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ねえ、FIDO認証って知ってる?

こんにちは。安全確保支援士の勉強をしているカーシュン。です。
youtubeはこちら。


毎日読むだけで知った気になれるIT日記、第14回はFIDO認証について。

なにそれ?って思う人も多いのではないでしょうか。
私も安全確保支援士の勉強をして初めて聞いたワードでした。

一言で表すとパスワードレスのセキュア認証規格だそうです。
ふむふむ、モヤモヤとした霧がかかってきましたね。

AI先生に質問してこの霧を晴らしてみました。
過去1わかりやすい流れでまとめられたように感じます。

最後まで読めばかなりFIDO認証を知った気になれるのでぜひ!



Q. FIDO認証ってなに?

A. FIDO認証について、以下の情報を提供いたします。

FIDO認証とは

FIDO認証は、情報システムのセキュリティの重要性が増している現代において、従来のパスワード管理の課題を解決するための認証規格として注目されています。FIDOは「Fast IDentity Online」の略称で、「素早いオンライン認証」という意味を持ちます。この認証技術は、従来のパスワードによる認証方式に代わるものとして注目されており、パスワードレス認証を実現するための方法の一つです。

FIDO認証の特徴

  • パスワード不要: ユーザーはパスワードを覚える必要がなく、生体認証を利用します。

  • 情報の安全性: 生体情報はネットワーク上に流れず、端末側で処理されます。サーバー側は公開鍵のみを持ちます。

  • 種類: FIDO認証には「FIDO UAF」「FIDO U2F」「FIDO2」などの種類があります。

FIDO認証のメリット

  1. 情報漏えいのリスクを回避: FIDO認証はサーバー側でパスワードや生体情報を保持しないため、情報漏えいのリスクが低減します。

  2. 利用者の負担軽減: パスワードを覚える必要がないため、利用者の負担が軽減されます。

FIDO認証のデメリット

  1. デバイス紛失: ユーザーがデバイスを紛失すると、認証が困難になる可能性があります。

  2. 専用デバイスの必要性: 一部のFIDO認証規格では専用のデバイスが必要となる場合があります。

FIDO認証の不正アクセスについて

FIDO認証は「公開鍵暗号方式」を用いるため、端末側とサービス側とで秘密の情報を共有しない仕組みになっています。しかし、デバイスを紛失した場合や、不正な認証要求が行われた場合など、様々なケースでの不正アクセスのリスクが考えられます。

以上が、FIDO認証に関する基本的な情報となります。安全性が高く、従来のパスワード認証の課題を解決するための技術として、多くの企業やサービスでの導入が進められています。

Q. FIDO認証はどういう経緯で生まれたの?

A. FIDO認証はFIDO Allianceという団体によって構想されました。

FIDO Allianceとは

FIDO Alliance(ファイド アライアンス、Fast IDentity Online Alliance)は、生体認証などを利用した新しいオンライン認証技術の標準化を目指して2012年7月に発足した非営利の標準化団体、業界団体です。この団体の主要な目的は、オンライン認証の新しい標準を確立することで、より安全で使いやすい認証方法を提供することです。

歴史

  • 2009年: FIDOの構想が生まれる。当時PayPalの最高情報セキュリティ責任者であったMichael Barrettが、指紋認証技術を提供するValidity Sensors社の最高技術責任者との会話をきっかけにFIDOの構想を抱く。

  • 2012年7月: PayPalなどの6社によってFIDOが設立。

  • 2013年2月: FIDOが一般公開される。

  • 2014年4月7日: 株式会社ディー・ディー・エス (DDS)が日本で初めてFIDOに加盟。

  • 2015年2月16日: 「FIDO Alliance 日本上陸記者発表会」が開催される。

  • 2022年5月5日: Apple、Google、Microsoftの3社がFIDO AllianceとWorld Wide Web Consortium(W3C)と共同で、共通のパスワードレス認証のサポートを拡大する計画を発表。2023年にはこれらの3社から利用可能になる予定。

主な標準プロトコル

  1. UAF標準 (Universal Authentication Framework): 端末内に生体認証データやPINを登録し、Webサービスなどにその端末を登録すれば、利用者が端末で生体認証やPINの入力を行うことでログインが可能になる方式。

  2. U2F標準 (Universal Second Factor): 既存の認証方式を導入しているWebサービスが、二要素認証を導入する際に用いる方式。利用者は、従来のアカウントIDとパスワードによる認証後、U2Fに対応したUSB端末やNFC端末を使ってログインが可能になる。

