結局アリが勝つ、という話。
よい大人ならば、アリとキリギリスという話はご存知だと思う。
冬の支度をせずに遊んでいたパリピのキリギリスが、
寒くなってから、真面目に働いてきた陰キャのアリさんに助けを乞う。
真面目にコツコツと働いてきた人間が最後は勝つんだよ、というグリムさんのメッセージが含まれている。
自分の名前がアリ村だという事もあり、私はこの寓話に昔から特別な思い入れがあった。
私はキリギリスさんの気持ちもよくわかる。いや、むしろ私はキリギリスだ。
ちょっと成功しただけで、調子に乗ってしまう私は今まで何度も失敗をしてきた。
23歳の時に出した最初の2店舗がうまくいったので、
「俺は天才だ。なにをやってもあたる。」と思っていたら、3店舗~7店舗まで全て失敗し債務超過に陥り、瀕死の状態になった。死兆星も見えた。
それ以外でも調子に乗った例は何個もあるのだが、本題ではないのでここでは割愛する。
数々の失敗を繰り返すなかで、そして、年月を過ごす中で、周りを見まわしてふと気づいた。
「結局、勝っているのはアリじゃね?」
外食で成功するには、「業態」と「立地」が大事だという話を以前、書いた。
それは、間違いないのだが、「業態」と「立地」はお店がオープンする時にもう決まっている。
業態はオープンしてからも微修正は可能だが、立地は一度出してしまえば撤退しない限り、動かす事はできない。
では、オープンした後は何が大事になってくるかといえば、
日々の徹底したマネジメントである。
「提供時間が遅い。」「お店が汚い。」「スタッフの感じが悪い。」といったお客様の不満をまずはなくす。
そして、業態のコンセプトに沿って、お客様の満足度を上げていく。
これをやらない店舗はいずれ、必ず衰退していく。
1日1個お店の改善をすると、1年後には365個改善している。
1日1%成長すると、1年後には37倍成長している。
その為に、必要なのが
会議設定と日々の習慣・文化づくり。
会議で定期的に振り返り、成長させる機会を持つ。
会議にでていれば間違いなくお店がよくなるように、議題を決め、チェックすべき項目を決めておく。
決めたto doに対して、日付を決め、それができたかどうかのチェックも次回の会議で必ずする。
この会議体のセットがバッチリ決まっていれば店は必ず成長する。
そして、いい習慣をつくっておく。
例えば、気持ちのいいあいさつをする。お店の周りを掃除する。など
ココイチ創業者の宗次さんは毎日、2~3時間かけて1000通以上のお客様アンケートを読み込み、その日のうちに改善指示を各店毎にFAXでした。
これなんかは習慣の偉大さを示す最たるものだろう。
外食業界は甘くない。
業態と立地を当てただけでは、隣に、毎日1%ずつ1年で37倍に成長しているお店にいずれ負ける。
業態と立地をあてた上で、日々のマネジメントをし続けることが求められる。
一発当てたキリギリスでは勝てないのだ。
今月から始動した私の会社 カチアリ という名前には、2つの意味が込められている。
・価値あるブランド(業態)を創る。
・クライアント企業と共に勝つ。
しかし、もう一つの意味がある。これは対外的ではなく、自分に向けてのメッセージだ。
アリのようにこつこつ、真面目にひたむきに、自分に勝つ。
親や妻からは
「カチアリ?名前はイマイチやな。」と指摘されたが、
我ながらいい名前だ。
と調子に乗ったことをいって締めくくる。
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