ぼくのラジオとの関係

もう、30年余り前の事。転職すれば給与が上がっていた若き日の事。3回目の転職先。そこで、「えっ?ラジオってこんな使い方があったんだ!」と、驚いたコト。

それまでは、ウァ~ンというノイズと共に人の笑い声がする深夜放送を聞いて眠りに落ちていたラジオとの付き合い。好きな曲がサビまで流れてフェードアウトするラジオ。これが、いまでいうGPS(Global Positioning System :全地球測位システム)のさきがけだったとは。

うる覚えですけれど、概要。

あの「ウァ~ン」という波のような退いては寄せる音は電波の仕業。その電波の受信状態(位相差や到達時間差)を測れれば何が起こるか。いくつかのラジオ局電波をなんども受信して受信状態を調べれば自身の位置が分かるという仕組み。

つまり、ラジオ局はどこにあるのかは既定。そのラジオ局発信状態と受信状態の差を距離に換算して、ラジオ局を中心にコンパスをその距離と同等に広げて円を書き、いくつかのラジオ局中心円が重なるところが、今の自身の位置となるわけです。

海の漁船なんかは、古くからこの手法で沿岸の自船位置を確認していたとの事。だから、国や世界の機関が運営する位置測定用の専用ラジオ局が開設されたりしています。たしか、方式によって「DECCA」「LORAN」「OMEGA」など呼称だったとおもいます。(双曲線航法とよばれるシステム)

このシステムとログ・ジャイロ装置を組み合わせて、いまでいうカーナビゲーションを試作したりして、それこそ寝食忘れて開発に没頭していましたっけ。

AMラジオが消えていく・・・。実験で漁船に乗り込んだ時、いくつかのラジオ局をスイープ・スキャンしながら聞いていました。遠くにある水平線とラジオの音。そのミックスされた映像が、心の中でさざ波を立てています。



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