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Webディレクターが失敗しやすいポイント

ディレクションに決まったやり方はなく、人によってやり方は異なるもの。でも失敗しやすいポイントは似ているのではないでしょうか。

ここでは僕がWebディレクターとして実際に経験して感じた、失敗しやすいポイントをまとめてみます。ある意味、自分にとっての反省文ですね。

ポイント1:プロジェクトの基本情報が欠けている

そもそもクライアントの要望は何なのか、何をいつまでに作るべきなのか、ゴールは何処にあるのか、プロジェクトメンバーは何人居て、それぞれがどういう役割なのか。

プロジェクトを進める上では欠かせない情報ですが、案外こういった情報が欠けてしまうことがあります。

僕の経験上では、営業とディレクター、プロデューサーとディレクターのように役割がわかれている場合。提案段階でディレクターが入っておらず、受注してからディレクターに丸投げされる場合。クライアントに対して完全に受け身になってしまっている場合など。こういう場合には大体何かしらの情報が欠けます。

できるだけ最初の段階から入るか、きっちりと連携するようにしないといけません。また、クライアントに対して遠慮しない受け身にならない。これが大切です。ディレクターであることに自信を持って、情報が不足していると感じたらしっかり確認しましょう。

言い換えると、ちゃんとプロジェクトに入り込もうということです。


ポイント2:自分の役割を理解できていない

プロジェクトに参加する以上は、ディレクターとしての自分の役割を理解しておくことが重要です。

「クライアントの要望を汲み取り、何を作るべきなのかを考え、デザイナーやエンジニアにきっちりと指示を出す。制作物がちゃんと意図した物に仕上がっているかを確認する。時には自ら手を動かしてでも仕上げるという気概を持って、スケジュールと品質のバランスを保つように努める。」

ざっくり言うとディレクターの役割はこんな感じかなと思います。ただし、どんなプロジェクトでもこういう役割で動けるとは限りません。

進行管理だけを求められることもあります。リソースの問題やスケジュールの問題で、一人で対応することを求められることもあります。雑務ばかりやることもあります。伝書鳩にならざるを得ないこともあります。

大事なのは、あくまでそのプロジェクトにおいて、自分は何を求められているのか、何をすべきなのかを理解すること。プロジェクトをスムーズに進行させるために、やるべきことを確実にやる力。これもまたディレクターに必要な力です。


ポイント3:資料の更新を怠る(忘れる)

打ち合わせの内容整理(議事録)、スケジュール表の作成、サイトマップや機能一覧の作成、仕様書やワイヤーフレームの作成などなど、とにかく資料(ドキュメント)を作る機会の多いディレクター。

作るべき資料を作らないことは問題ですが、一度作った資料をアップデートするのを怠ることもまた問題。更新せずにいると、打ち合わせで決まったことを仕様やデザインに反映し忘れたり、後から振り返った時に何が正解かわからなくなってしまいます。

特に、電話でのやり取りで決まったことを資料に落とし込まずにいると、間違いなく後々厄介なことになります。面倒でもきっちりと資料を作成し、いつでも振り返られるように情報を整理しておく。

後でやろうと思ったら大体やらないので、気づいたときにすぐ更新しましょう。一番疎かにしてしまいがちなところなので要注意。

いつになったら「このプロジェクトは完璧にドキュメントを残せた!」と言えるのやら…。反省は続く。


ポイント4:コミュニケーションが取れていない

ディレクションスキルを語る上で欠かせないのがコミュニケーション力。

いろいろな参考書を読んだりセミナーに参加して来ましたが、だいたいコミュニケーション大事という話が出てきます。ただ、僕が言いたいのはコミュニケーションの取り方についてどうこうという話ではなく、ちゃんと必要な場面で必要なコミュニケーションは取りましょう、という話です。

相手が誰であろうと同じで、
・返事が遅ければ状況を確認する
・確認を求められたことにはできるだけ早く返事をする
・説明が足りていないと感じれば補足する
・理解が足りなければ質問する

その手段として、メールで伝わらないなら電話をかける。電話で伝わらないなら直接会って話をする。一つひとつを丁寧に行うことが大切です。

でもここが一番悩むんですよね。気まずかったり、怖かったり、言い過ぎたり、焦ったり、イライラしたり。不安に襲われることもあります。人間だもの。

ただ、極端な話、そんなことはエンドユーザーには関係がなく、いいサービスを提供するためには乗り越えなければならないもの。時には「これは仕事だ!」と割り切ってでもコミュニケーションを取りましょう。


ポイント5:違和感を流してしまう

コンテンツを企画しているとき、システムの仕様を考えているとき、デザインをチェックしているとき、動作検証しているとき。

あらゆる場面において、「これちょっと気になるけど確認した方がいいかな」「こうした方が良いと思うけどこのままでいいのかな」「打ち合わせで決まったこととちょっと違う気がするけど大丈夫かな」などなど、違和感を感じることが多々あります。

こういう場合に違和感の原因を追求せずに流してしまうと、後々になって必ずと言っていいほど問題が起きます。

最初は小さな違和感からズレが生じ、それが気付けば大きなズレとなり、修正を余儀なくされてスケジュールを変更せざるを得ない状況にも成りかねません。スケジュールを変更できないときは徹夜覚悟でがんばるしかありません。

すべては気になったことを放置してしまったから。違和感を感じたときに、手間を惜しまず一つひとつ確認して解決する。これがプロジェクトを成功に導く近道です。

その違和感 放置してると あとで泣く


反省を活かして自分なりのディレクションを磨こう

以上、ざっくりとまとめてみました。細かなことも書くと10個でも20個でも出てきそうですが、どれを取っても結局は基本的なことをしっかり行えばある程度回避できることです。

とにかくやることが多いディレクターですが、どれか1つでも疎かになってしまうとプロジェクトに影響が出てしまいます。それがプロジェクトの要、ディレクターという存在です。

頭ではわかっているつもりでも、なかなかうまくは行きません。責任感と自信を持って、着実に経験を積んで行くしかないですね。

正解もなければゴールもない。だからこそ自分で考え、反省し、失敗を減らす方法を見つけて行く。それもまたディレクターの魅力。自分なりのディレクションを磨きましょう。

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