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32歳の一人の女が野に放たれた

長い時間がかかった。いや、本当は「とうの昔にもう終わっている」ということは知っていたんだけど、年齢のことを考えるにつれ外に出る勇気がつかなかった。結論を出すのを先延ばしてここまでやってきた。

2年3ヶ月。ほぼ縁もゆかりもない土地に彼と暮らし始めて2年と3ヶ月が経った。今いる場所は、以前の私の生活していた場所からは結構遠いので、両親に挨拶をしたり、友だちに盛大に祝ってもらい…(いずれ結婚するんだろうという期待とともに)わたし自身も自分の人生を決めるためにこの場所にやってきた。

あ。これはまぁ愛がないやつだ。と気づいたのはいつからだろう?もう多分2年前からとか、かもしれない。そしてそこからはそこそこの安定したいい暮らしを捨てるのが惜しいこの一点だけでのらりくらり、自分に対しても相手に対してもはぐらかしてやってきた。

愛のために新しい土地にやってきた私だが、ここで巡り巡って編集者と書き物の仕事を主とするようになった。慣れない土地の中で自分の存在意義を感じるっために始めた色んな仕事。色んな人が新しい縁を運んできてくれた、色んな人に会いに行って育てた自分の仕事。それが今では彼よりも大事な存在になってしまった。それだけ。(いやそれ以外にも、色々あるけど)

最近まで自分のことを31歳と思っていて、まだ35歳まで4年あるから大丈夫なんて思っていたのだけど、つい先日もう32歳になっていることに気づき(この1年の勘違いは自分にとってかなり大きかった)さすがにここで男性と別れて、また恋の初心者に戻って幸せな結婚なんてできるのかって悶々としている。

でも、野に放たれてみようと決めた。自分の想いを吐き出せる場所は今や色んな場所にある。ここにも。あそこにも。インターネットという目に見えない網の上に。ありがとうインターネット。ありがとう。

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