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【NICU助産師】実際に使っていた本と学習の進め方

こんにちは!ぴやちゃんです!いつもは海外渡航のことをまとめて記事にしておりますが、先日Twitterで『NICU・GCUの勉強に役立つ書籍』をいくつか紹介したところ、割と反応があったので今回は記事にまとめてみます◎

リツイートの引用元はInstagramに可愛いイラストでお勉強した事をまとめていらっしゃる、じにさん。今年国試に合格し、晴れて助産師さんになった新人さんです♡NICUが配属になったということだったので、便乗して私も少し書籍を紹介しました。

本を購入する前、勉強する前に知って欲しいこと

・できるだけ書籍は手に取って内容を確認する
→例えばイラストが可愛くて読みやすいものはもちろん勉強の入り口として最適です。が、実際に働きながら使っていくと、“浅いことしか書いてないやん…!”となることもあり。その先が知りたいのに〜!
結局、活用せずに本棚で眠ってしまう事になるので実際に手にとって中身をみて、自分に合ったものを買うことが大事です。都内なら新宿の紀伊國屋書店が医学書コーナーが豊富でおすすめですよ!

・院内の図書館や病棟に置いてある本なども活用しよう
→“使えそうだから買って満足”で集めて終わってしまっては意味がありません。院内図書館や病棟に関連する本が置いてあるならば、必要な部分を印刷して活用するという手も。特に病棟に置いてある書籍は諸先輩方やDrも見たりするので、本当に使える一冊だったりします。無理に最初から頑張って購入しなくてもいいと思います。高いし!!!(本音)

・知識は“覚える”のではなく“活用する”
→学生の時のテスト勉強とはまた違うので、“○○(病名)の病態を覚えなきゃ!症状を覚えなきゃ!!“と、とりあえずまとめていくスタイルはナンセンス。はっきり言って時間の無駄のような気がします。
バイタルサインズの正常値とか、血液データの正常値とか、基本的な症状や観察ポイントを覚えることは勿論必要ですが、多分それは働いてたら嫌でも覚える。
大事なことは、常に知識や技術を“『目の前の赤ちゃん』のケアに活用する“ということ。
○○(病名)の症状が言える、観察ポイントが言える
から、
どうしてその症状が出てきているのかがわかる、なぜその観察が必要なのかがわかる、どう看護したら良いのか相談しながら決めていける に意識を変えて勉強していきましょう。(点と点を線で繋いでいくイメージ!
そして疾患を整理することは、自分の看護に繋がるだけでなく、ご家族への言葉かけや適切な時期での家族ケアの介入を考える大事な一助になります。
特に今の時期、なかなか面会ができないご家族にとっては赤ちゃんの様子を伝えてくれるスタッフの言葉はとても貴重ですよね。赤ちゃんのことをちゃんと見てくれているんだな、考えてくれているんだなーということが伝わると、ママやパパ達の不安も少し軽減されるのではないでしょうか♡

・勉強だけじゃなくてリフレッシュも大事にね♡
→新人さんは特に覚えることばかり。
看護技術はもちろん、日勤や夜勤の流れから、カルテの記入の仕方から、各手続きの手順、輸液ポンプや呼吸器など機械の設定方法や使用方法、薬液の作り方、器材庫の物品の位置などなど…。
とにかく覚えることが多いですよね。特にNICUでは今まで触れたことのない、機械がたくさん付いている繊細な赤ちゃんの看護がメインです。この緊張感は、何年経っても消えることはありません。また、ワンフロア病棟なので一般病棟のように“訪室しに行く時が先輩の目から離れられるひととき”…なんていうことがなかなか難しい場所でもあります。(絶対に誰かの目があってヘルプが出しやすいという安心感もあるけども!)
…それに、アラームがなりっぱなしで高温多湿の少し蒸し暑い特別な環境での立ち仕事はなかなか体力が削られるもの。
気疲れ、体力的な疲れはもちろん、その場から離れてもアラームの幻聴が聞こえるし、帰宅したあとにドッと疲れが出ると思います。
初めのうちは超重症児を見ることはほとんどないと思いますし、(呼吸器つけるかつけないかくらいの児からかな?)まずは勉強勉強!と張り切りすぎず、追われすぎず、赤ちゃんを安全に看れること、業務を安全に遂行できることを目標にしてみてくださいね。知識も技術も絶対ついてくるし、少し余裕ができたころにはきっとNICUでの楽しさを感じていると思います♡。
ぜひ、休日はたくさん休んでください。
毎日元気に出勤してるだけでえらいよ、100点◎◎

