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卒業の季節です。

葉山町小学校、中学校も卒業式を無事終えることができました。
25日は、終業式と離退任式です。

小生は、12日に葉山中学校、19日に葉山小学校に参加させていただきました。
来賓としての祝辞を述べるのは初めてで、これまで校長として話してきたこととは、少し違う感覚を持って生徒の皆さんに話をしてまいりました。
壇上から見える景色は、やはり静謐な中にも素直な眼差しがあり、校長としての眺めとある意味同じ感覚がありました。
以下、中学校で話した元原稿です。

 

祝  辞


ご紹介いたきました教育長の稲垣と申します。葉山中学校の3年生の晴れの門出に当たり、葉山町教育委員会を代表してお祝いの言葉を贈らせていただきます。


卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。

また、ご列席の保護者の方々にも併せてお祝いを申し上げ、これまで葉山中学校に様々なご支援ご協力を

いただいたことにお礼を申し上げます。


 卒業生の皆さんは、RADWIMPS の ANTI ANTI(安泰) GENERATION というアルバムに収録されている「正解」という曲をご存じですね。ここ何年か卒業式でよく歌われる曲の一つです。今日も次第を見るとこの後皆さんで歌うようですね。もう何回もこの歌を歌った皆さんはその意味もよくお分かりでしょう。

少しその曲の後半の詩を述べてみます。

「答えがある問いばかり教わってきたよ。だけど明日からは僕だけの正解をいざ探しに行くんだ。また逢う日まで。

次の空欄に当てはまる言葉を書き入れなさい。ここでの最後の問い。

「君のいない明日からの日々を僕は私はきっと□□□。」

制限時間はあなたのこれからの人生。

解答用紙は、あなたのこれからの人生。

答え合わせの時に私はもういない。

だから採点基準はあなたのこれからの人生。

「よーい。はじめ」


さて、卒業生のみなさんは今日を以て義務教育を終えます。皆さんの中学校生活の三年間は、その多くの時間、世界規模の感染症の影響で様々な制限の中での学校生活を余儀なくされました。本当に申し訳なく思います。しかし、そのような中でも仲間とともに助け合い、立ち向かい、今日の日を迎えられました。

皆さんは、「レジリエンス」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。レジリエンスとは、困難や逆境に直面したときにそれを乗り越える力、立ち直る力を意味する言葉です。これからの時代はVUCAの時代と言われ、予測困難な時代と言われています。これまでの常識が通用しない、「正解」のない多くの問いを自ら立てて学習に取組んでいく時代です。

しかし、例えば、授業を振り返ってみると皆さんは PC 端末をいつの間にかフル活用して自分の意見を声に出すことだけではなく、言葉として書くこと、または違った表現方法で先生に、クラスメイトに示すことをしてきたはずです。インプットとアウトプットとそしてリフレクション。その繰り返しの中でレジリエンスという力が知らず知らずのうちに身に付いたはずです。卒業生の皆さんの前には、限りない未来が広がっています。可能性は無限大です。社会や環境がどのように変化しても、自分だけの夢や目標をみつけ、それに向かってチャレンジする。それによって、自分が描いた未来を実現していくことができるでしょう。ハードルは、必ず存在しています。しかし、すでに皆さんには、それを乗り越える術、葉山中で身に着けた「レジリエンス」力が備わっているはずです。自信をもって進んでください。

皆さんは、この葉山中学校で「答えがある問いばかり教わってきた」のでしょうか。

そもそも「教わる」ものなんでしょうか。


最後になりますが、三年間熱心にご指導いただきました、校長先生はじめ教職員の皆様に教育委員会として感謝し、お礼を申し上げます。ありがとうございました。未来に向かって飛翔していく卒業生の皆さんの人生が輝かしいものでありますよう祈念いたします。

後で歌われる葉中の「正解」を楽しみにしています。

令和六年三月一二日 葉山町教育委員会

という感じで、軽く短くをモットーにお話して参りました。
式の後半に卒業生全員での「正解」の合唱もあり、最後の卒業生退場の時に担任に生徒たちが感謝の言葉を述べ、それを聞くどの担任たちも涙。生徒たちも涙。
別れの季節ですね。

だから。。。教員は辞められないんです。

小学校の卒業式は、フロア形式。
証書をもらう前に一人ひとりが小さな台に上がり、保護者さんに向かって自分の思いを告げます。
「ともだち」「感謝」「未来」という言葉が多かったと思います。

25日の離退任式でも、きっと各学校ごとの涙とドラマがきっとあると思います。

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