、原稿のアドバイスではなくプロット作りへのアドバイスです。
この講座が参加者全員参加での授業がなく、すべてが私と個別でのやり取りになっていて、講座がまず原稿を読ませてもらうことから始まるのはそのような理由からです。
参加者ごとに抱えている原稿の問題は異なるので、原稿を読んでまずはそれを把握する。
把握したうえで、本人にもっとも必要なアドバイスと課題を伝えていく。
大変ですがやはりここまでやらないと、1人の小説家を確実に成長させることはできないと思います。来月もがんばります。
↓こちらは参加者の方による感想です!
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