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「おっさんずラブ」制作陣再集結!制作陣の5年間を振り返る

2018年春ドラマ「おっさんずラブ」の制作陣が5年ぶりに集結するドラマ「unkown」が、4月18日(火)21時からテレビ朝日系列にてスタートする。

2018年春に一世を風靡した「おっさんずラブ」。深夜ドラマながら、視聴率は右肩上がりで記録を伸ばし、Twitterでは世界トレンド1位を獲得。最終回放送時は、Twitterトレンドが「おっさんずラブ」の内容や登場人物で埋め尽くされ、ハッシュタグ「#おっさんずラブ」のツイート数は、あの「逃げ恥」の記録を抜いたと言われている。ピュアなラブとキャッチーなコメディ要素が程よく噛みあった王道のラブコメディ。主演の田中圭をはじめとした俳優の真摯な演技が、数多くの視聴者の胸を打った大人気恋愛ドラマだ。

このドラマ史に残るラブストーリーを世に送り出したスタッフが5年ぶりに集結するドラマ「unknown」。再び集まったスタッフは貴島彩理プロデューサー、脚本家の徳尾浩司、瑠東東一郎監督、作曲家の河野伸だ。このスタッフたちがこの5年間どのような形で力を蓄え、再集結に至ったか紹介したい。

若手女性プロデューサーの成長

「おっさんずラブ」は2018年の連続ドラマの前に2016年に単発の深夜ドラマが放送されている。実は貴島プロデューサーはこの単発版の「おっさんずラブ」がプロデューサーデビュー作。2017年には土曜ナイトドラマ枠初作品「オトナ高校」を担当し、2018年に単発版の人気を受けて遠続ドラマ「おっさんずラブ」を手掛けた。

本作品は貴島プロデューサーが大学時代に女友達の世話になった際に感じた「なぜ彼女と結婚してはいけないのか」という気持ちから着想が得られたもので、「働く今どきの男女の恋愛観」や「『好き』や『結婚したい』という感情は何か」というテーマへと発展していったと語られている。

「おっさんずラブ」担当時は28歳。若手女性プロデューサーが、自分の感性をもとに制作した作品が、脅威の大ヒットを記録したのだ。

貴島プロデューサーはその後、土曜ナイトドラマ枠で「私のおじさん〜WATAOJI〜」、「女子高生の無駄づかい」などを担当。GP帯ではヒューマンドラマの名脚本家・岡田惠和とタッグを組んだ「にじいろカルテ」など、放送枠やジャンルにとらわれず、幅広い作品をプロデュースした。2023年冬クールでは、ラブストーリーを数多く手がける脚本家・大石静と組み、テレビ朝日火曜21時枠で「星降る夜に」を手掛けた。深夜ドラマ枠のラブコメで旋風を巻き起こしたプロデューサーが、5年の月日を経て、GP帯で恋愛ドラマを担当したのは感慨深いものがある。制作に携わった手話指導のスタッフからも、真摯な姿勢が語られている。

「おっさんずラブ」以降も、自らの経験や感性をもとにしたオリジナル作品を多く世に送り出し、好評を集めている。33歳になった貴島プロデューサーが、この5年間に培った経験や感性を元にどのような作品を生むのか期待したい。

一風変わったラブストーリーを描く脚本家

次に紹介したいのは、脚本家・徳尾浩司。緻密に構成されたコメディ要素と、自然で日常的なセリフで、世界観を瑞々しく表現する脚本家である。

特に「おっさんずラブ」では、その脚本の魅力と田中圭をはじめとした俳優陣の演技力が良い化学変化を生み出していた。間や緩急を保ったコメディ部分と、感情が詰まったラブストーリー部分が、心地よいギャップを生み出すことで、とてもナチュラルでピュアなラブコメに仕上がっていた。「おっさんずラブ」のヒットは、この脚本と俳優の演技が噛み合うことで生まれたといっても過言ではないほど、徳尾浩司の脚本と田中圭の演技は相性が良い。

