第15章 若手刑事からの取り調べ

取り調べが始まり刑事が淡々とパソコンのキーボードを記入する。 しかし、あまりにもタイピングが遅いのだ。

刑事ってやっぱり、頭よりも身体ばかり動かしている職業なんだなと感じた。

わたしが代筆した方が絶対早い。

でも立場上はそんなことも言えないのが、なんとももどかしいのだ。

今日の取り調べは 一緒働いていた組織について、社長と呼ばれる男について 他にも共犯がいないのか、週に何回ほど組織と接触していたのか。

これを詳しく年月日まで聞いてきた。

おそらくだけど、この犯行は組織犯罪であるということは間違いない。 でもわたしは社長の男しか絡んだことはないし、他の人のやり取りはテレグラムという秘匿性のあるチャットアプリでのやり取りだから、正直顔や名前までは覚えていない。