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【I-031】文句言うことを抑えてみた

先日、デパート系の通販でクリスマスツリーを注文した。
しっかりとした作りのモノが欲しいという家内の要望であった。

注文は、WEBサイトで行った。

今どきは、時間帯を指定する箇所があり、せっかくなので、「14時~16時」を指定した。時間を指定したこともあり、こちらに届くのは10日後の日付が表示された。

まぁ、そんなに急ぐものでもないので、カレンダーに着荷日のメモをして、注文作業は終了した。

そして、商品が届く日になった。

10日も前の注文なので、運送会社が段取る時間も十分なはずなので、「14時に来るかな?」などと勝手に思っていた。

14時にチャイムは鳴らず、「16時までだしね」と言い聞かせ、別のことを始めた。気が付くと16時まであと5分。さすがに不安になってきた。過去に時間指定に間に合わないことがあったが、その時は事前に電話があった。タイムリミットまであと5分だが、その電話はない。

そのまま、16時15分となった。

注文確認のメールを見返したが、時間指定のことも記載がある。

別のメールで、今回の運送会社と連絡先、荷物の問い合わせ番号を確認し、運送会社の担当営業所に電話をかけてみた。
若い感じの女性が出た。時間指定の荷物が届かない旨を伝え、問い合わせ番号を伝えた。その女性は悪びれる感じもなく、「これから荷物を持ち出して伺うので、19時~21時でのお届けになります。」

私は「???」となった。

「いえ、14時から16時の時間指定の荷物なのですが」と伝えると女性は「時間指定されていたのですか?」と逆質問。

ここで声のトーンを一気に下げた。

「注文した先からのメールにちゃんと記載されていますが、そちらで承知されていないとすれば、注文先に確認した方がいいですか??」

能天気な対応だった女性もさすがにマズイと感じたのか、
「再度こちらで確認しますので、折り返しご連絡させていただきます!」
と一度電話は切られた。

数分後に電話があり、確かに時間指定の荷物でした。こちらで見落としていました。19時までには確実にお届けするので、お時間いただけないでしょうか、とのこと。

ここで一発怒鳴りたいところだったが、それは止めた。何もプラスにならないと思ったからだ。

声のトーンを上げることは出来なかったが、「では、お願いします」とだけ告げて、電話を切った。

家内に伝えると、まぁ仕方がないという反応。そう、仕方がないのだ。
そして、次に思ったのが、配達のドライバーさんのことだった。
おそらく、営業所からすぐに対応する旨の連絡はいったであろう、
どこで確認漏れがあったかは分からないが、最終的に客先に届けるのは
ドライバーさんだ。きっと気が重いはずである。自分がその立場だったら、もの凄く嫌だろう。

家内に言うと、家内も同意した。

昨年くらいから、配送会社の現場の大変さをニュース等でたびたび見聞きするようになった。

そんなことも思い出し、ドライバーさんには感謝の気持ちを持って接しようと決めた。夕方で小腹が空く頃なので、何かお菓子でもあげられないかと戸棚を探した。アーモンドチョコレートがあった。もう少し食べ応えのある感じのものが良いと思ったが、これから買いに行く時間もない。

問い合わせの電話から30分後に荷物は届いた。電話の後に迅速に対応してくれたのであろう。

ドライバーさんは、自分よりの年上であろう小柄なおじさんであった。
この付近で何度か見かけたことのある方だった。

「大変遅くなり申し訳ございません!!」

全身から気持ちが伝わってきた。何か急に泣きそうになってしまった。

「いえ、こちらも急がせてしまって申し訳ありません。良かったら食べてください。」とアーモンドチョコレートを渡した。

ドライバーさんは、それを両手で受け取ってくれた。

「ありがとうございます。遠慮なくいただきます。」と深々と頭を下げて
いただいた。

玄関のドアを閉めて、振り返ると家内が立っており、泣いていた。

「皆さんが頑張ってくれるから、荷物も届くんだもんね」と言った。

本当にその通りである。

最近は、不寛容な世の中になってしまった気がしている。

皆、心に余裕がないので、ちょっとしたことですぐにキレる。
猛烈なクレーマーに変貌する。これも仕方がないかもしれないが、今回は怒鳴ることを抑えられて、良かったと思う。


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