第11回 日経平均リンク債の投資➀

ここまで説明をしっかり読んでいただいたら、自分も儲けられそう、やってみたいという気になっている人がいると思います。
そうなると、今すぐ始めたいと躍起になってしまうのが、人の性です。
当然、今回はその期待に応えて、最も簡単なテクニカル投資法をここで紹介します。
やってみたいという人のガス抜きには、丁度良いと思います。

ただ、先に予言しておきます。
初めてやって、1回や2回は成功するでしょうが、成功し続けることは無いです。
100回やって、99回連続成功しても、最後の1回で全てを失うこともあるのが投資です。
勝敗数は全く関係ありません。
だから、全てを失わないようにするためにはどうすべきかを学ばないと、成功し続けることはできません。
ただ、そう簡単に学べるものでは無いので、まずはガス抜きで具体的な投資法を説明したいと思います。
試しにやるとしても、資産の1/10に止めてくださいね。

さて、最も簡単でやり応えがある投資は、日経平均リンク債の短期投資です。
個別の銘柄の動きは余りテレビなどの報道にはなりませんが、日経平均の値ならば、夕方のニュースで必ず耳にします。
つまり、ちょっと注意すれば身近にあるものなのです。

その日経平均を、短期投資の対象にします。
投資の良さは、自由に投資期間を決められることなのですが、はじめに書いた10年投資をしても、結果を知ることが出来るのは10年先です。
成功するも、失敗するも、そんな先まで分からないものでは、ヤリガイを得ることは出来ません。
だから今回は、短期投資にしているのです。

ただ、投資を期間によって分類した場合、最も難しいのが短期投資です。
なぜなら、多くの投資家が挑戦するのが、短期投資だからです。
短期投資は、その投資期間で、タイムトレード、デイトレード、スイングトレード、ポジショントレードに分かれます。
この4つの中で最も難しいのがスイングトレードですが、ここではそのスイングトレードのやり方を伝えます。
因みに、投資期間による投資法の違いも、また説明します。

主に使うのは、日経平均の日足のボリンジャーバンドです。
更に補助指標として、騰落レシオ、RSI、移動平均乖離率を使います。
それぞれの移動平均は以下のとおりです。

日足ボリンジャーバンド(VB) 20日移動平均
騰落レシオ           20日移動平均
RSI             12日移動平均
移動平均乖離率         12日移動平均

≪条件≫
➀まず、日足VBが終値で-2σを下回ることが絶対条件です。

➁また、騰落レシオは、80%を下回っていることが次の条件です。
日経平均が下げていても、騰落レシオが高いときは、一部の主力銘柄だけが売られていて、全体が売られていない場合です。
こういう時は、売られ過ぎからの反発力が弱く、ダラダラと下げていく可能性が高いです。

➂更にRSIは25%以下です。
RSIが25%以下になるには、相当の期間下げ続けている必要があります。
逆にRSIが下げ切っていないと、先に急騰している等、下落に対して別の要因が考えられます。

➃最後に、移動平均乖離率です。
移動平均乖離率は、下落角度を確認するために用います。
いくら下げ続けていても、ダラダラと少しずつ下げる動きの中では、下げ過ぎによる下げ止まりが期待できません。
そこで、移動平均乖離率が-4%を超えることが必要になるという訳です。

さて、これだけの条件が整いました。
下げ相場の2回に1回、年間で言えば数回あるでしょう。
これで買い準備が整ったわけです。

後は今下げている材料を確認し、それが解消に向かっているかどうかを調べます。
実は、これが一番難しいのです。
本当のところ、解消に向かっていることが確認できた後では遅いのです。
最も良い買い時は、解消する前の最後の瞬間です。
ただ、これを見極めるには、かなりの技量が必要になります。
だから、そう簡単には身に着けられません。
それでも経験を積むことにより、一定の技量は手に入ります。
「夜明け前が一番暗い。」
このことを意識すれば、自ずと見極めることが出来るようになるでしょう。

解消に向かって行くと判断できれば、買います。
そして、買って4~5日で売ります、つまり撤退です。
まだまだ騰がりそうと思えるかもしれませんが、撤退します。
普通のリンク債で投入額の5%、ダブルで10%程度の利益になると思います。
これを年4回程度成功させるだけで、十二分に成功できると思います。

さて、そこで令和6年4月5日(金)の大引け後のチャートの分析です。

日経平均の終値は38,992円

日足ボリンジャーバンド+2σ  41,232円
日足ボリンジャーバンド+1σ  40,489円
日足ボリンジャーバンド基準線  39,746円
日足ボリンジャーバンド-1σ  39,004円
日足ボリンジャーバンド-2σ  38,261円

騰落レシオは107%
RSIは39.1%
移動平均乖離率は-2.86%

日経平均は、3月22日(金)の高値から反落中で、日足VB-1σの39,004円上まで売られてきている。
騰落レシオは100%を下回っておらず、RSIも十分下がりきっていない。
ただ、移動平均乖離率はマイナス方向に急拡大中だ。

つまり、調整一巡感に乏しく、急反騰を狙えるほどの急反落感も出ていない。
下落要因は、12月以来の外国人の売りだろう。
更に中東情勢のきな臭さもあり、どちらも解決する方向は見いだせていない。
結果、週明け4月8日(月)は、今のところ見送りという結果になります。

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