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「信用していない」という言葉を未だに軽々しく使う文化

とあるお客さんとミーティングしていたところ、社内の経営会議で上司にこう言われたそうだ。

「お前のことは信用していないから」

大変悲しいセリフだし、そう言われた当のお客さんも大変悲しい表情だった。(ビデオミーティングだったので伝わってきた)

そのお客さんは、社内では月の残業時間がトップレベルで、情報システム部の長として長年頑張って来られた方だ。そんな中、情報システム部を立て直したい、課題を解決したいとのことで業務委託で私が参画している。

会社のことを思っている気持ちに賛同して一緒に仕事をすることに決めたのだが、それだけ熱い思いを持っている社員に対して、随分な接し方だなぁと心を痛めた。

「報われないんですよね」と、そのお客さんは悲しそうに愚痴をこぼしていた。

原因は数多くあるのだが、根幹はシンプルに、当たり前のプロジェクトマネジメントがほとんどできていないという問題に突き当たる。

マネジメントがどうあるべきなのかという啓蒙から始まるのだが、如何せん古い社風なので委託期間の中でどこまで結果が出せるものやら不安で仕方がない。

おそらく私が抜けたらまた元に戻るのだろうなぁと思いつつ、人助けと思って取り組んでいる。

先の「お前のことは信用していないから」というセリフ。これは会社組織の中では絶対に口にしてはいけない言葉だ。

世の中では心理的安全性の研究が進んでいるが、メンバーを否定するような言動は、仕事のパフォーマンスの約40%を低下させるという結果が出ているそうだ。

人は「自己の重要感」を気にする生き物で、コミュニケーションにおいては如何に目の前の人が「私を重要視している」と感じてもらうことがポイントだ。

会社組織において、信用していない=重要でない、と発言された社員の仕事のパフォーマンスは低下することは確かだ。そのコミュニティにおいて、活躍できないのだということを言われて、やる気が出ようはずもないからだ。

嘘でもいいので、「信じているよ」という声の掛け方が望ましい。やってみてダメなら、組織や仕組みの問題である。彼にパフォーマンスを発揮させることができなかったとしても、その結果は上司の責任でもあり、本人だけの責任にはできない。

パフォーマンスを阻害するようなセリフを日常的に使っているのなら、尚更である。

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