FIDO Allianceの意義

FIDO Allianceの存在は、オンラインセキュリティの向上に大きく貢献しています。従来のパスワードベースの認証は、破られるリスクが常に存在しました。しかし、FIDOのような新しい認証技術の標準化により、ユーザーはより安全で便利な方法でオンラインサービスを利用することができるようになりました。

また、多くの大手企業がFIDO Allianceに参加していることからも、この標準化の動きが業界全体で受け入れられていることがわかります。特に、Apple、Google、Microsoftなどの大手テクノロジー企業が共同でパスワードレス認証のサポートを拡大する計画を発表したことは、FIDOの技術が今後さらに普及することを示しています。

Q. 従来のパスワード認証の課題って具体的になに?

A. 従来の認証方法、特にパスワードベースの認証には多くの課題が存在しています。FIDOは、これらの課題を解決するための新しい認証規格として開発されました。以下に、従来の認証の主な課題と、それに関連する詳細な説明を提供いたします。

1. パスワードの管理と複雑さ

課題: 

多くのオンラインサービスを利用する現代において、ユーザーは多数のパスワードを管理する必要があります。これにより、ユーザーは同じパスワードを複数のサービスで再利用することが一般的となり、セキュリティリスクが高まります。

詳細:

  • 再利用の問題: ユーザーが同じパスワードを複数のサイトで使用すると、1つのサイトが侵害されると、他のすべてのサイトもリスクにさらされます。

  • 複雑なパスワードの要件: サービスごとに異なるパスワードポリシー(大文字、小文字、数字、特殊文字の組み合わせなど)が存在するため、ユーザーはそれを覚えるのが難しくなります。

  • パスワードの更新: 定期的なパスワードの変更が推奨される場合、ユーザーは新しいパスワードを定期的に考え、覚える必要があります。

2. フィッシング攻撃

課題:

フィッシング攻撃は、偽のログインページを使用してユーザーの認証情報を盗む詐欺の一形態です。従来のパスワードベースの認証は、このタイプの攻撃に非常に脆弱です。

詳細:

  • 偽のページ: 攻撃者は、実際のサイトと酷似したページを作成し、ユーザーを誘導して認証情報を入力させます。

  • 情報の盗難: ユーザーが偽のページでパスワードを入力すると、攻撃者はその情報を取得し、実際のサイトで不正にログインします。

3. パスワードのリセット

課題:

ユーザーがパスワードを忘れた場合や、アカウントがロックされた場合、パスワードのリセットが必要となります。これは、ユーザーにとって手間がかかるだけでなく、セキュリティ上のリスクも伴います。

詳細:

  • リセットの手続き: パスワードのリセットは、多くの場合、メールアドレスを介して行われます。攻撃者がユーザーのメールアドレスにアクセスできる場合、アカウントの乗っ取りが可能となります。

  • セキュリティの質問: 一部のサービスでは、パスワードのリセットの際にセキュリティの質問に答える必要があります。しかし、これらの質問の答えは、ソーシャルメディアなどで容易に入手できる場合があります。

4. 中間者攻撃

課題:

中間者攻撃は、ユーザーとサーバーの間の通信を傍受し、情報を盗む攻撃です。従来の認証方法は、このタイプの攻撃に対して脆弱です。

詳細:

  • 通信の傍受: 攻撃者は、ユーザーとサーバーの間の通信を傍受し、送信される情報(例: パスワード)を取得します。

  • 情報の改ざん: 攻撃者は、通信を傍受するだけでなく、送信される情報を改ざんすることも可能です。

5. デバイスの紛失や盗難

課題:

モバイルデバイスやラップトップが紛失または盗難された場合、デバイス上の情報が不正にアクセスされるリスクがあります。

詳細:

  • デバイスのアクセス: デバイスが保護されていない場合、攻撃者はデバイスにアクセスし、保存されている情報を取得することができます。

  • 自動ログイン: 一部のアプリやサービスでは、ユーザーがログインしたままの状態で情報を保存している場合があります。これにより、攻撃者は簡単にアカウントにアクセスできます。

FIDO認証と従来の認証課題の解決

FIDO認証は、上記で挙げた従来の認証の課題を解決するために開発されました。公開鍵暗号技術を使用することで、ユーザーの認証情報はサーバーに保存されず、ユーザーのデバイス内で完結します。これにより、多くのセキュリティリスクが大幅に低減されます。

