空蝉や傍聴席に妻と母

俳句
空蝉や傍聴席に妻と母

解説
以前、裁判を傍聴しました。
なんの裁判だったかは言えませんが、
そこには私と女性が2人いました。
ある女性は30代半ば、もう1人の女性は60代後半のように見えました。
裁判が始まり、ある男性が被告人席に座りました。

ここまで読んでくださった方は何となく感づいてらっしゃるかもしれませんが、傍聴席にいたのは、被告人の奥様とお母様でした。

裁判が始まる前は、そのお母様はやけに元気で、奥様と笑いながら会話をしてました。
私は人見知りで、それが中学生くらいの出来事だったので、少しふてくされた態度を取ったことを覚えてます。

裁判が進み、ふと裁判官に説教をされてる被告人から傍聴席に目を移したところ、そのお母様は泣いてらっしゃいました。
判決を言い渡します。
という言葉と同時に前を向いたお母様の姿が心に残っております。

白南風

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