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転んで落として

今日は大事な用事があった。弱視で初めて行く場所を探すことが苦手なわたしは、一人で目的地にたどり着けるか不安だった。

ちょうど昨日は今日と同じ駅で高校からの友人たちとランチとお茶をしたので、帰りに今日のルートを教えてもらうことにした。

弱視のわたしは、なんとなくの雰囲気でその場所を覚える。

建物の名前や色は全然わからないけれど、大きな橋があって、その大きな橋を渡ると看板みたいなものが見えてきて…と、本当にぼんやりと、なんとなくで覚えているように思う。

そうゆうぼんやりと、なんとなく周りの空気や雰囲気を覚えることに慣れているからか、一度行くと大体の場所は二度目から一人で行けるようになるのだ。行けるようになるとはいえ、その場所は慣れていないので、ハプニングはつきもの。

今日も、昨日一度下見したおかげで、スムーズに目的地に行くことが出来て、無事に用事も済ませた。

ホッと一安心…しすぎだのだ。

バンッ!!

と派手に転び、鞄の中身が地面に落ちた。

膝くらいまでの高さの看板にぶつかって転んだのだ。漫画や映画のようにド派手に転んで目の前に火花が散ったように見えた…。

「イッターーーー・・・」

痛い痛い…思わず声が出て、それから周りに人が集まってくるのを感じてハッとして赤面した。

大丈夫ですかと、男性が鞄の中身を拾って渡してくれ、看板を直しながら声をかけてくださった。

足はジクジクと痛むけれど、大丈夫ですと返事をして、お礼を言った。

足の痛みを時々手で押さえながら歩き、駅構内へ。

数年ぶりに派手に転んだことにショックを受けつつ、ぼーっとエスカレーターに乗り込むと、今度は降りる間際に定期券を落とした。

エスカレーターの中に入り込んじゃう?!

焦っていると、後ろの女性がサッと取り上げて手渡してくれた。

また、助けられた。

今日は朝から行きなれない場所に行くことに、ドキドキしていて疲れがたまっていたのかもしれない。

さんざんな日だったが、無事に家に帰ってこれて良かった!

明日は気を引き締めて過ごそうと心に誓ったのだった。



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