見出し画像

鳥と遊ぶ風景

太田屋菓子店様に足を運んできたのと同じ日に、午後からは鏡石に水鳥を見に行ってきました。

訪れたのは、高野こうや池。

少し前に「鳥と恋の饗宴」に参加して、できれば自分の足で「白鳥」や「鴨」を見に行こうと考えていたのでした。


この高野池ですが、地元では知る人ぞ知る「水鳥の楽園」です。
私も子供の頃に、冬のレジャーとしてよく連れて行かれました。

高野池は福島県のほぼ中央、阿武隈川左岸に位置し、周囲を閑静な水田地帯に囲まれ、水深も浅いためハクチョウやカモ類が冬季に多数飛来します。
 特にハクチョウの飛来数は福島県中通では最大級で、ピーク時には2,000羽近い数が確認されることもあります。
 カモ類はオナガガモが中心ですが、県内では少ないトモエガモも群れで時々現、ガン類の飛来も稀にみられます。

出典:環境省HP
ピンぼけですみません。

高野池は、「オオハクチョウ」が多く飛来するイメージがあったのですが、この子はどちらでしょう?
どっちにも取れますが、多分「オオハクチョウ」かな?首がやや短めですすけれど。
ちなみに私は、「くちばしの模様」で見分けています。

そんな高野池ですが、平成15年に国内で「高病原性鳥インフルエンザ」が79年ぶりに発生。
それ以来、高野池での白鳥の「餌付け」は原則として禁止されてしまいました。

これは高野池に限ったことではなく、他の福島の白鳥飛来地である猪苗代いなわしろ湖や、福島市の「あぶくま親水公園」などでも同じことです。

冬の猪苗代湖と磐梯山

その影響なのか、数十年ぶりに訪れた「高野池」は、記憶しているよりも飛来している白鳥の数は、随分減った印象を受けました。
それとも、子供の頃の印象が強すぎたのでしょうか。

ですが、日曜日の午後に訪れた高野池は、昔と同じように鳥を愛でる人の姿がありました。

本当はあまり良くないのですが(苦笑)、パンを持参して、餌を投げ与える子供の姿も見られました。
水鳥たちもゲンキンなもので、ちゃんと餌をくれるのをわかっているのです😅
また、危害を与えられないというのを知っているのか、平然と陸地に上がってくるんですよ。
ヨチヨチと歩く姿は、本当に愛らしい。

この子は「オナガガモ」のオス。小さい頃に散々通ったおかげで、主要な鴨の種類は判別できます(笑)。
左右にいる地味な子は、同じオナガガモのメスですね。

中央にいる紅い頭と目が特徴的な「ホシハジロ」。この子も、よく見かける鴨です。

夕方近くなって、夕日がキラキラと眩しい。

「家族皆で仲良く」の図。
色が灰色っぽい子は、幼鳥なんです。
「みにくいアヒルの子」のモデルですね。


白鳥を始めとする水鳥の飛来数は、年によっても異なります。
高野池はちょうど今が最盛期だと思うのですが、私達はどれくらい、この光景を残すことが出来るのでしょうか。

少し古いデータですが、2009年1月30日の飛来数は、このような種類と数だったそうです。

$$
\def\arraystretch{1.5}
\begin{array}{l|l|l}
\textbf{鳥の種類}& \textbf{飛来数}\\ \hline
カワウ &1\\ \hline
オオハクチョウ &360\\ \hline 
コハクチョウ\\ \hline 
亜種アメリカコハクチョウ\\ \hline 
マガモ &230\\ \hline  
カルガモ& 100\\ \hline  
ヒドリガモ& 17\\ \hline   
オナガガモ &1200\\ \hline 
ホシハジロ &150\\ \hline  
キンクロハジロ& 65\\ \hline  
ミコアイサ &1\\ \hline  
バン &1\\   
\end{array}
$$

さすがに、私が子供の頃の電子データは残っていないでしょうし、水鳥の飛来数は日によっても異なりますから、単独の日付のデータだけを取り出してみても、意味はないかもしれません。

ですが、毎年のように見かけていた「アメリカコハクチョウ」(日本ではレア種で、くちばしがほぼ黒いのが特徴)などの観測がしばらくされていないのを見ると、人間と水鳥の関係性について、つい考えてしまうのです。

人間の都合で「給餌」を止めて飛来数が減ったという事実と、それでも毎年冬になると「水鳥を愛でに来る地元の人々」。

この日、岸辺で鳥たちに餌をあげてはしゃいでいた子供たちは、間違いなく過去の私達の姿でもありました。


この地に暮らす人々にとっての「未来に残したい風景」。
それは、「水鳥が遊ぶ風景」なのもしれません。


#未来に残したい風景
#エッセイ
#野鳥
#みんなでつくる冬アルバム
#福島
#鏡石
#鏡石町
#白鳥飛来地
#高野池


これまで数々のサポートをいただきまして、誠にありがとうございます。 いただきましたサポートは、書籍購入及び地元での取材費に充てさせていただいております。 皆様のご厚情に感謝するとともに、さらに精進していく所存でございます。