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マッチングアプリで女性を狙うサイコキラー


なんだか、わかるようでわからない作品だなあというのが印象だった。
観ている途中は面白かったし、どういう結末が待っているんだろうと気になったけれど、終わってみればよく分からんなあとなった。
これは自分の人生経験だったり感受性がまだまだ足りないから、かもしれないが。

あの人を殺しまくっていた男性の人は、生まれつき感情が抜け落ちている、というわけでもなく、あんなふうに得体の知れない人物になったのも、意外と最近だったらしい。
最初はまるで殺す気もなくて、そういうプレイに夢中になってたらいつの間に女性が死んでいた。
そこに別の男性がやってきて、口封じのためにその人も殺した。
それまではうぶな男性というイメージがしたし、サイコパス感なんてまるでない。
がしかし、人を殺したことでネジが外れたのかなんなのか、マッチングアプリで出会った女性を殺してはスマホを奪い新たなターゲットを物色する、ようになっていった。
感情が抜け落ちているのはむしろ主人公の女性の方だろう。
アスペルガーとあって、人の感情を読み取ることが難しく、だからこそ感情に波がないのだろう。

殺した相手のスマホを奪い、再登録してやり取りをしている端末をめちゃくちゃ持っていた。
端末を増やすことで自分の正体をバレにくくする理由もあるだろうけど、それだけやり取りする、面倒を見る数が増えることはかなり大変だ。
中には女性だけではなく子供もいたりするし、心にもないような優しい言葉を投げかけて安心・信頼感を得てまでする、その情熱がどこから来るのか、めんどくさがりな自分からするとよく理解できない。
手間を掛けてまで人を殺すことがよほど快感なのだろうか。
人を殺し、モノを破壊することで全能感を覚えたのかわからないが、どのように堕ちていったのかその背景をもっと知りたい。
殺すのならもっと徹底的に、確実に息が止まるまでやればいいものを、足が不自由な女性を僻地に呼び寄せ、セックスしたあとで放置して帰り、ついでに車椅子を壊して女性を帰れなくする。
動けなければ勝手に衰弱して死ぬだろう、ぐらいの考えだったろうが、その考えの甘さに女性はなんとか生き延びて帰り付き、復讐の炎を燃やして犯人を特定しようとする。
しかもその車椅子の女性が警官だったこともあって、だんだん追い詰められていく。
殺すときもあれば殺さないときもある。
徹底して悪になりきれていないところが、サイコパスとしては中途半端っぽい印象。

根本的に人の感情がわからないアスペルガーの女性と、自分の思い通りにならないとブチギレるサイコパス野郎。
殺しの快感を知っている唯一の存在として女性に惹かれる男性と、セックスをする快感を味わわせてくれた男に惹かれる女性。
理想の相手を見つけた二人でも、微妙にベクトルが違っていたからこそ、最終的にあんなふうになってしまったのかもしれない。
不純だけど一途な愛を見つけた男があんな姿になるのはちょっと悲しい。
そこだけを見れば。
もっと女性の欲望を満たしてあげていたら、ああはならなかったかもしれない。
でもいつまでもできることじゃないから、たどり着く結末は変えられなかったのかも。

ようはマッチングアプリで知らない相手と気軽に合うと危険ですよ、もしかしたらその人は殺人犯で、あなたの命を狙っているかもしれないよ、セックスのあとでね。
ということだろうか。


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