SHIROBAKO-レーベル-DVD-2

アニメのビジネスモデルの整理(2)

前回は、アニメ産業自体は多くのお金を生み出しているのにアニメ制作現場にはあんまりお金がないよ!って話をしました。

今回は、じゃあなんで届かないの?について答えを探してみます。
※表紙の子はSHIROBAKOの安原絵麻ちゃん、アニメーターです。劇中では質素な生活してる…。

アニメの2つのビジネスモデル

まず、アニメ製作における2つのビジネスモデル(お金の流れ方)について説明します。

1.広告収入方式
2.製作委員会方式


1.広告収入方式

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まず、一つ目の広告収入方式についてです。
この方式では、アニメ制作の原資がアニメ放送時に流れるCMのスポンサーから流れてきます。
ここで大事なのは、制作したアニメ作品の著作権がアニメーション制作会社に有ることです。

著作権がアニメーション制作会社にあるので、制作したアニメのDVDやグッズ等の二時利用の売り上げはアニメーション制作会社に入ります。

この方式の代表例は、「ドラえもん」「名探偵コナン」「ONE PIECE」などがあります。

2.製作委員会方式

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2つ目の製作委員会方式は、アニメ制作の原資が「製作委員会」から出ていることが広告収入方式との違いです。近年の深夜アニメでは、こちらの方式が主流となりますね。

この製作委員会は複数の会社によって構成され、通常はアニメごとに組織されます。(アニメのOPの最後によく出てきますよ!)

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製作委員会のメンバーは、キー局をはじめとする放送局・映画会社・広告代理店など様々です。(アニメ制作会社自体が入ることも)

製作委員会方式において大事なポイントは、アニメ作品の著作権が製作委員会にあることです。作品の二次利用の売り上げは、アニメーション制作会社では無く、製作委員会に属する会社に出資比率に準じて入ることになるのです。(ココ大事!)

アニメーション制作会社にお金が回らない訳

ここまで、アニメ制作をするためのお金の出所として「広告収入方式」と「製作委員会方式」の2つを説明しました。

勘の良い方は気づいたかもしれません。そう。

お金がないと言われるのは、制作を請け負うアニメが製作委員会方式ばかりの会社なのです。

広告収入方式を取れたり、製作委員会方式でも出資比率を高められる大きなアニメ制作会社はそう多くありません。(東映とか)

多くのアニメ制作会社は、著作権を持たず、アニメを制作し終えたら収入が止まる訳です。アニメ放映後に生まれる2次利用の売り上げは、製作委員会のものなのですね。

はじめに制作費を貰って、その中から経費を引いたらそんなに利益は残らず。そもそも売れるか分からない放映前の作品に、潤沢な制作費出ないし。

じゃあ、なんで製作委員会方式が流行ってんの?

確かに…何故!?

それは次回に続く。

参考:みずほ銀行 産業調査部「コンテンツ産業の展望」




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