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自分の半径5mから世界を変える方法~【双子ベビーカーをバスに乗せて】を、6ヶ月の双子を育てる「私」がやってみた~

こんにちは、多胎育児のサポートを考える会の市倉です!

おそらく私のツイッターやこのnoteを見てくれている方は、多胎児を妊娠・出産・育児をしている方が多いのかな~と思うのですが、

今日は、みなさんと同じ双子を育てている一組のご夫婦を紹介します。

ここ一年の、双子ベビーカーのバス乗車にまつわるルール改善に勇気づけられ、自分達でバス会社に連絡を取り、実際に双子ベビーカーでの乗車を叶えたIさんです。

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6ヶ月の双子を育てるIさんご夫婦。目の前の双子育児に奮闘する中で、なぜ「自分達の意見をバス会社に届けてみよう」と思ったかを、オンラインで取材させてもらいました!


●Iさんが「自分も動いてみよう」と思ったワケ

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(↑Iさんご一家。もうすぐ半年のゆづき君・あやひちゃんを育ててらっしゃいます。)

奥さんは、出産前には通勤でバスを利用していましたが、双子を出産後に生活が一変。あんなに慣れ親しんでいたバスに乗れなくなったことを、とても不便に感じていたそうです。旦那さんの育休復帰が迫ってきたなか、今後一人でのお出かけにも不安を覚えていました。

日課の散歩ルートもだんだんマンネリ化し、「子どもたちをもっといろいろなところに連れていってあげたいな」「授かった子供が双子という事で、なんで色んな制限をかけられるんだろう。単胎児と同じ経験をさせてあげたい」という思いが日々強くなっていきました。

そんな中で私が行ってきたソーシャルアクションの記録を読み、「こうやって変えられる事もあるんだ」と感じ、夫婦で相談して、まずは意見を伝えてみることにしたそうです。

●Iさんがやってみたこと

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Iさん夫婦は、自分が普段乗っているバス会社2社に問い合わせをしてみることにしました。

・「二人乗りベビーカーでバスに乗りたい」という願い

・国土交通省で「二人乗りベビーカーも折りたたまないで乗車できることが基本」という指針が出てていること

・実際に都バスなどがルールを改善し、乗れるようになった事

などを記載したメールを送ってみる事にしたのです。


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(↑実際にIさんがバス会社に送ったメール文面の一部。初めての経験なので、なんて送ればいいのか夫婦で推敲しながら作ったそう)

●結果、、、

メールを送って数日後、バス会社からメールが帰ってきました。

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どきどきしながらメールをあけるとそこには、「二人乗り及び大型ベビーカーを含め、お子様を乗せたままご乗車いただけます」という回答が!

HP表記では「二人乗りや大型のベビーカー等は、ご利用いただけない場合がございます。」という表現だったこのバス会社。

Iさんから来た意見にどう回答するかを検討する中で、いろいろな整理をした上で、「二人乗り及び大型ベビーカーを含め、お子様を乗せたままご乗車いただけます」と一歩踏み込んだ回答をいただけたという事になります。

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この回答を得たIさんは後日、普段なら徒歩40分ほどかかる道のりを、お子さんたちをベビーカーから抱きかかえる事なく乗車し、お出かけを楽しむことができたそうです。


●アクションをして感じた手応え

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Iさんは

「初めてこういったアクションを起こしてみるので、何をどう伝えたら、双子家庭の課題に寄り添って考えてもらえるか悩みました。でも意見を伝えることで自分の生活が変わるのであれば、どんどん伝えたほうがいいなと思いました。これで、大人一人でのシーンでも子どもたちを色んな場所に連れて行って上げられます」

と感想を言ってくれました。

HPの表記を見て、(そっか、無理だよね)と諦めることなく、勇気を出してメールを送ってみたIさん夫婦、本当に素晴らしいですよね!


