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売名欲も、ほどほどに~三権分立の意味を考えよ

明日は、いよいよ衆議院選挙の投票日ですね。
ただ、私が気になっているのは政策ではありません。

そもそも、

・選挙の意味
・立法の意味
・権力の分散の意味

といった、学問としての「公民」の意味を忘れたまま、政治や選挙を語る人がいることです。

ざっくりとおさらい

まずは、中学校の「公民」の知識の復習から。
細かい表現は違うかもしれませんが、このようなチャートに見覚えのある人も多いのではないでしょうか。

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今回の選挙で、中心にいるのが、私たち「国民」ですね。
で、「行政=政治の担い手」が、暴走・悪政をしないように見張ってくれるのが、立法を担う「議会・議員」及び「司法=裁判所」ということです。

もちろん他の役割もありますが、今回は分かりやすく整理するために、焦点を絞ります。

立法府・行政府の役割

で、今回の選挙は「衆議院議員選挙」です。
選挙で国民の声の代弁者として、行政を担う内閣に対し、意見や政策を提案するのが、国会議員の主なお仕事です。

その声に対して、実際に、「行政」を担当するのが、内閣。
もしくは、その下にある

・「各省庁およびそこで働く人達(=国家公務員)」
・地方自治体の場合は、「役所およびそこで働く人達(=地方公務員)」



ということです。

意外と盲点なのかもしれませんが、「国民の意見の代弁者」と、「それを行政に反映・実行」させる人は、別々の機関が担います。
実際には両者は深く関わっていますけれど、理論上は、全く別の役割なのですね。

裁判所の役割

で、「行政府」「立法府」それぞれに対して、「それ、ダメだから」と言える権限を持っているのが、「司法」ということです。つまり、裁判所ですね。

裁判所のトップは「最高裁判所」ですが、万が一「司法機関が悪いことばかりする人の集まり」だったら、困りますよね?
それを予防するために、最高裁判所の判事(=裁判官)が本当に任せられる人かどうか、国民にジャッジを委ねるのが「国民審査」ということです。

三権分立の原則は絶対です

ワールドワイドで見れば、様々な政治制度がありますが、日本の場合、「三権分立」が大原則です。
そして、それを明言しているのが「日本国憲法」。
つまり、行政サイドが自分たちに都合の良い議員を送り込んだり、裁判所に送り込んではならないのです。
(逆も然り)

「三権分立」の原則に反するような立法、もしくは政策は「違憲審査」の対象になります。
私が口を酸っぱくして述べている「国家公務員法」「地方公務員法」を根拠として、「公務員の経済活動の自由・内心の自由」などが一定の制限を受けるのは、「三権分立」の原則を破る可能性があるからなんです。

だから、公務員が特定の宗教を信仰しようが、政治団体を信奉しようが、一定までは黙認されます。
ただし、それはあくまでも「私的活動の範囲」であって、「公務員の名を利用して語る」のは、NG。
政治団体は私も記憶があやふやですが、宗教をめぐる裁判で有名な判決は、「愛媛県靖国やすくに神社玉串たまぐし料訴訟」ですね。

簡単に言うと、愛媛県が靖国神社に対して玉串料その他諸々に対して公金を支出していたことに対して、政教分離原則に違反するとし(憲法20条違反)、宗教と国(公務員を含む)の在り方に一石を投じた判決です。

第二十条 
信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。
② 何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。
③ 国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。

(出典:日本国憲法

公務員ができる「私的活動の限界域」

というわけで。
もう「何度目の忠告ですか💢」と言いたくなるのですが、特定の公務員がやっている

・選挙に対する私見を適当に語る
・自分の作品で、特定の宗教(神道も宗教とみなされます)とのつながりを示唆
・自著の販売促進(有料セミナーも、禁止されています

は、全て法律に抵触する可能性が高いです。

なぜならば、「人権が~」「個人としての自分を~」と喚こうが。

「公務員の◯◯」


という本を看板として掲げている時点で、間違いなく「公務員としての行動」として見なされるし、県民からはそのようにジャッジされる可能性が非常に高い。
事実、私の周辺(ネット、実生活両方から)も「そんな公務員がいるんですか?」と言われています。

しかも、「公務時間外に行っている活動でも、公務員としてふさわしくない行為であれば、違法になる」という警告を、既に受けているにも関わらず、です。

また、ある神社をモデルにした小説も、文芸作品としてのジャッジはともかく。
あちこちで神社との「蜜月ぶり」を、公務員が宣伝する行為自体が非常にまずい。
そこにきて、先日の「地元の候補者批判」とも取れる投稿。

選挙は、「人気がある」「人気がない」など、そういう問題ではないんです。
ポピュリズムの危険性を、勉強しましたか?
※信じられないかもしれませんが、かのヒトラーやムッソリーニだって、市民の選挙で人気を得て当選したのですよ。

明日が投票日ですし、今日が選挙戦最終日だからあえて書きますけれど。

公務員が政治・宗教を適当に語るのは、NGです!


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