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20221219配信 最終合格=内定ではない?

公務員志望者各位

 公務員採用試験のほとんどが一次試験と二次
試験で構成されています。二次試験では人物試験
いわゆる面接が課されます。

 そして二次試験に合格すると、その通知には、
・最終合格であること
・採用候補者名簿に氏名が記載されたこと
を示す旨が記載されています。

 しかしその通知にはさらに次のような主旨の
文言が添えられています。

『採用と決定されたわけではありません。』

 この文言の意味について、今年の4年生も
分かってはいましたが、最終合格通知を見て
やはり激しく動揺された方がいました。

 今回は最終合格・採用候補者名簿と内定の
関係をお話します。これは面接対策に直結
することです。

 まず、採用候補者名簿という言葉は、国家
公務員法第50条および地方公務員法第21条に
でてきます。ただし、法令の根拠はどうでも
いいです。大切なことは、最終合格者はまだ
採用候補者であり、内定者ではない、という
ことです。

 分かり易くやすく言えば、最終合格とは品質
試験をクリアしたことで品質保証シールが貼ら
れたにすぎないということです。工場で言えば、
出荷してもOKという意味の品質保証ですね。
しかし実際に市場にでるにはバイヤーの目に
とまり、認められ、仕入れてもらえなければ
工場の在庫の山の一部のままです。

 このバイヤーによる目利き(試験)が、
国家系でいえば官庁訪問・職場訪問、地方系
でいえば採用面接となります。この面接の
面接官は、二次試験の人事院や都道府県人事
委員会ではなく、官庁・職場の上席幹部です。
二次試験の面接に比べると、人柄はむろん、
仕事理解や取り組みたい分野、将来ビジョン
について詳しく尋ねてくる傾向があります。
(ここに合格して内々定となります。10月
には内定通知が届きます。)

 国家系の場合、訪問とは名ばかりで、実際
は訪問先で1日に複数回面接を受けます。
(機関によっては日を分けて複数回の面接
を行う場合もあります。)

 そしてその日もしくは翌日には電話で
「内々定です。」と連絡がきます。(電話
どころか訪問したその場の場合もあります。)
これが即日内定です。即日内定がでなければ、
結果通知の日時の目途を教えてもらえます。

(なお、この訪問は、自分でスケジューリング
しなければなりません。7月上旬になりました
ら別途記載します。)

 地方自治体の場合は、採用面接を行う
自治体は少ないです。A日程の多くの都道府県
や市町では、8月の二次試験の最終合格の時点で
内定決定(といっても内定通知は10月以降)で
あり、公務員試験は終了です。(BC日程の市町
も時期は異なりますが同様です。採用面接が無い
理由は最後に説明します。)

 しかし、一部の市町や警察本部では最終合格
発表後に、合格者を集めて採用面接を行って
います。ですので志望する自治体が、どの時点
で公務員試験が終了となるのか、必ず、御自身
で試験スケジュールを確認しておいてください。
(分からなかったらキャリセンや自治体の採用
部門に尋ねましょう。必ず教えてくれます。)

 国家系、地方系とも、最終合格をしても官庁訪問
や採用面接で不合格となった場合は、いわゆる
採用漏れとなります。採用漏れとなった方で、すぐ
に就職したい方の多くは合格した他の自治体、民間
企業、大学院へ進路を変更します。
 不合格ではないものの、採用保留とか留保と
条件が付く場合は、内定辞退による欠員がでた場合
に声がかかる可能性があります。(ただし、実際に
欠員がでるかは不透明・運任せです。声がかかるまで
何もせずただ待機する方はほとんどいません。何らか
のアクション(他の進路)を起こします。なお、欠員
が出やすい時期があります。それは内定式前後の10月
上旬、区切りとなりやすい12月中下旬、卒業可否が
判明する2月中旬です。)

 採用候補者名簿には有効期間があります。
国家系は3年なので、仮に採用漏れとなった場合、
翌年は一次・二次は免除で官庁訪問や職場訪問に
再チャレンジできます。

 一方で地方系の採用候補者名簿の有効期間は
1年のものが多いです。すなわち、翌年は一次試験
から再度受け直しです。この点で前回配信の富山県
の1年から3年への変更は衝撃的です。

 最後に、地方系で二次試験の最終合格が内定と
なる理由です。

 それは、最終合格を決める面接と、内定者を
決める採用面接をあわせて行っているからです。
(公務員の業界では、違う行事を同日・同時刻に
行うことはよくあることです。)例えば○○県の
試験では、二次試験の面接は1日に2回行われます。
1回目は○○県人事委員会による二次試験、2回目
は○○県人事課による採用面接です。市町の場合
はほとんどが1回の面接で決めています。
一日で行うことで採用事務の効率化と内定者の
早期囲い込みを目指しているのです。


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