「おっさんずラブ」以降は、TBS系列で働く女性と家政婦のおじさんの恋愛を描いた「私の家政夫ナギサさん」、日本テレビ系列では、海洋学者の人魚と御曹司の恋愛を描いた「恋はDeepに」など一風変わったラブストーリーを手掛けている。どんな設定のドラマでも、その作品が示す本質を捉えた日常感のあるセリフと描写によって、リアリティを持って視聴者に届くのだ。

「おっさんずラブ」をきっかけに、GP帯恋愛ドラマの制作を経て、テレビ朝日GP帯での田中圭との再タッグ。どんな設定でもナチュラルに、それでいて細やかに感情の揺れ動きを表現するセリフと、与えられた役として感情を爆発させる田中圭は、次はどんな世界を見せてくれるのか楽しみたい。

コメディが包む優しい世界を演出する監督

コメディドラマを多く、手掛ける瑠東東一郎監督も、「おっさんずラブ」をきっかけに作品の幅が広がった。2020年には、日本テレビ系日曜ドラマ枠で「極主夫道」を担当。瑠東監督らしい日常感のある画作りと、思い切ったコメディが、原作の良さを引きだした。そのほか、「浦安鉄筋家族」や「DIVE!!」、「古見さんは、コミュ症です。」など、有名原作のドラマ化を手掛けた。

2022年には、フジテレビ系列「魔法のリノベ」を担当。登場人物たちのテンポの良い会話と、それぞれの家族とリフォームの形を優しく描いた瑠東監督らしさが溢れた作品であった。2023年冬ドラマでは「スタンドUPスタート」を担当した。実は「おっさんずラブ」以降、オリジナルドラマは手掛けていない。

5年ぶりにタッグを組むプロデューサー、脚本家が生み出すオリジナル作品で、どんな世界を演出してくれるのか期待したい。

ラブストーリーに鮮やかな彩りを添える作曲家

プロデューサー、脚本家、監督に加えて、ぜひ注目してほしい制作陣の1人、作曲家・河野伸。2000年代からドラマ劇伴の作曲家を務めており、「世界の中心で愛を叫ぶ」や「白夜行」など、名作恋愛ドラマに鮮やかな彩りを添える音楽を作り上げている。貴島プロデューサーは、「おっさんずラブ」制作時に自分の好きだった恋愛ドラマの音楽を手掛ける河野さんに、音楽をお願いしたい!とオファーしたと言われている。

河野は「おっさんずラブ」以降も、TBS系列「大恋愛〜僕を忘れる君と」、「恋はつづくよどこまでも」などの大人気恋愛ドラマの音楽を手掛けている。冬クールでは「100万回言えばよかった」の音楽を担当した。

映像作品において、音楽は視聴者の感情をよりデザインし、引き上げる役割を果たす。特に河野はその作品や雰囲気に合わせた楽器使いや幅のある表現で、そのシーンの感情をより深いものに引き上げてくれる。それぞれのシーンに優しい彩りを添える音楽によって、その作品の魅力がより伝わってくるのだ。

「おっさんずラブ」は、2020年1月にサントラコンサートをおこなっている。コンサートの中で河野さんは、劇伴が数多くのファンに届いていることを実感するのは、初めてだとコメントしていた。おそらく、長いキャリアの中でも心に残っているであろう「おっさんずラブ」を手がけたスタッフたちと、再び制作を進める「unknown」の音楽。どんな彩りを作品に添え、視聴者にどんな感情を与えてくれるのか。その感情の動きをめいいっぱい楽しませてもらいたい。

役者とスタッフがそれぞれ過ごした5年間をGP帯で

深夜の小さな単発ドラマから始まった「おっさんずラブ」が、旋風を巻き起こした2018年。その後も俳優、スタッフともにそれぞれの場所でコツコツと実績を積み上げてきた。実は「unknown」には田中圭、吉田鋼太郎の「おっさんずラブ」コンビだけではなく、貴島プロデューサーが手がけた「にじいろカルテ」から高畑充希、「あのときキスしておけば」から麻生久美子が参加している。この5年間の経験と実績をもとに、出会った出演者と新しい作品を生み出そうとしているのだ。

5年間のそれぞれの成長を詰め込み、集めた仲間たちとともに、火曜21時GP帯で新しい形のラブサスペンスに挑む「unknown」。あの制作陣が次はどんな世界を見せてくれるのか。心の底から楽しみだ。


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