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ありのままの自分と演じる自分

新卒採用関係の仕事をしている人から「ありのままの自分でいられるかどうかで企業選びをしている人が増えてきている」といった話を聞きました。

たしかに、自分の好きなことができる。自分の得意なことを活かせる。自分の言いたいことを自由に言える。
ありのままでいられる環境は心地良さそうだ。

だけど、ありのままの自分で仕事するってどういうことだろう。
わたしは元々自分が無いようなものなので、以下のようなことを考えてしまった。

成長

ありのままの自分でいるということは、自分のままでしかないということではないか。
つまり、いつまで経っても、自分のコンフォートゾーンに留まってしまい、新しい自分を知る機会がなくなってしまう恐れがある。
成長を望むなら、ありのままではいられない、つまり自分を変える環境で仕事をすることも大切だなと思う。
たとえば、スポーツ選手が新たなプレースタイルを習得し、成長したいという気持ちから、別の環境でチャレンジしようと思い、他チームや海外に移籍しているのはよくあるケースだと思う。


期待に応える喜び

誰かに必要とされ、それに応えようと思うとき、最もパフォーマンスが高まると私は思っている。
私は自分のために頑張ることができない。

仕事をしていると様々な役割を任される。
余程酷いマネジメントではなければ、仕事の役割を任せるときには、「こんなことをやってくれるはずだ」という期待を込めて仕事をアサインしているのではないだろうか。

ありのままでいられる仕事だけをアサインされるということは、期待が小さく確実にできるであろう仕事しか任せてもらえていないと捉えることもできる。

期待を込めてアサインされた仕事は時に自分自身が思う能力の範囲を越えたものであったりする。
自分が知らない一面を引き出してもらえる喜び、役割を任せてくれた期待に応えられたときの喜びは、ありのままでできてしまうときには感じることのできないものだと思う。

役割を演じる面白さ

仕事はある意味演じてするものだと思っている。
時にはリーダーを演じてみたり、商品を愛する社員になって売り込んだり、まだ経験が浅いのにベテランを装ったり、その時々の目的を達成するために役を演じ分けたことは誰しもあるのではないだろうか。

役がハマると仕事がうまく進むことが多い。
演じるためには、前述したように自分の殻を破ってストレッチし、演技の幅を広げる必要がある。
また相手がなにを期待しているのかを感じ取る力も求められる。

人の心を動かすために必要なことは仕事人も俳優も同じなのかもしれない。

ありのままの押し付け

ここまで書いて思ったのは、ありのまま、自分の好きなことができる。自分の得意なことを活かせる。自分の言いたいことを自由に言える。
それがハマれば理想だと思う。

ただ注意が必要なこともある。
仕事は変化が激しいので、その変化が起こるときにありのままの自分を押し売りをしていないかということだ。
仕事が変わったときに、ありのままでははみ出てしまう部分の調整は必ず必要になってくる。

ドラマの脚本や監督、見る視聴者も変わったのに、いつまでも自分の得意な演技ばかりしていた俳優が消えていくのと同じことが起こるかもしれない。

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