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【深い社会】15 百科事典が作り出した世界

TOSSが観光立国教育にチャレンジしたとき、向山先生から不思議なQが出たんです。


観光資源は 世界一のプロデューサーによれば アメリカ人だけどね 6種類 向山はそれに一つ足して 7種類 一門は全員考えて答えよ これが次の観光テキスト改訂のロジックになる 自分で考えるんだよ 答えを聞いても頭は良くならない これは基礎学習ではないからね 前頭野を使う創造の諸活動だからね プロになりたければ 寝ても覚めても考え続けること


観光プロデューサーのアランフォーバスが、お客さんを集める枠組みを6つ挙げています。

1 ヒストリー「歴史」
2 フィクション「物語」
3 リズム&テイスト「音楽・食」
4 ガール&ギャンブル「色気とスリル」
5 サイトシーン「景観」
6 ショッピング「買い物」

この中から3つをそろえば、観光地として栄えるというんです。
向山氏はこの枠組みを作り直せ、というんですね。

この問いに、谷先生をはじめ一門から一般サークル員、みんなチャレンジしました。
私もTOSSの端っこの端っこでこっそり挑戦しました。
今思うと楽しかったですね。熱中しました。

で、谷先生だったかな。分類史に気付いて発信したときに、
向山先生が紹介したのがダランベールなんです。

ダランベールは、百科事典を作る際にすべての知識の系統図を書くことにチャレンジしたんです。
元ネタはフランシス・ベーコンの系統図。
この系統図を詳しくしました。

様々な項目を分類し、関連付け、系統づけていきます。
で、できた図がこちら。
https://en.wikipedia.org/wiki/Figurative_system_of_human_knowledge#/media/File:ENC_SYSTEME_FIGURE.jpeg

これが、とっても面白い!
始まりは悟性。
その後、すべての概念を、「記憶(歴史)」・「理性(哲学)」・「想像(芸術)」
の3つに分け、下位概念に組み込みます。
「技術」は、「記憶(歴史)」→「自然の記憶」→「自然の利用」の下に。
「教育学」は、「理性(哲学)」→「人間の学」→「論理学」→「伝達学」の下に。
そうか、教育は伝達なのか。

何より驚いたのが、錬金術の中に入っていた様々な技術が、飛び出して、独立。
錬金術が化学の下位概念になって、ちっちゃくなってる!

そう、ディドロとダランベールの行った仕事の一つが、学問と技術を洗い出すこと。
分類して系統づけることによって、落ちや重なりが整理されて、すっきりするだけでなく、情報の正確性が増したんです。

その後、錬金術を飛び出した学問たちは、どんどん発展を遂げ、現在の科学を支えています。
分類することが世界の構造を再構築したんですね。

さらに、百科全書を書いた執筆者が、執筆をつづけることで中世の封建的な社会を刺激します。
その動きは貴族から民衆まで広がり、おおきなうねりとなり・・・
起きたのが「フランス革命」!

そのうねりのきっかけを作った執筆者たちを、人は「百科全書派」と呼びました。

百科事典はまちがいなく「何か」を生み出したといえるでしょう。

このように、ゼロベースで概念を枠組みすることで、様々な発見があることを向山氏は狙っていたということです。
きっと向山学級ってこんな感じだったんでしょうね。
頭がよくなるわけです。

さて、向山氏のおっしゃった観光の枠組み7つ目、気になりませんか。
みなさんもゼロベースで考えてみてください。


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