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弘前レンガ倉庫美術館と悲しみのねっぱぐそば【今月見た美術展】

弘前旅行二日目。(一日目はこちら↓)

朝はホテルのビュッフェをいただきます。

白飯も炊き込みご飯も食べたかった結果

青森ならではの料理として、ホタテの炊き込みご飯とせんべい汁がありました。
せんべい汁のベースはお味噌汁だと思っていたのですが、鶏出汁の効いた醤油ベースのお汁なんですね!せんべいがお汁の旨みを吸ってて美味しい。
真ん中にあるのは、青森の食卓には常備されているらしい、源たれで豚肉を炒めたもの。甘味があって白飯がモリモリ進む系の味ですね。

今日は、今回弘前に来たメインの目的である松山智一展を見に行きます。
元々この方を知っていたわけではなく、全国の美術展ガイドを見ていた時、シンプルに「絵柄が好きだな」と感じたのがきっかけです。
作品だけでなく、弘前の美術館に展示されているというのも、惹かれたポイントでした。それなりに気合を入れていかないと辿り着けない場所ですが、雪の青森にこの作品が展示されているのを想像したら…何だか似合う!(似合うってなんだ)
都内だったら、逆に行かなかったかも知れません。

弘前れんが倉庫美術館は9時から開館しているので、朝早くから行動したい人にもおすすめです。
私も、弘前を11時半に出発しないといけなかったので、9時半ごろに美術館を訪問しました。

この日は朝からかなりの雪。
時間も早かったので来館者は少なく、自分のペースでゆったりと鑑賞することができました。

<松山さんの来歴>
岐阜県生まれ。ニューヨーク在住。
少年時代をアメリカで過ごした後、日本に戻って上智大学経済学部を卒業。
一時はスノーボードのセミプロ選手として活動していたものの、2002年に改めて渡米、ニューヨークの美術大学院デザイン科を主席で卒業し、アーティストの道へ。

うーむ、私みたいな凡人から見たら、とっても彩り豊かな人生を歩まれています!
こういった背景もあり、松山さんの作風は東洋と西洋、ハイカルチャーとサブカルチャーといった、両極の要素がミックスされたものになっています。

空間がオシャレ!

どの絵画にも動物と人が描かれているのですが、動物は精密に描かれているのに対し、人間はどこか漫画のキャラクターっぽくもあります。
コロナ禍に制作された作品には除菌ジェルが描かれていたり、日常生活にあるようなモチーフが採用されていて、隅々まで見るのが楽しい。

よく見ると下の方に猫用の缶詰が

松山さんはファッション誌からも着想を得ているとのことで、作品に描かれている人物の服装がめちゃめちゃオシャレなんですよね。

特にこの絵の着こなしなんかぜひ真似したいです。
ちょっとフレアっぽいシルエットのデニムに無骨なサンダル!クールですねー。

オシャオシャのオシャ

画面の隅々にまで色んな要素が描かれているので、一枚一枚じっくり見ちゃいます。

上の写真、奥の作品には馬のモチーフや鎖が描かれていたのですが、「これエルメスの引用なのかな〜」と考えている時にふと気付きました。

エルメス…エルメス!?
嘘…人差し指につけているはずの、エルメスの指輪が…ない!!!!!
(よろしければ過去記事ご参照ください。)

多分ホテルに忘れてきてる。でも確証はないから一回確認しないと。今から取りに戻ってそこから駅に向かっても間に合うかな?いやひとまず展示一通り見てからでないと。

何とか気持ちを落ち着かせ、ひとまずは作品に集中しようと試みました。

松山さんは、絵画だけでなく、彫刻も作られているようです。
無機質な金属製(ステンレス)の作品の奥には、色鮮やかな絵画。

この部屋の展示、とにかく全部がでかい!!
彫刻もそうですが、絵画も縦5メートルあるようです。

昨日見たねぷたや山車と同じような、迫力のある展示。
これも贅沢に空間を使える、地方の美術館ならではですよね。

こちらの作品、顔の部分には京都の切り金職人による装飾が施されているようです。
個人的には、パンプスのつま先部分の浅さが超好み。付け根だけじゃなくて指の真ん中くらいまで見えちゃってるのがセクシーです。

指輪を忘れたことに気付いたのが展示の序盤だったので、そこからは気もそぞろな状態での鑑賞になってしまったことが悔やまれますが、何とか一通り見終えました。

本当は併設のカフェでアップルパイを食べたかったけど、私には指輪を取り戻すというミッションがある…!
絶対にまた来るからね!!と、後ろ髪を引かれる思いで美術館を後にしました。

めちゃ素敵空間なのにィ!

ホテルまで戻って指輪を受け取り、そこから徒歩で弘前駅へ。(約30分)
美術館の最寄りに「中央弘前駅」という駅があるのですが、ここから弘前駅には通じてないんですよねぇ…。

激シブ駅

無事、新青森方面の電車の時間には間に合いました。
弘前には特急つがるに乗ってきたので、当然の如く特急券を買ったのですが、ホームに向かうと、あれ…普通列車だ。
特急も普通も所要時間が大きく変わるわけではないので、乗り換え案内アプリを見ただけでは気付きませんでした。
500円損したけど…まぁ、そういうこともある。

新青森駅に到着し、新幹線改札内の売店でお土産を購入。
何番線から出発かなぁと電光掲示板を見ると、私が乗る予定の便が表示されていない…なぜ??
改めて新幹線の予約メールを確認すると、なんと、一時間半も乗る便を勘違いしていました!!アホすぎる〜!!だったら美術館でアップルパイ食べられたじゃん!!

しかも、新青森駅の新幹線改札内って、お土産屋さんひとつと、飲食店ひとつくらいしかないのです。あと待合室。一時間半、ここで待つしかないのか…。

こうなったらなんか食べよう!ということで、改札内のお蕎麦屋さんで注文した「ねっぱぐそば」

ねっぱぐとは、「くっつく、ひっつく」という意味で、とろろと昆布が乗った、ネバネバのおそばでした。

その後、待合室でnoteを読んだり書いたりして何とか時間を潰し、無事新幹線に乗って東京まで戻りましたとさ。

新幹線の車内にiPadを忘れたのは、また別のお話…。
おしまい。

(この日、指輪を忘れ、間違えて特急券を買い、新幹線の時間を勘違いし、iPadを置き去りにするというとんでもないポンコツデーでした。弘前旅行一日目は非の打ち所がないくらい順調だったんだけどなぁ〜。涙。)

弘前土産の下川原土人形
その名も「鯛くわえ猫」、かわいすぎる

軍資金にします!