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犯罪をしてしまった人、被害を受けた人、不登校になった子、家族から虐待を受けた人、強制的…

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犯罪をしてしまった人、被害を受けた人、不登校になった子、家族から虐待を受けた人、強制的に入院させられている精神障害のある人、外国人、LGBT・・・いろんな人に関わって考えたことをnoteに書いてみます。

最近の記事

誰が「罪」を決めるのか

”世界の教養” 今回はソドムとゴムラ。 ゴジラみたいと思ったけれど、町を滅ぼす話だからあながち遠くない。 もしかしてゴジラはソドムとゴムラの話からきたのだろうか。 この話を読んで興味深かったのは、ソドムとゴムラの人々がどのような罪を犯していたのかははっきりしないということだった。 町が滅ぼされるなんて重大なことなのに、その原因となる罪がよくわからないなんて。「神」が決めたらしいけど。 でも翻って考えると、現代社会でも、実は「罪」はあいまいだ。 たとえば、刑法では暴行罪や

    • 論理→実態調査→実践、で解決する

      ”世界の教養” 今回はアリストテレス。 論理→自然現象→実践という正確な順序で学ぶことが重要だという話に納得。以下は私の理解ですが。 なぜ最初に論理なのか。 人が揺さぶられる出来事が起きたときに、それにいちいち左右されて感情的に行動していたのでは根本的に解決しない。 解決策を導くには、物事を冷静に受け止めて客観的に分析し、機序を整理して予測や限界を見極める必要がある。 そのためには最低限論理的に考えられなければならない。 次に自然現象を調べるということは、この世界の姿、社

      • 人にとっての音楽

        ”世界の教養” 今回はルネサンス音楽。 ルネサンス音楽は、宗教改革とリンクしているからなのか、それ以前の音楽とは異なる目的を持つという意気込みがあったらしい。 そして、ミサ曲と世俗曲という区別があるのもおもしろい。 宗教に用いられてきた音楽が、その改革の余波を受けて、音楽自体も変わっていく。 宗教に用いられる存在ではあるけれど、発展していく。 他方で、宗教から離れて、音楽独自の開拓もしていく。 今の音楽もこの2種類はあるのかもしれない。 イントロの在り方とか、曲調とか、

        • 星の死に方、人の死に方

          ”世界の教養” 今日は超新星。 超新星とは、星の爆発現象を言うらしい。元の言語はどんな言葉なのだろう。「星」と「現象」は噛み合わない気がしたけれど、人とのシンクロや生と死の揺れを考えていると、星の死である超新星は、やっぱり「現象」なのかもしれない。 超新星の話で素敵だったのは、星は死ぬのに、新しいものを生成するということ。そもそもそんな現象を「死」ということが訳語として正しいのかよくわからなくなるけれど、 ある一生のあった星があり、それがその一生を終えていく。けれど、その

        誰が「罪」を決めるのか

          権力からの独立は芸術家に求めるべきか ~ビザンツ美術からジャニーズを考える

          ”世界の教養” 今回はビザンツ美術だった。ローマ皇帝・ビザンツ帝国とともに歩んだ芸術様式であり、大聖堂などの建築や、宗教をテーマにしたイコンなど、その芸術的価値は大きい。 他方で、byzantineという形容語が否定的に使われる、という話も興味深かった。ビザンツ帝国の支配者の狡猾性や美術の複雑性を揶揄するニュアンスがあるらしい。権力に用いられ、盛り立てるための道具に使われたゆえの批判や、権力を背景に装飾を思う存分できたという経済的バックアップへの嫉妬も含まれているのかもしれ

          権力からの独立は芸術家に求めるべきか ~ビザンツ美術からジャニーズを考える

          小説の評価

          ”世界の教養”文学編は、6週目にして、普通の小説っぽいところに入ってきた。「闇の奥」。 でも私はこの表題すら聞いたことがなかったので、まずは読んでみた。 結論としては、”世界の教養”の中で評価されている点はよくわかったけれど、この理由だけで”世界の教養”レベルになるのかー、というささやかな驚き。 でもそのような位置付けになるくらい、その書かれた時代環境、社会との関係性からすると、当時は珍しかったということなのかもしれない。 当時、珍しさ、先進性が評価されたのだとしたら、現

          小説の評価

          解読の正当性を担保するもの

          ”世界の教養” 6週目はロゼッタ・ストーンから。 これは学校でも覚えた記憶あるし、ワンピースにも出てくるから親しみがある。 でもやはり”世界の教養”1ページだけでは、解読法はわからない。 それまで解読できなかったエジプトの記録文書を、なぜロゼッタ・ストーンで解読できたのか。 たまたま3種類の文字が並んでいたというだけで、対比させて意味があるものだという保証はどこにもないのではないか。 まったく別の意味に訳したとしても、それを間違いだと指摘できる人もいないだろうし。 多くの

          解読の正当性を担保するもの

          人が子どもに期待するもの

          ”世界の教養” 宗教5週目はサラの話。まだしばらく西洋の神の祖の家系の話が続くのかと思うと、ちょっとげんなり。。 でも子どもについて考えさせられた。 アブラハムがサラを大事にしたのは、美しいからか、能力が高かったからか、恋愛によるものか、よくわからないけれど、男女の仲の理由は人によっていろいろあるだろう。 でも対象が子どもとなると、求める理由が限られてくるような気がする。 最初、サラはアブラハムの子孫を残すために、ハガルとの間に子どもを産ませることを承諾した。自分の夫の

