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「生命をいただく」を学んだ日のこと


 いつも週イチ更新のnoteを読んでいただき、本当にありがとうございます。

 今回は、久しぶりに娘との日常についてのお話です。


 タイトルにも書きましたが、週末に「生命の大切さ」みたいなものを肌で感じまして。

 あまりにもさりげないエピソードなので、忘れないように書き留めておこうかと思った次第です。


 もう一度念を押しておきますが、今回僕たちが経験したことは、本当に大それた事件でも何でもありません。

 ただ、かえってその「さりげなさ」が、心の深いところに刻まれた感じです。

 小さく、でも確実に消えないかたちで。


その日、僕たちはステーキを平らげた


 お肉って、何だかんだでホントに元気をくれますよね。


 先週末、僕たち家族はステーキハウスに足を運びました。

 ブロンコビリーって、なんか好きなんですよ。

 もちろん、お肉とサラダバーのクオリティーがしっかりしているのは言うまでもないんですが、店員さんの品質がめちゃくちゃ高い気がします。

 ランチタイムのブロンコビリーって、大体皆さんめちゃくちゃ忙しそうなんです。でも、そんな中でも必ず満面の笑顔で対応してくれるんですね。

 僕は、ブロンコビリーで不機嫌な店員さんに出会ったことは一度もありません。

 それに、娘の誕生月に食べに行くと、バースデーソングを恥ずかしがることもなく唄ってお祝いしてくれて。記念写真まで撮ってくれるんです。

 ココスでも同じようなサービスがありますけど、けっこう内気な僕からすると、本当に尊敬する仕事ぶりです。


 …席が空くのを待つ間、娘と一緒にステーキを焼くようすを眺めていました。近くには、大きくて真っ赤な肉の塊がたくさん置かれていて。

 ナイフで切った瞬間、肉汁が「ブシュッ」と飛び出るくらいジューシーなお肉を、僕らはお腹いっぱいいただきました。その時は、ただただ「おいしいお肉だな」と思いながら。


その猫は、小鳥を平らげた


 ステーキを食べたあと、僕たちは義父のお墓参りに向かいました。


 義父の眠るお墓は、山にほど近いお寺にあります。目の前には竹林が生い茂り、春にはタイミングさえ合えば大きなタケノコが採れたりします。

 ところでこのお寺、猫がたくさん住み着いているんです。分かりやすく人懐っこい猫、そっと近づいてきて撫でてもらおうとする猫…いろんな子が常時10匹以上は住んでいます。


 娘がいつものように猫の様子を観に行ったとき、何かに気づいた様子でした。…とある一匹のキジトラ君が、うずくまって何かをムシャムシャしていたのです。

 近づいてよく見てみると、なんと体長10cmくらいの小鳥を美味しそうにくわえているではありませんか。

 近くには羽が散らばっていますが、まだ身体はほぼきれいに残っています。「息の根を止めたので、これから本格的にいただくぞ!」というタイミングでした。


 娘は、普段から外でいろんな虫を捕まえては飼いならしています。カナヘビ、カマキリ、クワガタ、ヤモリ…彼らが一生を終える姿も何度か目にしています。

 とは言え、動物の中でも一番大好きな鳥が、これまた大好きな猫によって食べられようとしている様子を実際に目で見るのは、多少なりとも心に残る体験だったと思います。


 お墓で用を済ませ、15分ほど経ってその場に戻ると、すでにその鳥は食べつくされていました。跡には羽が数枚と、心臓か肝臓と思われる豆粒程度のピンク色の臓器だけが転がっていました。


その夜、博士ちゃんから「いただきます」の意味を教わった


 たまたまその日の夜、テレビをつけたところ、こんな番組をやってまして。

 昔からよくある「すごい小学生」を紹介する番組なんですが、ちょうどジビエ料理に詳しい子が登場したんです。

 お母さんが狩猟家だそうで、一緒に害獣駆除に付き添うことも少なくないとのこと。

 ※ちなみに、お母さん(野田康代さん)について以下の記事が詳しく取り上げています。


 山に行くと、ワナにかかったシカがいるわけです。この状態からハンマーのようなものでとどめをさすわけですが、必死の抵抗に出るため、めちゃくちゃ危険なんだそうです。

 絶命させるシーンはさすがに放送しませんでしたが、娘さんは当然その瞬間を目にしています。直後、お母さんと一緒に手を合わせている姿が印象的でした。


 番組の最後のインタビューでは、「狩猟をするようになって、食前食後の『いただきます』と『ごちそうさまでした』の挨拶の重みが変わった」と話していました。


 その時僕は、ちょうどその日の出来事をいろいろと思い返していました。

 丁寧に切り分けられ、よく焼かれた牛肉をいただいたこと。キジトラ君が夢中で獲物にむしゃぶりついていたこと。

 基本的には、僕たち人間もキジトラ君と一緒なんですよね。誰かの生命をもらって、口にして、明日を生きるパワーをいただく…という繰り返しによって生かされているわけですから。


 今日も、ごちそうさまでした。

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