見出し画像

疑いは大げさにしていい。

こんにちは。

前回のnoteを見てくださった方が想像よりも多くいらして、

同じ境遇の方ともつながれて、少し落ち着いた気持ちで過ごせています。

ありがどうございます。


今回は父の病気が分かるまでの経緯をお話しします。



脳ドッグで全てが明らかになると思っていた

父が変だ。

そう気づいてから、私たち家族は父に病院に行くよう言いました。

でも父はなかなか言うことを聞いてくれない人なんです。

頑固というわけではなくて、面倒くさがり屋なんですよね。私も父のそういうところを受け継いでいるので、気持ちはわかります。

何をするにしても、お尻が重い。


結局父が病院に行ったのは、「変だ」と気づいてから半年ほど経った頃でした。


私たちは、「とりあえず脳ドッグに行けば何かが分かる。」、そう思っていました。

だって脳みそだけを診るわけですから、細かいことが分かって当然だと考えていたのです。

でもそんなことはありませんでした。


お医者さんからは、

「脳梗塞の跡のようなものがあるが、本人に異常がないようなので違うのでしょう。」というシンプルな回答。


当時の父は、自分の異変を自覚していませんでした。

全て「転職活動のストレス」と勝手に一くくりにしていたのです。

おそらく病院でも、

「家族が行けっていうんで来たんですが、自分では特に何も。」

みたいなことを言ったんだと思います。


それでも、脳ドッグで何も問題がないといわれたからには、何もないんだろう。

そんな甘い考えで、私たちはさらに長いこと、父の病気を放っておいてしまいました。

それも、およそ1年半もの間。


変だな、変だな、と思いながらの1年半は、表面上は穏やかなものでした。

この話はまた今度することにします。



高次脳機能障害では、という疑い

私は大学で福祉系の勉強をしていたのですが、

4年生のころ、たまたま高次脳機能障害のゲストスピーカーのお話を聴く機会がありました。


その時に、

「あ、父はこれだ。」

と思ったんです。


脳梗塞や交通事故で脳に損傷があって、

麻痺が残って、言語野が弱くなって……


話を聴けば聞くほど、父の症状と酷似していることに気づいたのです。

私はその方の話を聴いて、安心しました。


治らないけれど、そこまで酷いものじゃない。

これ以上病状が進むことは無い。

そんな勘違いをしていたのです。


それなら、また病院で診てもらえばいいや。

見当をつけておけば、後でびっくりすることもないし。


そんな風にとらえていました。

もちろん家族には、「高次脳機能障害かもしれない」と伝えておきましたし、父にも病院に行くように勧め続けました。


でも父は結局、今年の夏に家族が痺れを切らすまで、病院に行くことはありませんでした。



見当は外れ、後悔だけが残った

全くの見当はずれでした。


父の病名は高次脳機能障害ではなく、アルツハイマー。

家族の誰もが、予想だにしていない展開でした。


だったら、もっと早く来るべきだった。

お尻が重い人だから、なんて放っておかずに、引きずってでも来るべきだった。


なんて馬鹿な選択をしてしまったんだろうと、今でも後悔しています。

もっと早く来ていれば、もっと早く治療が始められたかもしれないのに。


この結果に至るまでに、5か月間も検査を重ねてきていました。

その間にも、父の病状は進んでいたはずです。


父のことを心配しているようなフリをして、実のところ、どうでもよかったのかな。

自分が薄情な人間に思えてしまって、時々声を上げて泣いてしまうことがあります。

後悔したって仕方がないのですが、情けなくて……



疑いは大げさにしていい

この文章を読んでくださっている方には、同じ後悔をしてほしくないです。

自分でも親でも友人でも同僚でも知り合いでも、

おかしいなと思ったら病院へ連れて行ってください。

ちゃんと精密な検査が受けられる病院に、付き添って行ってあげてください。


なんでもなかった、気のせいだった。

それなら「よかったね」で済ませればいいんです。


でもその逆だったら?

発見が遅れてしまったら?


若年性認知症は、進行のスピードが速いといわれている病気です。

後悔しないためにも、行動することをお勧めします。


後悔をする人が減りますように。

よければサポートをお願いします。いただいたサポートは父を支えるために使わせていただきます。