          人が子どもに期待するもの

          洞窟の中の人と外の人を結ぶ人

          ”世界の教養”34日目はプラトンの洞窟。 世界の多数の人は洞窟の中にいる人であり、脱出して外に出た人が哲学者であり、哲学者が統治者であるべきだという。そして社会全体が、統治者の要望を満たすように組織されるべきであると。 ここで欠けているのは、統治者と市民を結ぶ人、組織する人ではないか。 善(洞窟の外の世界)を知る人は、偉大だけれど、往々にしてその偉大さは一般人にはわからない。一般人がわかる範囲・程度の善のすばらしさを針小棒大に説明できる人が、一般人受けするもので、そのよ

          洞窟の中の人と外の人を結ぶ人

          坂本龍一と人の辿り着くところ

          ”世界の教養” 33日目は音楽の話だったけれど、これは私にとって目新しい内容ではなく、むしろ最近読んで聴いて浸っている坂本龍一を思い起こさせたので、坂本龍一について書くことにする。 と言っても、私は坂本龍一について詳しいわけではなく、最近坂本のスコラのバッハに触れたばかりなので、かなり浅い。それでも私が発見した二つのことを、誰かに伝えたい。 一つは、坂本が「音」に辿り着いたということ。 私が知った範囲で、坂本はかなり音楽の歴史や理論に詳しい。”世界の教養”なんかで音楽理論

          坂本龍一と人の辿り着くところ

          ブラックホール

          今日の”世界の教養”はブラックホール。 ブラックホールはなんとなく知っていたところもあるけれど、物理学者の疑問や発想と自分のそれとのズレがおもしろい。 「光が(ブラックホールの中で)保存されている」 「光は脱出できるか」 「物質が逃げ出していく」 物理学者はこういう言い方をするらしい。(日本語訳の問題か?) 私は、「ブラックホールの中に光の世界がある」と思ってしまう。 光が凝縮されて点になっているのだとすると、 その点の世界はどんな風景なんだろう、と。 光や物質が集ま

          ブラックホール

          気持ちを作る型

          今日の”世界の教養”はハギア・ソフィア。 イスタンブールにある世界遺産だそうだが、私にとってはユスティニアヌス1世の方がなじみがあった。 ソロモン王に勝った、とユスティが言ったほどあるだけあり、たしかにスケールが大きく、でも外観も内観もそれぞれが素晴らしい。 そして、だからだろうけれど、その後も主人はどんどん変わっていき、キリスト教の大聖堂からモスクにまで転じた。 誰かと暮らした思い出深い家で、そのパートナーが亡くなったとき、耐えられないと言ってその家を出ていく人がいる。

          気持ちを作る型

          インナーマッスルな言葉

          ”世界の教養” 今回はホメロスの叙事詩。 受験で「イリアストオデュッセイア」を呪文のように覚えていたけど、少し内容がわかった。しかも、「アキレス腱」がここからきているとは! ストーリーもさることながら、何百年、何千年も受け継がれていく表現ってすごいと思った。しかも口承で始まったというのだから、かなり人を引き付ける表現だったといえる。耳で聞いて、目の前に舞台が広がり、波風も立って動き出す。 そんな想像の世界を広げる言葉ってすごい。 翻って自分の言葉について考えると、私は、ぼ

          インナーマッスルな言葉

          体制⇔独裁⇔チーム

          ”世界の教養”、今日はカエサルの話。 注意深き独裁者、という印象だけれど、「独裁官」という役職にあったらしいから、今で言う独裁者とはちょっと異なるのだろう。あるいは、訳語が不適切なのか。 私は歴史を知らない。だから、カエサルについても、ここに書かれていることしか知らない。 その限りで言うならば、カエサルは、(内乱をしたにせよ)当時の既存の体制を形式上は維持しつつ、その中で好きなように活動した人だった。そして、「独裁官」の訳語の当否は別として、おそらく単独で強大な決定権限が

          体制⇔独裁⇔チーム

          信仰は血の系統、学問は知の系統

          ”世界の教養”28日目はまたキリスト系宗教の話。 仏教とか他の宗教が出てこないのは、この本が欧米系だからか。 まだ12分の1も読んでいないけれど、”世界の教養”ですでに聖書の世界が繰り返され、血縁関係が続いていることがよくわかった。 誰と誰がどういう親族関係にあり、そこにある物語や象徴的場面。 最近の政治の世界に似ている。 何かを信じて囚われると、それにまつわる血縁関係やエピソードがその信仰を強化する。 他方で、”世界の教養”の哲学に出てくるソクラテスやその弟子たち、ある

          信仰は血の系統、学問は知の系統

          想起するとは、相手の中にある自分を見出すこと

          ”世界の教養”27日目はイデアの話。 例が「美」など限られているのでなんとも言えないけれど、美のイデアというのがあるとしたら、それは、誰もが、全ての人が、「美しい」と認めるものだということだろうか。 大多数の人が「美しい」と認めて、一部の人は「そうかなー」と思いつつも「醜い」とは言わないものは、たしかにあるかもしれない。 けれど、一部の人が「美しい」と言っても、一部の人は「醜い」=決して美のイデアは含まれていない(と思う)、というものも結構ありそうな気がする。 そうすると

          想起するとは、相手の中にある自分を見出すこと