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支配型リーダーからスタイルを変えてくメリット

クラアントワークの一件

フリーランスとしてクライアントワークをしている中で、少々気が立つ件があったので教訓として記しておこうと思う。

そのクライアントさんはワンマン社長経営だったところが、とある同業のホールディングスに買収され、傘下になった経緯がある。

その後、ホールディングスのグループ会社と合併した。合併母体ではあるものの、ベースはホールディングスの運営に従う部分が多く、組織体系の変更が相次いだ。

私は情報システム部の業務を委託されている。元々合併前の部長との業務委託契約で入った。

合併後の情報システム部はトップが交代し、前部長さんは2階級降格。代わりのトップとその下の役職は、合併母体ではない吸収した会社の人材だ。

このややこしい状況において、上層部の役割分担が非常に重要であることは明らかだが、これがなかなか上手くいっていない。

数多くのプロジェクトやシステム運用業務を抱える中、合併元先のそれぞれの役職は自身の抱えていた業務以外に手を出しにくい状況になる。

横連携もなく、指示系統も曖昧で、我々業務委託としては雷撃のような無茶な要求に振り回されることもしばしば。特に意思決定のスピードが組織の階層が増えたことによって著しく低下した。

現場の人間にとっては不都合が増えた結果しか残らなかった。

そんな中起きたのが冒頭の気が立った一件とは、親会社であるホールディングス支給のスマートフォン棚卸し業務だ。

年末の忙しい時期に機種変更対象者が40名ほどいるぞという案内が私個別に届いた。

本来、業務委託の立場で社員さん達の携帯の機種変更の世話をする義理はないのだが、なぜかホールディングス担当者が私が責任者と思って依頼してきた。

この業務自体、勝手に進めるわけにはいかないので、例の降格にあった元部長の指示に従い、対応していたところ謂れのないクレームが入った。

どうもその上のレイヤーの幹部職から、重要事項を業務委託に勝手にやらせているとは何事だ、しかもなんの報告もないぞとのことだった。

いやいや、所属長の指示で動いていたにもかかわらず、業務委託に責任を押し付けるとは、それこそ何事だ、である。

2階層上の上長殿は、何度か本件に対して連絡をメールで受けたのだが、どれも1行程度の短い内容だった。その内容に対しての私からの回答も、満足いく回答内容ではなかったという。

1行で送られてきたメールに、必要な情報を全て盛り込んで簡潔に回答しているのだが、満足いく回答がないとはどういうことだろうか。欲しい回答が来ないことを自分の1行メールのせいにはせず、回答者の責任ありとしている。

この辺りの動きからするに、完全にお高く止まっている役職者であるという印象で、自身の不具合を誰かの責任にしなければ気が済まないタイプだ。

奉仕されることを当たり前に思うあまり、自身に責任があるとは梅雨ほども感じていない様をその言動から感じた。

今回の問題点は、以下3点だ。

1. 組織として役割分担の未決定、曖昧な状態
2.管理職の間での情報伝達漏れ
3.業務委託への責任転嫁

サーバントリーダーとは

サーバントリーダーという言葉があるが、これは奉仕型のリーダーを指す。

多くの支配型リーダーとの違いは、厳しい態度を持って統率するのではなく、チームメンバーが働きやすいよう奉仕し、その後にリーダーシップを発揮するスタイルだ。

その恩を返すようにメンバーがリーダーシップに従うという図式を構成することで、メンバーの自発的行動を促すことができるため、指揮を取りやすい。

一方で支配型リーダーシップにおいては、まず命令、ミスがあれば怒り、恐怖と権力によって抑圧するスタイルだ。この軍隊式のやり方では長期間仕事を共にするにはストレス以外のなんでもないだろう。

最もこの支配型の方が数多くのチームで取られている。特に私のクライアントのような中小企業において、そんなちょっとMBAっぽい用語は敬遠しがちであるから、リーダーシップに関する改革はされない傾向にある。

年始にも社長さんから挨拶があったが、その内容は「コミュニケーションを大事に」という普遍的な話だった。※当然大事だ。

支配型リーダーの行く末

先の事例のように、支配型リーダーは自身の認知が歪みやすい。

本来、自身含めた組織体制の問題であるにも関わらず、基本的に自身を「上」に位置させているため、部下を軽んじる傾向にある。

特にユーザー企業においてこの傾向は多く、他社組織の風が入らないことで、お山の大将状態となっている方が多い。

「自分は偉い」という感覚が身に染みてしまい、感謝や謝罪などの人として当たり前の感覚を仕事に適用することが難しくなってしまうのだ。

それも無理ないことで、いつもいつも偉そうに振る舞っていなければならないから、急にそういった親しみのある態度に切り替えるには心理的コストがかかるし、人が変わったようで自分としても態度の豹変に違和感を感じるだろう。

認知が歪んでしまうので、所々に綻びが出る。先のスマートフォンの棚卸し業務では、結局のところ自分に非がある部分を覆い隠し、全て他責にしている人物が出来上がってしまっている。

すいませんでした、自分の指示や管理が悪かった、業務委託の皆さんには苦労かけました。という言葉があっても良さそうなものだが、その言葉を言いやすい環境からかけ離れてしまったため、自然に口をついて出るものではなくなっている。

支配型リーダーとして自分を置いてしまうと、正常な判断ができず、結果として人が離れていく。

この人、感覚が自分と合わないな、感覚おかしいな、と思われては、人はついてこない。

この人の感覚が自分とはあっている、理想と近いから見習いたい、そういった人物にこそリーダーシップがついてくるものである。

支配型リーダーに属するならば、少しずつでもリーダーシップのスタイルを変えて行ってはどうだろうか。気づいた時に認知が歪みきっており、周囲に人がついておらず孤独になるという事態があなたにも訪れるかもしれないからだ。

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