パスワードの管理と複雑さの解決:

FIDO認証では、ユーザーはパスワードを使用せず、生体認証やセキュリティキーを使用して認証します。これにより、パスワードの再利用や複雑なパスワードの要件から解放され、ユーザーの利便性が向上します。

フィッシング攻撃の対策:

FIDO認証は、公開鍵暗号技術を使用するため、ユーザーが入力する情報は攻撃者にとって無価値です。したがって、フィッシング攻撃による情報の盗難のリスクが大幅に低減されます。

パスワードのリセットの問題の緩和:

FIDO認証を使用すると、ユーザーはパスワードを忘れるリスクがなくなります。したがって、パスワードのリセットに関連するセキュリティリスクや手間が削減されます。

中間者攻撃への対策:

FIDO認証のプロトコルは、中間者攻撃を防ぐ設計となっています。認証情報はデバイス内で生成され、サーバーには公開鍵のみが送信されるため、攻撃者が通信を傍受しても認証情報を盗むことはできません。

デバイスの紛失や盗難への対策:

FIDO認証では、認証情報はデバイスにローカルに保存されます。しかし、この情報は暗号化されており、デバイスが紛失または盗難された場合でも、攻撃者が情報にアクセスすることは困難です。さらに、生体認証やセキュリティキーが必要なため、デバイスを所持しているだけでは不正にアクセスすることはできません。

従来のパスワードベースの認証は、多くのセキュリティ上の課題を抱えていました。FIDO認証は、これらの課題を効果的に解決するための新しい認証規格として開発されました。

公開鍵暗号技術を中心としたこの認証方法は、ユーザーの利便性を維持しつつ、オンラインのセキュリティを大幅に向上させることができます。今後、FIDO認証の普及により、オンラインでの安全なアクセスがさらに進化することが期待されます。

Q. FIDO認証にはいくつも種類があるの?

A. FIDO認証の規格には、主に「FIDO UAF」「FIDO U2F」「FIDO2」という3つの種類があります。それぞれの技術的な仕組み、使用背景、メリット、デメリットについて詳しく解説いたします。

1. FIDO UAF (Universal Authentication Framework)

技術的な仕組み:

FIDO UAFは、ユーザーがサービスにログインする際に、パスワードを使用せずに生体認証やセキュリティキーを使用する認証フレームワークです。具体的には、ユーザーのデバイスに保存された鍵ペア(公開鍵と秘密鍵)を使用して認証を行います。ユーザーが認証情報を提供すると、デバイスは秘密鍵を使用して認証応答を生成し、サーバーは公開鍵を使用してその応答を検証します。

使用背景:

従来のパスワードベースの認証には多くのセキュリティ上の課題がありました。FIDO UAFは、これらの課題を解決するために開発されました。特に、生体認証技術の普及に伴い、より安全で使いやすい認証方法として注目されています。

メリット:

  • パスワードを覚える必要がないため、ユーザーの利便性が向上します。

  • パスワードの再利用や弱いパスワードの使用がなくなるため、セキュリティが向上します。

  • 生体認証データはローカルで処理され、サーバーに送信されないため、プライバシーが保護されます。

デメリット:

  • 生体認証に対応したデバイスが必要です。

  • 生体認証データの取得が困難な場合、認証ができなくなる可能性があります。

2. FIDO U2F (Universal 2nd Factor)

技術的な仕組み:

FIDO U2Fは、2要素認証の一形態として開発されました。ユーザーはまず、通常のユーザー名とパスワードでログインします。次に、U2F対応のセキュリティキーをデバイスに挿入し、物理的なボタンを押すことで2つ目の認証要素として認証を完了します。

使用背景:

2要素認証は、単一の認証手段よりもセキュリティが高いとされています。FIDO U2Fは、この2要素認証をより簡単かつ安全に実現するための規格として開発されました。

メリット:

  • 2要素認証により、セキュリティが大幅に向上します。

  • 物理的なセキュリティキーを使用するため、フィッシング攻撃などからの保護が強化されます。

  • セキュリティキーは多くのサービスやデバイスで共通して使用できます。

デメリット:

  • セキュリティキーを持ち歩く必要があります。

  • セキュリティキーを紛失すると、認証ができなくなる可能性があります。

3. FIDO2

技術的な仕組み:

