結局_人間はラベルを付けるのが好きなんだと思う__1_

1対マス から マス対マス になっていく 〜「AbemaTV」が全世界からの視聴に対応した話〜

こんにちは、カナダ(トロント)でフリーランスマーケターをしているKEI(@kishikawa1126)です。

こんなニュースが目に入りました。

「AbemaTV」では、海外で暮らす日本人や旅行中の方に「AbemaTV」の番組を届けることを目的に、2019年2月25日より在留邦人数が多いアメリカ、オーストラリア、タイ、カナダ、イギリス、ブラジルの6ヵ国にて試験的に視聴対応を開始。今回、対象国を全世界へと拡大するとともに、Webブラウザからの視聴にも対応し、全世界で日本国内と同様に、無料で「AbemaTV」の一部のチャンネルやコンテンツを、インターフェイスや機能はそのままで見ることができるようになった。
All contents copyright © 2006-2019 Shoeisha Co., Ltd. All rights reserved.

この動き、わたしは強く賛成です。

それはわたしが海外に住んでいるからではありません。

根本的な考え方として、「禁止する」という行為自体が美ではないと思っているからです。

善悪の問題ではなく、あくまでも美醜の問題なので、両意見があることは承知のうえで書いていきたいと思います。

禁止することが美ではない理由

「人を叩いてはいけません。」
「友達をいじめてはいけません。」

これはいずれも「禁止すること」を押し出した例です。

もちろん内容は常識的に考えて当然のことなのですが、そこで生まれる疑問は「なんでダメなの?」ということ。

「自分がされて嫌なことは人にしない」

そうリードするのであれば「相手を幸せにすることをもっとしよう」とする方がよっぽど健康的だと思うのです。

------

AbemaTVの件に話を戻します。

海外に住んでいるとよく感じるのが、VPNの問題。

国内コンテンツを視聴しようとすると、アクセス制限がかかっている場合が多く、日本の固定IPアドレスを契約してVPN接続することが多々あります。

実際に、HuluやPrime TV、NetflixにTVerといずれもカナダから通常のアクセスでは視聴することができません。

その理由は明白で、コピーがネットに出回ることを阻止することが第一に挙げられるでしょう。

もちろん海賊版と呼ばれる違法ダウンロードやアップロードを防ぐのはもっともだと思うのですが、これだけネットが普及した世の中では、正直いたちごっこだとも思います。

Web広告が普及・蔓延すると、広告ブロッカーが生まれる

インターネットが普及したことにより、オンライン広告の可能性が見込まれ、多くの企業が広告出稿をするようになりました。

もちろんそれに伴い、多くのプラットフォームは広告で収益を得ようとするわけですから、ネット上には必要以上の広告が出回るようになります。

すると今度はユーザー側がそれを拒むようになり、アドブロッカーと呼ばれる広告を非表示にするアプリやプラグインが生まれてきたのです。

しかし、広告出稿側はそれではビジネスが成り立たないわけですから、アドブロッカーにブロックされないロジックを研究します。

ハッキングも同じですね。

ウイルス対策ソフトとは、ウイルスを研究し、その抗体となるソフトウェアです。

つまりハッカーが次に取る行動は、ウイルス対策ソフトを研究し、その穴をつくようなウイルスを生むわけです。

技術が進歩する限り、それらを阻むことも、それを超えることも永遠に終わらないのです。

では、何を考えるべきか

これは禁止_とするのではなく、それを許諾した際に得ることのできる果実を最大化することを考えることが重要です。

「こんな人(A)には来て欲しくない」と考えずに、
「こんな人(B)に来て欲しい」と考える。

「不正アクセスで不正利用するのような人(A)には来て欲しくない」を、
「海外在住のコンテンツに興味がある人(B)にも来て欲しい」に。

まとめ:1対マス から マス対マス になっていく

そもそも、このように個々人がネットに繋がった世界で、1対マス(=配信者対その他大勢)といった構図はもはや壊れつつあると思っています。

規模がどうであれ、TVという放送形態がなくなるとは思っていませんが、世の流れとして、一方的な配信方法は淘汰されていくと思っています。

経費の概念を横に置いたとして、例えばある音楽番組の動画がネットに出回ったとします。そこにはまだ有名とは言えないバンドが出ていました。

どんなに有名な音楽番組が1対マスで放送したとしても、それが「バズる」には、個々の拡散の方が勢いもパワーもあるのは火を見るより明らかです。

動画をつけてtwitterで呟いた内容が拡散されにされ、あっという間に有名バンドの仲間入り_なんてことは現代では不思議な話ではありません。

バンドにとっては嬉しい話でも番組制作会社からしてみたらそうでもないかもしれないですね。

でも制作会社の方こそ、ネット社会だからこそできる拡散力のあるマーケティング手法は山のようにあるのではないでしょうか?

この方法で成功しているのがDHCテレビジョンの「虎ノ門ニュース」だと思います。

ネット配信という強みを存分に生かし(放送法適用外)、拡散ありきと感じます。それが功を奏し、現在では地上波にも劣らないニュース番組になっています。(わたしもいつもカナダから視聴しています)

大手はなかなかこれまでの「1対マス」の体系を崩せずにいるんだと思いますが、世の流れに乗った「マス対マス」のマーケティングが増えていくことを期待しています。

さらに書くための書籍代・勉強代に充てさせていただきます📚ありがとうございます!