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ペドロに清き一票を

映画やテレビドラマを普段ほとんど観ない。話の筋を追うのが苦手だ。本を読むのは好きなので自分でも説明がつかないが、「映像を伴った」物語に抵抗があるのかもしれない。そんな自分が最近観た映画を紹介します。

「ナポレオンダイナマイト」

以下、ネタバレも含む。
コメディ映画、になるとは思うが映画に詳しくないので断言できない。不条理ギャグと言ってもよさそうだが、主人公を筆頭に登場する人物全員が自分の正義に生きているように見えて、不条理という言葉が失礼にも感じる。

冒頭から連発される小ネタはのちの伏線になるのかと、身構えながら観ていくがまったくひとつも回収されない。ただひたすらズレ続けていく群像劇。

そんなストーリーの中でキラリと光るのは「VOTE FOR PEDORO」と書かれたリンガーTシャツを着た主人公ナポレオンが、ジャミロクワイの曲に合わせて激しくダンスするシーン。その珍妙で誠実なダンスに観衆が熱狂するのを観て、本当に冗談抜きに感動してしまった。

登場するキャラクター達は全員がズレていて冴えない。それでもその自分を一生懸命生きている様子はこの映画を観た人へのメッセージになっていると思う。悲しくて嬉しい。

2004年に公開されたアメリカ映画を2020年に知る。これも何かのおぼしめしかと思う。

余談だがこの映画があまりに好きすぎて、ネットで「VOTE FOR PEDORO」Tシャツを買い、奥さんには冷たい目で見つめられた。

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