【Dead Stock】好きだった(2019.6.7)

ある日、ふと貰ったダイレクトメール
「サービス終了のお知らせ」
何が変わるってってわけでもないけど
なんとなく触れて確かめてみたかった

あの日から随分と今が昔になって
思い出を再生する暇なんてなかったよ
オレンジのシャツを着た僕の隣に
紛れなく ろくでなしの君はいた

好きだった 好きだった 好きだったんだよ
ニケツの自転車 20分の道のり
大きなお腹に後ろからしがみついて
好きだった 好きだった 好きだったけど
素直になれなかった 素敵じゃない思い出が
記憶の隠れんぼを楽しんでた

あくる日、ふとメッセージをしたんだ
「元気かい?僕は元気さ」
何が変わるってわけじゃないけど
なんてない
エモーショナルを感じたかっただけ

あれから随分と昔は昔のままで
返信は返って来やしなかった
僕が過ちを繰り返すこともないし
ロクでもない過去は帰ってこない

好きだった 好きだった 好きだったんだよ
2階にある喫茶店 2ヶ月に1回の情熱
干されてない布団に染み込んだ汗
好きだった 好きだった 好きだったから
素直になれなかった 突き放して逃げてた
放り投げたのは僕

どうしたって拭き消せない
一度犯した 一度犯された 間違いや後悔

僕はやっと気づいた もう君はわかってた
僕らはただの旅人 旅先で出会った旅人

さよならは偶然のことじゃない

好きだった 好きだった 好きだったんだよ
逃げ続けた青春 逃げ水に嗤われた
叶いもしない恋に必死にしがみついて

好きだった 好きだった でももう好きじゃない
素直になることができたから
アルバムの中に飾っておこう

この長い旅の思い出に


※「やったことある男振り返る」をツイートした時に、昔のことを思い出して作った。これもデモがあるけど、「そこまでやるほどの詩ではない」という話になりやっていない。

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