見出し画像

これじゃない

いつだって私の持っているカップは
飲み物が満杯で、今にも溢れそう。

それなのに私は重さを感じない。
中身が入っているのに。

「これじゃない」

私が飲みたいのはこれじゃないの。
私が頼んだのはこれじゃないの。

何度飲み干して注いでも、まだ満足しない。

何が足りないのだろう。
なんで満腹にならないの。

「あなたの飲みたいものは何なの?」

その質問に答えられないから
いつまでも探しながら飲み続けるのだろう。

きっと、飲みたいものは既に飲んでいて
お腹いっぱいになっているはずなのに。

一体いつになったら気づくんだい?

「お腹いっぱい、美味しかった」と言える日が
来る日を願って今日もまた同じセリフを言う。


「ねぇ、これじゃない」


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?