ケイタの思い出
私が中学生の頃の話である。
不思議な少年が近所に住んでた。
ケイタくんっていう、バレーボール部の一個下の後輩。
時々、うちに遊びに来て、なんか、僕がやっていることをただただニコニコしながら見て、2時間くらいしたら、帰って行くの。
母子家庭だったのかな、ちょっと覚えてない、そんで、妹がいて、という家庭だったので、さみしかったのか、僕のこと、お父さんか、お兄ちゃんみたいに思ってだんだろうな。
高校3年くらいまで続いたんだな。中学の2年からとして、5年間。
その間僕は、アマチュア無線もやったし、シンセサイザーもやった。
ケイタはそれら僕の青春を一緒に楽しんだわけだ。
そんなやつはケイタ意外、一人もいやしない。
でも大学に入ってからだろうか、バッタリとうちには来なくなってしまった。
それっきり、だいぶ、ケイタの事は、忘れてしまっていた。
しかし、当時聴いていた音楽をまた最近、聴いていて、ケイタを思い出した。
音楽は時間のしおりだって、誰かが言ったけど、言い得て妙だな。
中学時代に聴いていた音楽を聴いて、中学時代の友達を思い出すんだから。
今頃、どうしているかなあ、ケイタ。
警察官になったと、風の噂で聞いた。
あったら昔話でもしながら一献やりたいもんだ。
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