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ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーVo.3

あらすじ

今作は、ロケットの過去にフォーカスを当てた作品だ。

物語は、前作ポストクレジットで描かれていた、黄金の惑星ソブリンの女王アイーシャが生み出したとされるアダムに襲撃されることから始まる。
アダムによる襲撃によりロケットは意識不明となるが、救命装置が効かず、その原因はロケットの体内に取り付けられた自爆装置にあった。
その装置を解除すべく、ロケットの過去を辿ることになる。

ロケットはハイ・エボリューショナリーと呼ばれる人物により作られ、完璧な世を目指す彼の試作品であったのだが、彼の求める完璧な生命体を生み出すためのアイディアはロケットが考えた。
そんなロケットの脳をこれからの生命体に移植することを望んだハイ・エボリューショナリーの思惑と、不要となった試作品たちの処分計画を知ったロケットは、閉じ込められていた研究施設を脱走する。
ロケットの脱走後もハイ・エボリューショナリーは理想を求め続け、カウンター・アースと呼ばれる惑星を作りあげていた。

自爆装置のキーコードを探すクイルたちはカウンター・アースに乗り込み、ハイ・エボリューショナリーとの決闘を開始する。
この戦いには、クイルたちと過ごした記憶をなくし、ラヴェジャーズの仲間となったガモーラも参加している。
最終的には、キーコードを手に入れ、復活したロケットともにハイ・エボリューショナリーを倒すことで物語は完結する。

軽快な音楽と、愉快な冗談を織りまぜることで、気分的な重さを感じることなく見ることができる点が「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」の魅力である。
しかし、今作はロケットが意識不明となるところからのスタートとなり、緊張と緩和の連続であった。
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」の完結作に相応しいもので、僕自身感動で涙を流した
そんな作品の中から、特に印象的なメッセージを紹介する。

やり直せばいい

アダムはロケットを捕まえるため、ハイ・エボリューショナリーに雇われていた。
そのため、ロケットたちを襲ったのである。
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーとハイ・エボリューショナリーとの決闘の中で、アダムは生みの親であるアイーシャを亡くす。
アダム自身も戦いの中で傷つき意識を失う。
そんなアダムをガモーラたちは救い、もう一度チャンスを与えた。
「なぜ助けたのか」と聞くアダムに、ドラックスは言った。

やり直せばいい。

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーVo.3

人は誰でも過ちを犯す
被害者か加害者かによって見方は変わるだろうが、等しくセカンドチャンスは与えられるべきだと思う。
人や自らの過ちを認め、これからに生かすには強さが必要だ
感情に任せ怒ったり、自己嫌悪に陥ることは簡単だ。
その事象を受けて、自分がどう感じるかを考える時間を作ることが重要だ。
その結果、許すことができないのであれば、怒れば良い。
沸き起こる感情と行動を切り離す心の強さが、あなたを成長させる。

最終的に、クイルはアダムに救われる。
その際にお互いが人差し指を近づけ合うシーンがあるのだが、僕は「E.T」のオマージュかと考えた。
違う種族同士が手を取り合うことを示唆しているのかと思ったが、ミケランジェロの作品として有名な「アダムの創造」をモチーフにしていたらしい。
消えかかった命に生を吹き込む的な。
気づけたらかっこよかっただろうなー。

どこにでも居場所はある

アダムに救われたクインを囲んで、チームのみんなが抱き合うシーンがある。
ぎこちなさそうにではあるが、アダムもその輪に入った。
しかし、ガモーラはその場を去り、抱き合うことは無かった。
前作までを知っているファンであれば、ガモーラはチームの一員としてのイメージが強いと思うが、現在の彼女のチームは別の場所にいる。
それがラヴェジャーズだ。

このシーンから、あなたの居場所はどこにでもあるというメッセージを感じた。
サノスから逃れ、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの一員となったガモーラは、さらに記憶をなくし、ラヴェジャーズの一員となる。
環境を変える度に救いの手を伸ばしてくれるチームと出会い、共に生きていく。
今の状況に関わらず、あなたを応援してくれる人は必ずいる
細かいことは気にせず、大きな視点で世界を見たい。

ありのままで良い

ロケットがハイ・エボリューショナリーに言ったセリフがある。

お前は完璧を求めたのではなく、ありのままを否定しただけだ。」

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーVo.3

動物を下等生物だと考え、人型の思考能力を持った生命体に改造していたハイ・エボリューショナリー。
完璧な世の中には、完璧な生命体のみが存在するべきだと考える彼に、ロケットはありのままを受け入れることが必要であると説いた。

ラストシーンでは、子供たちだけでなく、研究対象となっていた動物たちもロケットたちは救った。
命に優先順位をつけないという思いが導いた行動だ。
完璧である人間だけが存在するのではなく、それぞれ足りないものを補い合って生きている
強くなろうと努力することも必要であるが、ありのままの自分を見つめることはさらに重要だ。
誰かを写した理想に自分を当てはめるのではなく、自分らしく生きるために自分を知ろう。
SNSでもてはやされているものが現実では無い。
あなたの目に映る世界、あなたの心に宿る思いを現実にしよう。
あなたらしさを1番認めてくれる人は、あなたであって欲しい。

最後に

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーは他種族で構成されたチームであるからこそ、様々な立場からストーリー見ることができる。
話す動物ほどの個性は難しいかもしれないが、あなたにも他の人にはない強さが必ずあるはずだ。
それがまだ見つけられなくても良い。
体験したことのない地球の暮らしを知りに行ったクイルのように、あなたの物語はこれから始まる。
自分を責めすぎないで良い。
カッコ悪くても良い。
あなたらしく生きていこう。
そんなあなたが、この物語の主人公だ

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