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人は、その時必要な本と出会う

心の反応を制御するすべを学ぶ者たちの夜会

昨日、少し落ち込んでいた後輩とZoomと話していて、以前彼に紹介させて頂いた「反応しない練習」を現在進行形で読んでいるそうで、内容的にかなり気づきが多かったと言っていた。

仏陀の教えをもとに現代でどのようにメンタルコントロールを取り入れていくかという本書籍の内容だが、私もこの書籍はかなり有益だった。

反応しない練習、とは別にシカトしましょうという話ではなく、自分の心が不必要に反応してしまう事象を複数の技術でコントロールするトレーニングしようというもの。自己肯定感を高められ、周囲との摩擦も起きにくくなる。

何より自身の心が楽になるし、今まで如何に無駄な「心の反応」をしてい待っていたかが分かる。

彼にとって、この本の内容に多く気付きがあったようで、今出会うに相応しい書籍だったということであった。

まさに必要と感じた理由は、自分の心の感情反応によって仕事に影響を来たすほどに精神が混乱してしまっていたようで、その気持ちが私も非常に分かって、そういったタイミングで出会う書籍としては最高の出会い立ったろうと思う。

読書とは当たり前のようで深いものだ。彼とは深夜にわたってそんな話をZoomで語り合った。

不思議と、本は、その時必要としているタイミングで自分の前に現れてくれる。

結果論かもしれないが、私もかなり悩んでいる時期にこの書籍と出会った。心がいくらか楽になったし、それ以降、今なお過剰に反応しないよう心に名前をつけるラベリングや、「現実と妄想の区別」などを振り返って気づいたタイミングで実践している。

「反応しない練習」と出会ったのは偶然だった。よく聞くタイトルだったのでいつか読んでみようと思っていた書籍であったし、たまたまAudibleで目にとまったので購入したのがきっかけだった。

その時、死ぬんじゃないかという程に人生で最大に悩んでいた時期だったので、大変に救われた思いだった。

マネジメントの核心を学んだ新米リーダー

私の経験として他にも類似した事例がある。

会社組織でリーダーに就任し、数千万円規模のプロジェクトリーダーを務めた時は、それまで読もうともしなかったマネジメント系の書籍に出会った。自然と手に取ったにしては、その時読んだ書籍はみな、不思議なほどに自分のリーダーシップとマネジメント技術を習得するのに大いに役立った。

結果的に自分はマネジメントに深く興味を持って従事することが出来たし、リーダーシップという側面はそれまでの自分を180℃入れ替えてアップデートしてコミュニケーションを取るほどに心境の変化があった。

その時であった本で代表的な書籍はこちらだ。

ドラッカーの「マネジメント[エッセンシャル版]」は、それまでマネジメントとは何か曖昧な理解だった私に革新的な理解を与えてくれた。

マネジメントは「管理」することではない。だが、一緒に仕事をしていたマネジメント職の多くは、マネジメントを管理作業のことであると安直に考えていた。

マネジメントの概念を生み出したドラッカーが、どんな思いで組織の本質的な内容を表現したのか、その文章に触れることで意識は変わった。それまで見てきたどの上司よりも、ドラッカーは上司だった。私にとって非常に大事なタイミングで、相応しい出会いだったのだ。

さらに、具体的なプロジェクトマネジメントの手法も知る必要があった。結局のところ、周囲の第一線のプロマネと渡り合わなければならず、どのようにプロジェクトをマネジメントされているのか、実践的な手法を知る必要があり、手に取った書籍がこちらだ。

この書籍は、「プロジェクトの意味」に始まり、WBSやスケジュール、クリティカルパスに課題管理などの解説はもちろんのこと、それらを実践的にどのような表、そしてカラム構成で行うべきかという体系立てた解説をされている一冊だ。

一読すると、おかげで今までプロジェクトマネジメントが実際に行っていた見えないタスクが分かるようになり、実は裏でそのような作業をしているからそういった思想でコミュニケーションをとっているのか、と合点がいく内容だった。

理解だけではなく、実践的な手法も書かれている。ただ、全て一人リーダーで対応できる内容ではない。

プロジェクトともなると、この書籍に記載のある内容を手を抜かずに行うためにプロジェクトマネジメントチームを創設するのが慣例だ。そういったプロマネチームがなぜ組まれるのかということも深く理解することが出来るし、そういったチームがプロジェクトを推進するためのコミュニケーションとは何かを深掘りする根拠材料となった。

チームリーダーとしてスタートを切った自分には、このマネジメント技術としての根拠を学ぶことが重要だったし、先のドラッカーの教えとともに実践的に学びつつ成長するきっかけになった。

本に救いを求める

必要な時に必要な本と出会う。それは偶然なのかもしれないし、自身で必然に変えているだけかもしれない。

深い悩みに入り込んだとき、新しい挑戦機会に身を置いたとき、そんな時、不思議と救いの手を差し伸べるかのように、相応しい書籍が目の前に現れる。

人からのおすすめであったり、書店で偶然出会うこともある。まるで引き寄せられているかのように、心に入り込むかのように、必要な知識を与える師のように本は姿を現す。

自分に何かが足りない、そう思ったときは、本に救いを求めてみると良いだろう。多く読書をする人物に相談するのも良いだろう。

本は日々出版され続けている。きっと今の自分に相応しい先人の知恵が凝縮された書籍が、世界のどこかにあるはずだ。

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