エンターテイナーな彼女
友人にエンターテイナーがいる。
彼女とはとある学びの場で4ヶ月一緒にすごした。
そしてその期間が終わっても、時々話す機会がある。
一言で彼女をあらわすなら、ちょっと抜けたオカンである。
そして、わたしを知っている人ならば、きっとこう思うはずである。
相性があんまり良いと思えない。と。
パーソナルスペース1kmか、というくらい人から距離を置きたいわたしと、
パーソナルスペース激狭な彼女。
たしかに最初はすごい入ってくるやん、と感じていた。(ごめん)
主に物理的な距離ではなく、心理的な距離という意味で。
いままであまりこういうタイプのひとと交流してこなかったのでとまどいもあったと思う。
けれど、構える間もなく入ってきて、こちらの意思確認しないままに行動する、押しの強さに救われることもあるのだということを、彼女と出会って知った。
世話焼き、という言葉が一番近いように思うが、彼女の場合はそれが相手をコントロールしようとする意図がないことがわかるから、きっと心地よいのだろうし、オカンみを醸し出しているのだと思う。
悪く言えば強引なのだけど、その行動理念の1番は、心配と彼女なりの優しさなのである。
そしてその出しどころを見誤らないのだ。
前職で培ったスキルでもあると思うのだけど、
硬い殻で対抗しようとしてもするん、と入ってきてしまい、殻で守っているやわらかい部分を刺激するのである。
そして、ダメよ?と叱ってくれる。
わたしの周りには、セルフネグレクトしがちなひとが多い。自分自身もそうである。
けれどそういう行動の裏には、誰かに気づいてほしい。助けてほしい。という小さい自分が居るんじゃないかと感じている。
彼女はそんな小さい自分を、電波受信するかのように見つけ出し
「ダメよ?ちゃんと食べないと」
と柔らかな口調で、けれど反論を許さない強さでひっぱり上げてくれる。
わたしはそんな彼女の強引さを眩しいと思い、愛しいと思う。
彼女へのLINEを返信しながら、つらつらとこんなことを思う朝。
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