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緊急事態宣言!沖縄ではたらく社長夫婦の子育て奮闘記

沖縄は、全国でもコロナの影響を大きく受けている地域の一つ。今月20日、年明けから続いていたまん延防止等重点措置がようやく解除されましたが、まだまだ予断を許さない状況が続いています。

弊社、ケイスリーの幸地(社長)と落合は、そんな沖縄で、2人の幼い子供たちを育てながら働いています。創業6年目のベンチャー企業を率いながら、度重なる緊急事態をどう乗り越えてきたのか。表からは見えにくい、その奮闘ぶりをお伝えします。

家族構成
夫:幸地正樹(ケイスリー代表)
妻:落合千華(ケイスリー創業メンバー)
第一子:女の子、2歳
第二子:男の子、11ヵ月

幸地の両親:那覇在住。片道、車で1時間ほどかかることと、高齢であることから、いざという時にすぐ頼れる状況ではありません。

右から2人目が幸地、3人目が落合。まだ東京在住の頃。(写真は合宿をした沖縄で撮影)

2人は、2020年7月に、当時1歳になったばかりの長女を連れて、東京の渋谷から沖縄の読谷村へ移住。2021年3月に、第二子となる長男を出産しました。現在は、2人の子供たちを別々の保育園に預けながら、自宅でのリモートワークをしています。

移住については、こちらで詳しく話しています ↓ 

リモートワーク with 2人の子供たち


これまでにも、保育園が休園したり、登園自粛が求められたり、子供のどちらかが体調を崩したりと、たびたび不測の事態に見舞われてきた。中でも大変だったのは、2人が通う保育園が同時に休園(または登園自粛)となった 2021年の夏頃だったといいます。

幸地:
私は普段、朝3時頃に起きて、子供たちが起きてくるまでの数時間を仕事に当てています。そのあと、子供たちを保育園に送り、9時頃から、迎えに行く17時頃まで、また静かに自宅で仕事できる時間です。
それが、この時期は、8時を過ぎても子供たちがいて、常に誰かが世話していなければいけなくなりました。長男にごはんを食べさせると、次は長女のごはんと、ずっとごはんの時間が続いている。昼寝の時間も違うので、それに合わせていると仕事の時間がどんどん削られていきました。

落合:
二人とも家にいる状況で仕事をするなんて、まず想像ができませんでした。何か策がないかと思って、長女に新しいおもちゃを買い与えて「仕事をしている間だけ、これで遊んでいいよ」としてみたり。仕事の時間に合わせて、お昼寝を計画的に調整してみたり。
基本的には夫の方が仕事が忙しいので、私が子供をみていることが多いのですが、毎日1.5-2時間くらいは自分の仕事の時間を確保するために、夫に世話をしてもらっています。その時間にやるべき仕事をぎゅっと詰め込んで。子供たちのお昼寝が重なったときは、ボーナスタイム!という感じです。

なんでもひっくり返して投げるマイブームが到来し、ひとしきりひっくり返したあとヨギボーの上で電池切れする長男くん

日々、それぞれに多くのオンライン会議をこなす二人は、並行して、どの時間帯にどちらが子供たちをみるか、家族内会議で裏のオペレーションをやりくりする。特に外部との会議は、二人の予定が重ならないように配慮してきました。

幸地:
二人同時に外部との打合せが入ってしまうときが一番大変です。できるなら日程を再調整するのですが、どうしても難しいときもあります。先日開催されたオンラインイベント「Social Impact Day 2021※」では、二人の登壇時間が重なってしまい、私が長男を抱っこして立ったまま話をする、ということでなんとか乗り切りました。

※Social Impact Day:2016年より開催されている、年に一度の社会的インパクトマネジメントに関するイベント。毎年、ゲストを集めて社会的インパクト評価、マネジメントに関する 国内外の最新動向をお伝えしている。今年は基調講演に台湾デジタル担当大臣のオードリー・タン氏を迎え、600名を超える方々から参加の申込みを頂いた。

落合:
普段は、必ずどちらかが子供たちをみていられるように、二人で事前に時間を決めているんです。それでも、急に保育園から呼ばれたり、病院に連れていかなきゃいけなかったり、不測の事態が起きてしまいます。長男をみている間に、長女が会議をしている部屋に入ってしまう、なんていうことも。

