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旅のラジオを聴きながら③

今日、3月4日は観光デーだ。
アーヘンへ行きケルンへ行く、いわば弾丸観光だ。

 8時30分発のstadtbahnに乗り、デュッセルドルフ中央駅へ。集合の9時30分までは時間があったので、駅をぶらぶらしていた。スーツケース姿の人も多く、栄えていることがわかる。ふと、本屋を見つけたので入ってみた。

 ドイツの本は基本、ペーパーバックだった。おしゃれなイラストのものが多く、思わず手に取ってみたくなる。日本の本も多くあり、村上春樹の本やたくさんのマンガがドイツ語訳されて販売されていた。欲しい本を見ていると基本的には8€〜で少し高めだが、きっとどこかのタイミングで買いに来ることだろう。

 電車は10€弱の周遊券だった。これで周辺都市までどこまでも乗り放題らしい。すごい。電車のなかも清潔でトイレもある。座席にはゴミ箱があって、非常に快適な環境だ。

 ドイツの電車は基本的に改札がない。各自チケットを買って勝手に電車にのる。それだと無賃乗車もできるのではと思うが、抜き打ちのようにチケットを確認する人がくる。それに見つかって、ひとり電車から降ろされている姿を見かけた。

 1時間30分ほどでアーヘンに着いた。こじんまりとしていてとても居心地のいい駅だ。ここはカール大帝が拠点としていた場所で有名らしい。駅から歩いてアーヘン大聖堂へ向かった。アーヘン大聖堂は中心の八角形の建物を軸に、周囲に建物を増設する形で広がってきたそうだ。中心は800年からあるらしく、モザイクアートはとても美しかった。同じ青でも濃淡さまざまな青が使われていたり、柱と柱の間が違う模様になっていて、それらがとても整然として、また大聖堂の荘厳な雰囲気を醸し出していた。また、スライドグラスも初めて見たが、こんなに色の美しさが現れているものがあるのか、と思うくらい色がはっきり見えた。また多様な色が隣り合わさることでより一層、美しさや情景に深みが生まれ、信心深さが体現されているような感じを受けた。

 アーヘン大聖堂を見た後はアーヘン役場へ。そこは日本のような建物ではなく、アーヘン大聖堂で見たような荘厳とした建物であった。そこには多くの人通りであふれ、とても親しまれている様子があった。

 そうこうしているうちにお昼になり、各自解散してお昼ご飯を食べることに。そんな時、レストランを探していたら自転車の女性が手袋を落としたので拾ってあげた。するととても喜ばれた。ドイツ人は笑うことが少ないと言われていたり、実際街中を歩いていてもみな静かであったから、この反応には自分もびっくりしたと同時に、素直に親切をして良かったと思えた。

 さてさて話を戻して、お昼ご飯はアーヘン役場の広場から少し折れたところにある「Café & Bistro Anvers」というところにした。席に座ってからビールを頼み、マッシュルームソースのかかったシュニッツェルをたべた。シュニッツェルはカツレツのことである。ビールは少し苦かったもののやはり日本とは違う味がしてこれもまた美味しかった。シュニッツェルも日本のものより脂っこくなく、そしてソースがやたらべらぼうにめちゃくちゃ美味しかった。お腹いっぱいになっても、そのソースにつけた付け合わせのポテトは美味しく感じて全然食べれるという不思議な感覚を味わった。ひたすらに量があったが、最後までビールと共に美味しくいただいた。一人当たり15€ほどであったが、本当に美味しいドイツ料理に満足し、五感でドイツを堪能した。

 昼ごはんの後は、アーヘンにしかないというお菓子屋へ。いい匂いがする店内で、いろんなお菓子の詰め合わせとワッフルを買い、コーヒーと共に食べる想像をして、ひとり嬉しい気持ちになった。

 アーヘンは落ち着きがあり、観光地と日常生活がうまく溶け込んだ、居心地の良い街であった。この時で16時。もう帰宅かと思えるが、実はこの後、デュッセルドルフとアーヘンの間にあるケルンへいく。ケルン大聖堂があるのだ。

 16時51分発の電車に乗りケルンへ向かう。右からも左からもドイツ語が聞こえ、単語の羅列を聞いては意味がわからないとうなだれる。と思っているうちにケルンに着いた。

 どこに大聖堂があるのかと思いながら駅を出て左に曲がると、いきなり現れた。まるで映画のような存在感と大きさで、まさしくそびえだっていた。大聖堂はミサのために入り口付近しか入れなかったが、内部の100メートルはあるのではと思うくらいの天井とステンドグラスが、その大きさと歴史を物語っていた。

 ケルン大聖堂を見た後は19時ごろになっていたので、すぐさまデュッセルドルフへ移動。移動中、20分ほど仮眠をとった。

 デュッセルドルフ中央駅に着いてからは、明日、ツォンスに行ける24時間乗り放題チケットのBタイプ?というものを2人分19.9€で買い、その後日本人街、繁華街へと向かった。

 日本人街は異国にいるのに日本語の看板ばかり、街ゆく人も日本語を喋っている。お店の中で働いている人も日本人だった。ドイツにいるのに日本語ばかり見聞きするというのは、ラジオで聞いた入れ子構造の旅のようで印象に強く残った。その後は、日本人街を抜けて繁華街へ。皆ビールを飲み、大音量で街中を歩いている人たちの合間を抜けて少し離れにある立ち飲み屋へ。そこはビール工場のすぐ下の直営の店で、1種類のビールしか出していないそうだ。そこで飲んだのは日本で言うところの黒ビール。しかし、芳醇な香りとほのかで邪魔しない苦味が段違いで旨みへと昇華されていて、とても美味しかった。疲れもあって、コップ一杯で酔いが回ってきた。

 その後はライン川をみて、解散し、家へと戻ってきた。時間はもう22時。さっとシャワーを浴びてから、お腹が空いていたので少し料理。nettoで買ってきたカリーブルスト1パックとソーセージ2本をたべた。程よくお腹も膨れたことなので、今日は寝ることにしよう。

 今日は一日本当に疲れた。歩数計を見ると19000歩だ。異国の地で、電車移動もしていたことを鑑みると、なかなかハードな観光だったかもしれない。さて、明日も同じように観光だ。古都市のツォンスへ行く。いったいどんな景色が見れるのか、ゆっくり休んで元気な状態で出掛けよう。

3月4日ドイツ時間23:14
ソーセージをたらふく食べて幸せな気持ちで
寝転がるベットの上から

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