不妊治療の話 その4

3年間の不妊治療について振り返るのにこんなに時間がかかると思いませんでした。
たった3年、されど3年。それだけいろいろやってきたのだなぁと思います。

クリニックに通い始めて2年目の2022年1月。
いよいよ人工受精を始める時がやってきました。

今回のトピックはもちろん
人工受精を受ける
不妊治療の保険適用化
お仕事お休み期間
です。

今回、人工授精にステップアップをしましょうという流れで先生に提示された回数はMAX6回。
年齢的に6回まではやってみてもいいけど、6回やってダメだったらその後、妊娠する確率はグンと下がります、と。7回8回と重ねても確率が良くないのであれば、さらに次のステップアップや検査に進んだ方が良いという方針でした。
ここのクリニック、ちゃんと先生が患者にその先の方針や治療提案を示してくれるので先が見えて助かります。
このクリニックしか知らないので他がどうとか比べられないのですが、知り合いの不妊治療されていた方は一通りやってみて最後は結局「次どうしたい?」とこちらに全投げだったらしく嫌だったと言ってました。(受診年齢にもよると思いますが)
もちろん、私のクリニックも方針を伝えた上で最終判断は患者。嫌だったら拒否はできます。しかし、私は基本クリニックの先生の方針に全任せで行ってました。私がネットで仕入れた又聞き知識より専門家の方が全然信頼できますので……。

人工受精を受ける

いよいよやってきました。
スケジュールはたぶん他のとことそんなに変わらないと思いますがざっというと、
自宅で採精、1時間以内にクリニックへ。
調整してもらい、運動率の良い状態にする。
事前に排卵誘発の注射を打って、調整精子を体内へ注入。
だったと思います。(もう前のことすぎてあやふやです。)
その前後で毎日薬の服用にも追われてたような。

人工という名ですが、卵子と出会いやすくする手助けをするというだけでほぼ自然妊娠と変わりません、というような説明がありました。
私達夫婦の場合、片側卵管閉塞の他に夫側の運動率が平均より低いという検査結果もあったので、お互い問題なく妊娠できる力があればこの自然妊娠をアシストする方法でも妊娠できるという訳です。

結論からいうと、6回ほどやってダメでした。
最初の一回は、いきなり成功する訳ないよね、まあ一回は失敗するよね、とショックは受けるもののまだメンタルの回復は早かったです。
それが2回、3回と続くと……人工受精でもダメなのかとどんどん沈んでしまいました。正直、ステップアップするとタイミング法よりも失敗した時のショックはデカいです。
いつまで経っても子供が作れない自分、消えたい、しにたいと思うこともありました。
この時期辺りにお呼ばれした大学のサークル時代の結婚式も、他人の幸せを祝える気持ちになれないとコロナを理由にお断りしました。結婚ラッシュのタイミングで自分も結婚したので、同時期に結婚した参加者の子供エピソードを聞くことになると予想したのもあります。
この時期はストレスになりそうなものは事前に察知して徹底的に避ける、という術をかなり身につけていました。

不妊治療の保険適用化

2回やったところで、4月からは不妊治療が保険適用になるということが分かりました。
我が家では今も政治家は嫌いだけど菅さんはアリガトー!って気持ちでいます笑
覚悟してたほどめちゃめちゃ高かった訳じゃないけど、それでもタイミング法の時よりはグンと上がった人工受精の治療費。
治療費は結婚してから積み立てていた2人の共有貯金から出すとしていましたが、本当は家や子供の養育費に使う予定だったのに、と治療費で目減りしていく貯金残高を見ると悲しくなっていました。
人工受精はスタートしていたけど、それでも途中からでも多少なりとも安くなるのはありがたい!
次は保険適用になる4月からする?ということも考えましたが、この時はたまたまメンタルが良かったのもありメンタルが良い内にチャレンジしたいと3回目は3月、折り返しの4回目から保険適用の4月にする!と決めました。
今思えば無理に3月にやらなくても良かった気がしますが当時はとにかく不妊治療に必死で先が見えてなかったなと思います。
また、余談ですが結局4回目は保険適用分になりませんでした。いつも月初に移植しており、4回目も計画自体は3月だったので3月分扱いとなり……余計にじゃあ3月無理にしなくて良かったじゃん!となった瞬間でした。

お仕事お休み期間

さて、この時期、自分なりにストレスとの付き合い方を見つめ直し。ストレスのない環境作りをテーマに動いてました。
年明けから人工受精に合わせて不妊治療の鍼灸を受けてみたり、寝る前や仕事中にアロマを垂らしてリラックスしてみたり、寝る前にヨガをして睡眠の質を高めたり。
相変わらず夫婦で出かけたり美味しいものを食べて気分転換する時間も持ちました。(その際夫はなるべくファミリーがいない場所を選んでくれていたようです)

そんな中、不妊の他に一番ストレスを感じていたのが仕事でした。職場のお局とおばさんAの仲が悪くて職場の空気が悪かったり、とばっちりで面倒な仕事がこっちに振られたり。
こんな職場じゃいつまでもストレス溜まる!転職する!と転職を考えるほど(当時は何でもストレスを不妊に繋げてしまう傾向がありました)

人工受精の前後2週間をストレスなく過ごした方が受精しやすいですよと言われていたのもあり、せっかく移植をしてもその前後2週間がこんな職場に身を置いていては出来るもんも出来ない!という気持ちで、限界がピークに達し、当時の上司に直談判。
2週間でいいから次の治療のタイミングで休暇をくれと言いました。
元々不妊治療を受けているので急な休みが入ることがある、という話を人工受精のタイミングで上司にしていたので療養したいという話はしやすかったです。
不妊治療をしているという話はセンシティブで他人にはしにくいですが、やっぱり親、義両親、職場に1人、友人に1人くらいは知っている人を作っておくと困った時に立ち回りやすいと思います。

上司も職場環境の悪さは自覚していたので渋々納得してくれました。(普段から言われた仕事はちゃんとして信頼を得ていて良かったなぁと思った瞬間です)
なので4回目は職場を2週間有休でお休みした状態で臨みました。
お休み期間は実家でゆっくり過ごしたり(事情を知った母がカフェに連れてってくれたり)、自分で好きに映画を見て過ごしたり、なんならこの機に!と転職の面接も受けました笑

さすがに2週間の療養休暇ということで、そこそこ仲のいいおばさんには事情を話しましたが、そこでその方も高齢不妊治療者だということを知りました。
一通りやって年齢的にほぼ諦めてるけど、今も漢方でタイミングだけは諦められないという話や、自分もひと月仕事を休みたいと直談判したことがあるという経験談等、「卵管造影検査痛かったよね〜」なんて共感できる人にこの時初めて出会いました。
年齢も若いしまだこれからだから応援してる!2週間のお休みも気にするな!と送り出してくれ、良いタイミングで治療仲間に出会えたなぁと思いました。

結局、さっき述べたように人工受精は6回やって失敗、この時やった4回目もダメだった訳ですが……。
お休みした上でダメだったことによってそのショックもかなり大きかったですが、自分はやっぱりなかなか妊娠できない体質なんだとある程度の覚悟も出来た気がします。

次はそんな人工受精5回目以降の話からします。

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