FIDO2は、FIDO UAFとFIDO U2Fの技術を基盤として、WebAuthnとCTAPの2つの主要な標準から成り立っています。WebAuthnは、ウェブブラウザとサーバー間の認証プロトコルであり、CTAPは、外部認証デバイス(例: セキュリティキー)とクライアントデバイス間の通信プロトコルです。

使用背景:

FIDO2は、ウェブ上でのパスワードレス認証を実現するための規格として開発されました。これにより、ユーザーはパスワードを使用せずに、生体認証やセキュリティキーだけでウェブサービスにログインできます。

メリット:

  • パスワードを使用しないため、フィッシング攻撃やパスワードリセットのリスクが低減します。

  • 生体認証やセキュリティキーを使用することで、認証の利便性とセキュリティが向上します。

  • ウェブブラウザの標準技術として採用されているため、多くのサービスやデバイスで利用可能です。

デメリット:

  • 新しい技術であるため、すべてのデバイスやサービスが対応しているわけではありません。

  • 生体認証に対応したデバイスやセキュリティキーが必要です。

以上が、FIDO認証の3つの主要な規格に関する詳細な説明

Q. 公開鍵や生体認証があればFIDO認証と呼ぶの?

A. FIDO認証は、単に「公開鍵と生体認証がある」だけでは成立しません。FIDO認証は、特定のプロトコルと手順に基づいて動作する認証規格です。そのため、FIDO認証のアイデンティティを理解するには、以下の要点を押さえる必要があります:

  1. 公開鍵暗号技術: FIDO認証は公開鍵暗号技術を基盤としています。ユーザーのデバイスは、アカウントを登録する際に公開鍵と秘密鍵のペアを生成します。公開鍵はサーバーに登録され、秘密鍵はデバイスに安全に保存されます。

  2. ローカル認証: ユーザーがログインを試みる際、デバイスはローカルでユーザーを認証します。これは、生体認証(指紋、顔認証など)やPIN、セキュリティキーなどの方法で行われます。

  3. 認証アサーション: ローカル認証が成功すると、デバイスは秘密鍵を使用して認証アサーション(証明)を生成します。このアサーションはサーバーに送信され、サーバーは公開鍵を使用してその正当性を検証します。

  4. パスワードレス: FIDO認証の主な目的の一つは、パスワードの使用を排除または最小限にすることです。これにより、フィッシング攻撃やパスワードの再利用といったリスクが低減されます。

  5. 標準化: FIDO認証は、FIDO Allianceによって標準化されています。これにより、異なるデバイスやサービス間での互換性が確保されます。

また生体認証があるからと言ってFIDO認証とは限りません。
生体認証とは、人の身体的または行動的特徴を利用して個人を識別する技術のことを指します。これには、指紋、顔認証、虹彩認証、声紋認証、手の形や動きなどの多くの種類が含まれます。

FIDO認証は、生体認証を含む多様な認証方法をサポートする認証規格の一つです。FIDO認証は、公開鍵暗号技術を使用して、セキュアな認証を提供することを目的としています。FIDO認証の中で、生体認証はユーザーのデバイス上で処理され、生体情報自体はサーバーに送信されません。

しかし、多くのデバイスやシステムは、FIDO規格とは独立して生体認証を実装しています。例えば、スマートフォンのロック解除や、一部のアプリケーションのログインに使用される指紋認証や顔認証は、FIDO認証とは関係なく動作している場合が多いです。

したがって、あるデバイスやサービスが生体認証を提供しているからといって、それがFIDO認証であるとは限りません。FIDO認証をサポートしているかどうかは、デバイスやサービスの仕様やドキュメントを確認する必要があります。

したがって、FIDO認証のアイデンティティを一言で表現すると、「FIDO Allianceによって標準化された、公開鍵暗号技術を基盤としたパスワードレス認証規格」と言えるでしょう。公開鍵や生体認証だけがあるシステムは、それだけでFIDO認証とは言えません。FIDOの特定のプロトコルと手順に従っているかどうかが、FIDO認証であるかの判断基準となります。

Q. FIDO認証があればセキュリティリスクは無くなるの?

A. FIDO認証は、多くのセキュリティリスクを大幅に低減することができる先進的な認証規格ですが、全てのセキュリティリスクが無くなるわけではありません。以下に、依然として考慮すべきリスクについて説明します。

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