見出し画像

【技術士】系統用蓄電池


必要とされる背景

 第6次エネルギー基本計画で、2030年度の電源構成には再エネ比率を36%~38%とすることが掲げられている。再エネのうち変動性再生エネルギー(VRE)と呼ばれる太陽光・風力発電は19%~21%を想定し、現状よりさらなる導入拡大が求められている。これが出力変動に対する調整力となる系統用蓄電池が必要とされる背景である。

他の蓄電設備との違い

蓄電池

 需要施設の敷地内に設置される需要地併設型蓄電池は、日中に発電した電気を蓄え夕方・夜間に使用する目的で設置される。
 太陽光や風力発電所に併設する蓄電池を、発電所併設型蓄電池という。この蓄電池は電力系統ではなく発電所に接続され、送電線に流すことができない電力を蓄えることが目的となる。

揚水発電

 太陽光発電の出力が多い昼間や電気の使用量が少ない夜間等の電気代が安い時間に揚水が行われる。VREの調整力として活用されているが、再エネの導入量が増加した場合、揚水発電だけでは調整力を確保することができず、揚水発電所を増やすには大幅なコストと時間および立地等の問題が存在する。

課題

 系統用蓄電池を系統に接続するためには順潮流、逆潮流双方の空き容量が必要である。逆潮流については、Nー1電制やノンファーム型接続等の制度構築が進められているが、順潮流側については系統増強で対応している。系統増強には多額の費用がかかる上に工期が長く必要になり、系統用蓄電池の導入拡大に向けた課題となる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?