さて、前置きがだいぶ長くなりましたが、ここからは私がNICUで働いていた時(特に1年目の時)に私や同期がよく使っていた書籍を紹介します!
今回は看護技術の本や母乳育児支援などの内容ではなく、疾患理解や治療の理解に役立つ物を中心に載せています🖋すでにツイートしたものもありますが、その理由も併せて紹介していけたらなと思います。

①新生児看護の基礎知識はこれ!


◎理由
<新生児学入門>
新生児学は仁志田先生なしには語れない…。新生児のことはとりあえずこの一冊にまとまっていると言っても過言ではないです。ほとんど文章で構成されている教科書のような本。新人時代はもちろん、新しい疾患に出会って基礎知識に振り返るたびに開いていました。その度に学びが深まる一冊です。

<新生児のフィジカルアセスメント>
ネオネイタルケア改め、NEOから出版される月刊号です。号別に内容は違いますが、どの内容も写真が豊富で視覚的な情報が多くて頭に入りやすい印象です。疾患や看護、技術に関して分かりやすくまとめてあるので自己学習にはもってこい。院内図書館や病棟の本棚にもあるかもしれません。毎年大体内容は同じなので、1年間購読してストックしておくという手もあり。中でもフィジカルアセスメントの号は新生児の観察における基礎知識がまとまっているので、こちらは購入して手元に置いておくと便利です。

<新生児の代表的疾患と病態生理マスターブック>
多くのNICUで出会うであろう新生児の代表的疾患が綺麗にまとまっているのがこの一冊。呼吸・循環・神経・消化器・栄養・感染の代表的疾患42種について、病態・検査・治療・予後が解説されているので手初めに読む1冊として最適です。

②新生児の呼吸管理と呼吸器をセットで覚えるにはこれ!

◎理由
<ステップアップ新生児呼吸管理>

この本のいいところは、小項目が多く、Q&Aで一つの質問に対して一つしか答えがないところ。そして関連項目に素早く移動出来るところが特徴的。例えば「なんで無呼吸発作になるの?」(病態)から、「酸素投与の判断は?」「レスピア」「ドプラム」「ウィーニングの目安は?」など、関連する項目が一目でわかるので数珠繋ぎに自分の知りたいことへ飛ぶことができます。
一年目はまずは呼吸循環動態の整理と呼吸器の基礎知識から。次に薬剤の使用の判断や呼吸器設定の変更について…、なぜDrはこの治療方針なの…?というふうに、理解が進むにつれて湧き上がってくる疑問にも対応し、スッキリ解決させてくれるので、2・3年目に上がってもずっと使える一冊です。

<新生児の呼吸管理ビジュアルガイド>
GWを過ぎたあたりから少しずつ、呼吸器疾患の児を受け持つことも増えていくのではないでしょうか。治療に不可欠なもの、それは呼吸器。基本的な呼吸器の仕組みはもちろん、SiPAPやCPAPなどモード別の呼吸補助の仕組み、ベビログやハミングなど実機の解説など満遍なく盛り込まれています。ME機器は使いこなしてなんぼ。エラーの対応やアラーム・表示がでたときに身体の中で何が起こっているのかというところまで教えてくれる一冊です。


③心疾患の病態は治療後の循環動態の理解が大事!

