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子どもに絶対に読ませたい!問いに応え生きる力を育む。良書6選

変化が激しく、予測のできない現代社会の中で、子どもたちには、本当の意味での生きる力(課題をとらえ、課題を解決すること)が求められています。それでは、子どもが成長する上でどのような課題(問い)にぶつかるでしょうか?子ども時代の課題は「人間とは何か?」「なぜこのような社会なのか?」「どう生きるべきか?」いった、根源的な課題が多いと感じます。(矛盾を抱えた人間社会の中で生きることを急に迫られるのですから、仕方のないことかもしれません)これらの課題を蔑ろにせず、「自ら調べて、誰かの意見を聞き、考えて解決すること」で、子どもは自らの生きる目的や術を見出していきます。

今回は、そんな課題解決プロセスに役立つ子ども時代(※幼児〜高校生までと広く捉えます)に出会いたい良書6冊をご紹介したいと思います。

1.考えるって大事なこと?考えることの楽しさを知る。「かんがえるカエルくん」

いわむら かずお著「かんがえるカエルくん」は、どちらかと言うと幼児向けの絵本です。ただし、とてもとても深いお話です。カエルくんが日常生活に潜む疑問を見つけ、ずーっと問うています。友達と問うたり、ひとに聞いたり、自分で考えたり、そのものを真似てみながら、考え続けます。生まれてはじめて出会う哲学書と言っても過言ではないくらい深い内容ですので、大人になるまで繰り返し読み続けることができます。子ども時代に読めば、きっとカエルくんと一緒に楽しく、「課題」を見つける訓練ができるはずです。(ちなみに全4刊です!)

2.人間とは?我々はなぜこのような社会を生きているのか?そんな疑問に答えを。「サピエンス全史」

ユヴァル・ノア・ハラリ著「サピエンス全史」は、「人間(ホモ・サピエンス)とは何か?」「どう生きれば幸せになれるか?」「なぜこんな社会システムなのか?」という根源的な問いに応えてくれる良書。他の人類と異なり、ホモ・サピエンスだけが「認知革命」によって、壮大なフィクションを創り上げ、それを仲間間で共有することで集団心理をまとめあげ発達し、その後の更なる発展(農業革命、化学革命、その後…)を遂げたという話です。そして、フィクションは時代に応じて塗り替えられ、社会実験を繰り返し、発展していくのです。中途半端に要約された歴史の教科書より人間理解が進みますし、今のフィクションに納得ができなくても書き換えることで人類進歩に役立てていけるのでは?と希望を感じることもでき、いまの生き方や将来の生き方を模索する子ども(難解なので高校生ぐらい)にぜひ読ませてあげたい一冊です。また、続編とも言われる「ホモ・デウス」は、更に踏み込み、人類の未来に言及します。明るい未来が…というわけではないですが、子ども達が「自分はどう生き抜くか」をシビアに考える上で役立つ内容だと思います。

3.だれかを愛するとは?それは苦しいことか?やさしく寄り添ってくれる。「星の王子さま」

サン・テグジュペリ著「星の王子さま」は、「誰かを愛するとはどういうことか?」「愛とはどこからくるのか?」という思春期ならではの問いに応えてくれる良書。バラの花と暮らしていた王子さまは、バラとうまくいかなくなって旅に出ます。そして、星々を旅しながら、時間の大切さを知らない色んなおかしな大人に出会います。そうして最後に降り立った地球で、「キズナ」を結んだキツネから愛するということを教わります。決して明快な答えを用意しているわけではないですが、王子さまが体験する旅に自らの心境の変化を重ねながら、ゆっくりと愛について理解できます。

4.家族って何だろう?家族との関係に悩む子どもに読んでほしい。「ハッピーバースデー」

青木 和雄・吉富 多美 著「ハッピーバースデー」は、憎しみや悲しみのある不幸な家族関係が、なぜ生まれたかを物語形式で解き明かせる良書。もし、家族に愛されていない、愛することができないと悩んでいる子どもがいたら、その子の性質などの問題ではなく、家族の問題は連鎖であるということが理解でき、解決の糸口が見つかるはずです。様々な家族と自身の問題を抱える登場人物に重ね合わせながら、課題解決のシミュレーションも行うことができます。そして、(もしかするとかなり時間はかかるかもしれないですが)家族の大切さを気づかせてくれる一冊です。

5.社会での賢い生き方とは?変化しながら生き抜く方法論。「チーズはどこへ消えた?」

スペンサー・ジョンソン著「チーズはどこへ消えた?」と続編の「迷路の外にはどこにある?」は、ビジネス書とも有名な賢い生き方の指南書。社会の変化に蓋をして、気づかないふりをしていると、適応できずうまく生きてははいけない。社会変化に敏感になって常に自分をアップデートするのが賢い生き抜くための手段である。ということが、ポップで可愛らしい絵本で理解できます。何か課題にぶつかった時にどう回避していくか、もしくはぶつからないように回避できるか。子ども(中高生くらい)でも、課題解決思考のイメージが沸き、社会を生き抜く力に得るきっかっけになると思います。

6.なぜ社会は不平等なのか?誰かのために生きるとは?人間社会のあり方を模索する。「レ・ミゼラブル」

ヴィクトル・ユゴー著「レ・ミゼラブル」は、「ああ無情」の名で知られる1862年発売の世界的な名著。表題の通り、家族のためにただ懸命に生きる貧しい主人公たちが、社会構造のひずみにより苦しめられる姿を描いています。パン1つを盗んだ罪で投獄されたジャン・バルジャンや、子どもを育てる資金のために人に騙されて身体を売るファンティーヌ。けれども彼らは、自分を犠牲にしながらも決して諦めず、必死に自分以外の人のために生きようとします。不平等な社会構造の中で、ひとりひとりはどう戦い、生きるべきか、そして誰かを救うことはできるのか、社会と人のあり方を問いかける良書です。この本に子ども時代に出会うことで、社会構造に矛盾があることが理解でき、自分のためだけに生きるのではなく、社会全体をよくするために生きるという考え方が身に付くのではないでしょうか。

まとめ

今回ご紹介したこの6冊は、「子どもの問いに応え生きる力を育む力」がある良書であると自信を持ってオススメします。わたしはこの6冊の中の2冊は大人になってから出会いましたが、もし自分の子どもができたら、子ども時代にこの6冊に出会わせたいなと思っています。きっと、目の前の疑問を解消し、自分の生きる目的や術をみつけることに役立つから!そして、この社会を自分なりに切り開いて生きていくことができると思うのです。

以上です。拙い文章でしたが、ここまで読んでいただきありがとうございました!


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