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流浪の月【読書録】

2020本屋大賞作品『流浪の月』が、あまりに面白かったのでnoteを書きました。
心を揺さぶられながら飽きることなくあっいう間に読めてしまった。

できるだけネタバレにならないようにストーリーは簡単に織り交ぜながら紹介していきます。※少なからずストーリーを導入しているので絶対ネタバレ嫌だと言う方は読み進めないでください。

抽象的なストーリー

幼少時代自由な家庭で育った主人公は独自の感性を持つことに違和感はなく
周りに合わせることに違和感を感じているのですが、それが原因で孤独になっていくきます。
この辺りは周りと一緒がいいという日本の文化のようなものを感じます。

そんな時に出会った青年との時間は再び自由を取り戻すのですが、青年は決して少女と同じでように自由に表現したい人ではなく、むしろ堅物として育てられてきた人。
それだけに少女の自由さに何か憧れめいたものを感じたのかも知れません。

2人は至福の時間を過ごすわけですが、しかし世間から見たら大きな問題を抱えている2人の時間。このことが2人の人生に大きな影響を与えていきます。

誰もが知っている事実は同じだけど、
2人が共有した真実は誰にも受け入れてもらえない。

2人は互いに葛藤して人生を送ります。
時が経ち、すれ違いながらも再び同じ時間を過ごすようになるのですが、
同時に世の中にも過去の事実が思い起こされていきます。

そこからの急展開で、さらに秘密が明かされ、
もはや誰も邪魔はできない、2人の強いつながりができていく。

しかし、そんな2人の間にも第三者につながりができた少女がいるんですよ。

2人だけが共有していて、唯一共感できる人、無二の存在
圧倒的な他人との違いを感じながらも、
唯一無二の存在がいる事が光となり人生を有意義なものに変えてくれる。
そんなことを感じた、切なくも暖かさを感じる作品です。

深ぼりした内容

この作品はある事件を、
キッカケに「普通」ではいられなくなってしまった2人の話なのですが、
この物語に感じたポイントは3つ

・事実は1つでも、真実は人それぞれ
・優しさも暴力になりうる
・「普通」とは何か

この3つのポイントを自分ごとに転用すると、
大切な要素が浮かびました。

「あくまで自分が感じることは主観でしかない」
「相手を知ろうとしないと、相手が求めている優しさは見つからない」
「自分にとっての当たり前が存在しているということ」

簡単に相手をわかった気になってはいけない。

本当に言いたいことや感じていることは違うかもしれないという視点を持つこと
簡単に共感できると思っちゃいけないと感じました。

男女の物語ですが、恋とは違うくて、共感できて共有できるのは、
この世にこの人だけという2人ともう1人のつながりに

切なくも暖かさを僕は感じた話でした。

知らなくていいけど知りたいとか誰にも話せないけど話したいとか、
なんとなく矛盾している表現があったり、リアリティを感じられて面白い。
単純に「よかったね」で終わらない物語は好きなんだと思います。
考える空白がある感じがします。

表現の言葉や視点の変換、物語のテンポもすごく好き。

映画化したらどの役に誰が適任か考えていたら、
5月に映画化することを知ってテンション上がりました。

抽象的な言葉ばかりで読みにくかったらすみません。。
もし、この本を読んでいる方がいたら感想を共有してもらえると嬉しいです。
むしろ一緒に語りたい。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

最後にリンクを貼っておきます。


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目標は学校を作ること人を活かす学校を作りたいです。最近はいろんな人とコミュニケーションが取れる方法を考えています。何かこれから生きる人に残せるモノを作りたいと思っています。