◎理由
<ステップアップ新生児循環管理>

小児循環器といえば与田先生…!ステップアップ新生児呼吸管理と同様に非常に使いやすい一冊です。理解していくたびに増えていく疑問、それはまさにステップアップしている証拠。何度も見返して学習するのに最適な一冊です。

<図解 先天性心疾患>
この本の凄いところは、心疾患の血行動態を、“治療前”と“外科治療後”どちらも図解化して解説してくれているところ。「病態を知る」のは、学校のテスト勉強。私たちが実際に関わる赤ちゃんは、“周手術期”にあたる術前・術後の赤ちゃんや段階的な治療の途中で退院に向けて成長していく赤ちゃんなので、疾患の概要を理解するだけでは十分ではありません。
またNICUでは、本当に多様な心疾患があることを知ると思います。複数の心疾患を持つお子さんの中には、迷路みたいに複雑な血行動態を持っている個性的な子もいますが、一つ一つの疾患の血行動態を理解することで、複数の心疾患を持つお子さんの理解も進むと思います◎
そもそも、心疾患の理解って難しくないですか?私は苦手でした。
自分で描けるようになったら理解が進むよ〜、とよく言われるので自分なりに描いてまとめたりしましたが、私は絵が得意ではないので余計混乱するだけでした(笑)
個人的には『通常であればこの流れで血流が流れていく。でもこの子はこの通路が閉鎖している。じゃあこの子が生きるにはどういう血行にすればいい?』と、ゲームのように心臓の血行動態をイメージするのが一番頭に入りました。
心疾患児の心臓って凄いんです🫀でも、いつもと違う道だから少し体がキツくなることもある。
この本で理解を進めていくことで、“だからこういうところに気をつけないといけないんだ“とか“だからこの治療が必要なんだ“と、必要な治療や看護の根拠や、育児技術における留意するポイントなどを理解出来るようになりました。
心疾患の理解は苦手でしたが、その面白さに気づくと、“この赤ちゃんが生きていけるようにここに道を作ったんだ”と思うと生命の不思議さと神秘に感動しますよ。



④お薬のことはこれ

<新生児室・NICUで使う薬剤ノート>
これはポケットサイズなのですが、ポケットには入れず、病棟の自分のレターボックスに入れていました。NICUで使う薬剤の作用・副作用はもちろん、観察ポイントや希釈用量なども記載されています。初めて出会う薬剤はまずこちらで確認!もちろんアセスメントの一助になりますし、新人時代はとても重宝しました。

⑤結局そんなに使わなかったもの

◎ポケットブック系📚
あくまで私は、ですが…。(とはいえ薬剤ノートは使っていた)
・どこに何が書いてあるのか把握する必要がある
・ポケットから取り出して確認する暇はない
・まとめてある内容が浅い

という理由で、ほとんど使いませんでした。
アセスメントや病態のまとめは浅いし、基準値などは覚えればいいし(結局病態とともにまとめる日が来るし😂)、看護技術面は病院によってもルールや使用する物品が違ったりするので、自分でまとめた方が見やすかったし、ポケットブックに書いている内容を活用する機会はほとんどありませんでした。

最後に:事例と復習の反復が大事

冒頭も書きましたが、今の時期は病態の理解以上に覚えることがたくさん。
先輩達に比べたら受け持つ児は軽症な児だとは思いますが、生まれてきた小さな命を看護するという重みと責任はもちろん平等で、心身ともにエネルギーを使いますよね。慣れない環境で自分の体力や精神力のペースを掴むのが難しい時期に、本当によく頑張っていると思います◎
あらかじめ勉強することも大事だけど、まずは自分の身体と心を休めることを優先してくださいね。

私は頑張って予習をするよりも、今日の受け持ちの赤ちゃんの疾患をよく調べる、復習の方が大事だと思います。なんであの時先輩はこういうケアをしたんだろう?なんで先生はこのタイミングでこのお薬を使ったんだろう?そういう疑問をぜひ大事にしてくださいね◎
そして慣れてきたら、自分で調べてもわからないことはどんどん先輩や先生に聞いてみてください。先生によって治療の方針が違ったり、同一のケアでも先輩によって視点が違ったりして面白いですよ◎◎


赤ちゃんに触れるその手の強さとか、暖かさとか、丁寧さは絶対に赤ちゃんに伝わっているからね。あなたの優しい手でたくさん愛情を伝えてあげてくださいね。


さて、超〜〜〜〜長くなりましたが、これにて書籍の紹介は終わり!少しでも参考になれば幸いです^^最後まで読んでくださり、ありがとうございました♡
Twitterのほうでは質問箱も設置しているので、いつでもなんでも聞いてくださいね(*^^*)
NICUで学んだことやママ達への看護の視点なんかもいつか伝えられたらいいなあ、なんて。それではまた!ぴやちゃんでした〜〜


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