●世の中を変えるのは、半径5メートルの世界を変えたいという願いから

Iさんの今回起こしたアクションは、間違いなく、Iさんの双子育児環境を良くしました。

そしてそれは、Iさんや、この路線を使う多胎児家庭だけでなく、「誰もが乗りやすく使いやすい公共交通機関のありかた」をバス会社に考えてもらう事につながったはずです。

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「社会を変える」って、実はそんな大それた事ではなくて、入り口は「子どもたちに色んな経験をさせてあげたい」という、親として、生活者としてありふれた感情がスタートなのだと、心の底から思いました。

そういったアクションをとり連絡をくれたIさんに、私は本当に勇気づけられました。ああ、こうやって顔も知らなかった人が、「自分の半径5mから世界を変える」というソーシャルアクションの仲間になってくれていたんだな、と。

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もし、このnoteを見た方で「自分の周囲からちょっと変えてみようかな」と思った方は、以下に「あなたもソーシャルアクションキット:バスに双子ベビーカー乗せてください編」を置いておくので、自由にコピー&アレンジをしてアクションしてみてください。

そして、もしそのアクションがかなったら、SNSや口コミで、多胎児家庭に教えてあげてくださいね。(私にも、ツイッターDMで教えて下さい!拡散します。)

一緒に社会を変える仲間が各地で生まれたら、とても嬉しいです。

▼ダウンロード出来ない方は、こちらをコピーしてください!

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(バス事業者名)様


はじめまして。
普段通勤時や移動時に⚫⚫バスを利用させていただいています、(居住地)に住む(氏名)と申します。

今日は、⚫⚫バスの乗車ルールについてお願いがあり、メールをさせていただきました。
私は(居住地)で(お子さんの年齢)歳の双子を育てており、子どもたちにかかる負担や安全性を考え、移動は二人乗りベビーカーを使用することが多いです。

⚫⚫バスでは現在、二人乗りベビーカーでの乗車については「(バス事業者のHP記載のルールをコピペ)」となっており、乗車が叶わない状況となっています。(※注 もしくは、「乗務員次第となっており、乗車が叶うかどうかわからないゆえ、乗車を諦めています」等)

バスの運行ルールについての方針を定める国土交通省は、令和2年3月31日に「乗合バス車内では二人乗りベビーカーを折りたたまずに使用できるよう取り扱うことを基本」とすることをとりまとめしました。
報道発表:https://www.mlit.go.jp/report/press/sogo09_hh_000235.html
取りまとめ資料:https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/barrierfree/content/001338553.pdf
この取りまとめを元に乗車ルールを変更する事業者も出てきています。
都営バス(全路線、令和3年6月7日より)https://www.kotsu.metro.tokyo.jp/bus/kanren/babycar.html
横浜市営バス(全路線、令和2年11月1日より)
https://www.city.yokohama.lg.jp/kotsu/bus/norikata/babycar.html


二人乗りベビーカーは贅沢品でも嗜好品でもなく、しっかりと立てない・歩けない子供と安全に移動するためには必須のものです。
(※注 ⚫⚫バスに乗って病院に行きたい/⚫⚫バスに乗って子どもたちを□公園に連れていきたい・・・など、実在する目的地をいれたあなたの希望を書いてください。その願いを叶えられない方が、実際にいるんだということをリアルに想像してもらうためです)

どうか、二人乗りベビーカーの乗車について、運用ルールの見直しをご検討いただけないでしょうか。これが叶うことは、二人乗りベビーカーユーザーだけでなく、バスへの乗車に課題を抱える多くの子育て世帯や高齢者に対して、乗客が配慮し合う社会に繋がるはずです。

そして、それが「公式なルールである」ということを他の乗客の方に理解いただくためにも、車内広告やHP等で周知をいただきたいです。事情やルールをご存知でない方の視線が怖いですし、不要なトラブルを避けたいです。

ご検討のほどを、どうぞよろしくお願いいたします。
(氏名)

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普段の活動報告は、ツイッターにて行っています。


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