子育てをしながら仕事をする苦労は、コロナ禍の時期に限らないものですが、コロナ禍ならではの難しさ、大変さはどんなところにあったのでしょうか。

落合:
特に、保育園も休園が何度もあったり、対応も大変なようで。年度末で卒園を控えた子もいるので、先生たちも「休園にしたくない」という強い想いを持っています。少しでも症状があると預けられないなど、いつも通りというわけにいかないところがあります。
特につらかったのは、普段なら、子どもが病気になったときに頼っていたところが頼れなくなることでした。これまでは、病児保育をしてくれる病院に一時的に預けたりできたのですけど、それがストップしてしまって。
そんな風に、ずっと子どもをみている生活が数週間つづくと、自分の人生が止まってしまう感じもありました。その中で、仕事や打合せの時間を捻出していくと、全く自分のことができなくなる。子供も子供で外に出て遊べないストレスが溜まる。そういうことも、しんどかったですね。

痛感した「環境」の大切さ


身近で頼れるものが減っていく中、二人で力を合わせて乗り越えてきた日々。その奮闘を支えてくれたのは、仕事で関わる人たちの理解だったといいます。

落合:
まずは社内のメンバーに恵まれたと思います。子供をみながら社内の会議に参加するときは、カメラを消して音声だけで参加する、基本はミュートにして何かあれば発言する、といのも普通に受け止めてくれて。「悪いな」と感じる必要がない、というのは大きかったです。
近しいクライアントや仕事関係者の方たちも、子供をみながらの打合せに対して「大変だね」とか「どうぞ」、という感じで温かく受け入れてくれることが多くて、それも有難かったですね。

幸地:
コロナ禍で、子供がいて、という状況で働くには、組織の柔軟性や寛容性が絶対に必要だ、ということを身をもって感じました。これまでも、フレックスタイムやリモートワークの積極的な推進など、社長として働きやすい環境づくりをしてきたつもりですが、そういう制度を持つことはもちろんのこと、もっともっと必要なことがあると痛感しました。大変なときは「大変だ」と声をあげやすくしたり、助けを求めやすくしたり、あるいは、周りが気づいて手を伸ばしたり。そういう環境を作るためにも、まずは自分が率先して動きたいと思っています。

仕事で接する人たちに加えて、沖縄・読谷村という地域の「子育て環境」も、大きな支えになったといいます。

幸地:
東京では、子供を連れての移動が大変だったり、一緒に入れるお店を探すのが大変だったりしましたが、沖縄は子供が多いこともあって、道路にしてもお店にしても、バリアフリーが進んでいたり、どこへ行っても子供向けの整備が整っています。だから子供を連れて街に出るときのストレスが小さいですね。

落合:
子供と外を歩いていると「かわいいね」と話しかけてくれたり、地域の人たちが子供を温かく見守ってくれる感じがあります。役所やお店で何か手続きしていると「抱っこしとこうね」といって他の人が見ててくれたり。東京だと、外ではきちんとさせないと、とか、騒いだら「すいません」と謝ったり、何かと周りを気にしてしまうことが多かったのですけど、こっちではそういうことを気にせず、思うままのびのびしてていい。そのことで、親も子供も精神が安定するんじゃないかなと思います。

父として、母として、職業人として


2人は、ケイスリー創業時(2016年)から、二人三脚で会社を育ててきました。子育てのパートナーとしては、お互いをどう見ているのでしょうか。

幸地:
子供の食事のことやアレルギーのことや病院のことなど、私は比較的ゆるく考えがちで「ちょっとくらいいいんじゃないか」という感じなのですが、そういうことを大変でもちゃんと調べながらやっていて、「すごいママ」だなと、とても尊敬しています。

落合:
私自身は、父親に対等にものを言ったり、仲良くなるような親子関係ではなかったのですが、夫は、子どもを全面的に尊重してフラットに接するタイプです。子供たちと信頼関係を築いているのを見ていると「すごく良いパパだな」「子供たちも、そういう父親を持ててラッキーだったんじゃないかな」と感じますね。女の子は思春期が早いので、その時どうなるかは少し心配ですけど(笑)

二人は、子供を育てながら働くことの大変さを身をもって知ったことで、「この大変さは経験しなければわからなかった」「自分たちは、それでも同じ組織にいたから何とかお互いで調整できた。世の中には、もっと大変な思いをしている人がいっぱいいるはず」と強く考えるようになったといいます。

こうした経験を、単なる「個人の話」「プライベートの話」と切り離さずに、より良い組織づくりに、より良い社会づくりに繋げていく。形だけではない、実のあるものをつくっていく。日々の奮闘を糧に、また一つ、優しく強くなっていく。ケイスリーは、そんな組織でありたいと思っています。


聞き手・文 ケイスリー 今尾江美子




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