かちかち

じぶんが感じていることをうまく言葉にできたときが、最近いちばんうれしいです(3歳児みた…

かちかち

じぶんが感じていることをうまく言葉にできたときが、最近いちばんうれしいです(3歳児みたい)。 ナルコレプシー当事者。こどもたちを支援する仕事をしています。ピアノ歴25年。

最近の記事

言葉には、その人の「過去」が一枚一枚積み重なっている

「雪って、何で白いと思う?」 昨年、雪がしんしんと降る山奥の温泉で、夫がこんなことを言った。 「雪って、なんで白いと思う?」 夫はバリバリの理系だ。 「ええと、光の反射?かな?」と、何ともふわりとした答えを言ってみるわたし。 でも、どうやらそういう問いかけではなかったらしい。感性で答えろ、と。 わたしが何を答えたかは覚えていないけれど、夫が用意した答えはこうだった。 「じぶんの色を忘れてしまったから」 「静」と「動」このとき、わたしはこの感性に衝撃を受けた(後から

    • 思い出されるままに、音楽のこと①

      音楽について書きたくなったので。 わたしは、高校生の頃にピアノの師匠に反発して、そのまま逃げるように大学生になって地元を出た(大学を卒業する頃に、やっと和解した)。 反発した原因はいろいろあったが、いちばん大きかったのは、先生が口癖のように言っていた言葉である。 「楽譜通りに弾くだけでいい、余計なことは何もしなくていいんだ」というのが先生の口癖だった。 わたしは、「朝比奈隆さん(注:90歳代まで指揮棒を振り続けた大指揮者)とかが言うなら分かるかもしれないけど・・・それ

      • クリスマス、ちょっぴり風変わりなプレゼント交換会

        持ちものには、その人の「個性」や「生き方」がつまっている先日、友人の家で「おうちクリスマス会」を開催した。友人数名だけの、ささやかな会。 プレゼントを交換しようということになったので、こんな提案をしてみた。 「お家にあるものを持ってきて交換しない?」 前からゼロウェイストにも興味があったし、何より、クリスマス会のために買ったものよりも、元々みんなが使っていた物を交換するほうが面白いかも!と思ってのことだった。 みんなも、「面白そう!」「やってみたい!」と賛成してくれた

        • すべてのクリスマスが一気におそってきた

          もうすぐクリスマスですね。 街中で流れるクリスマスソングを耳にすると、これまで経験したすべてのクリスマスが一気におそってくるような、不思議な感覚になる。 思いつくままに、クリスマスのことを書いていこうと思う。 ボランティアをしたクリスマスのことクリスマスといえば、恋人や家族と過ごす・・・という人が多いだろうけど、わたしは、大学時代に震災復興のボランティアをした年のクリスマスがよく記憶に残っている。 仲間たちと一緒に夜行バスに乗って現地訪問し、雨風雪の中活動し、ごはんを

        言葉には、その人の「過去」が一枚一枚積み重なっている

          その瞬間と、未来と過去と

          その瞬間にしか感じられないこと タイミング、というものは、わたしが思っているよりもずっと大切なものらしい。 ある年ある月ある日のわたし、その瞬間にだけに共鳴するものがある。 わたしはずっとピアノを習ってきたから、こういうことはピアノ作品で考えることが多い。 去年は「きれいな曲だな」という程度に思っていた曲が、今年聴くと胸がえぐられて暫く立ち直れないくらいのショックを与えてくることがある。 逆に、去年は深く感銘を受けて涙が出たほどの曲を、どうしてか今年はうまく受け取れな

          その瞬間と、未来と過去と

          ヤキモチ妬きのあなたは、「優秀なサル」なのだ

          ヤキモチって、妬いたことありますか?わたしは、あります。人並み程度かな。 たとえば、パートナーが異性のお友達と仲良くしてたり、褒めまくってたりするとき。 こういう話題では、よく「自分磨きを頑張ろう」という記事を見かける。そうやって頑張るのも、それはそれでもちろん素晴らしいことだとは思うけれども。 もっと「ヤキモチ」の根っこの部分にあるものを、見つめなければ。 そこでわたしは、こんなことを考えました。 おサル社会の妄想サルかチンパンジーかボノボかというツッコミは、一旦な

          ヤキモチ妬きのあなたは、「優秀なサル」なのだ

          「わからないもの」を「わからないまま」にしておくことが、好き。

          贈りもの。名前は、まだない。 受け取ったときはよく分からないもの、というのがある。 昨日大学時代の先生に再会して、いろんなお話をした。 この先生は、わたしにとって「まだなまえのない贈りもの」をしてくださる先生のひとりだ。 コスプレ大先生?気合いが入るとコスプレして授業に来るその大先生は、音楽家である(サラリーマンにとってのスーツと同じように、先生にとってはそれが勝負服のようなものだから、コスプレとも違う気がする。でもあのこだわりはすごい)。 先生の授業はクラシック音楽作

          「わからないもの」を「わからないまま」にしておくことが、好き。

          言葉とは、世界を区切っていくもの

          雲のなまえ 「言葉とは、世界を区切っていくもの」と、あるひとは言った。 たとえば、「雲」と名前のつくもの。 いわし雲 ひつじ雲 ひこうき雲 いろんな雲があるよね。 いわし雲が出たら、鰯(いわし)が大漁になる前触れだとか、 ひつじ雲が出たら、次の日は雨だとか、 そんな言い伝えがあるらしい。 雲を見ていろんなことを読み取っていたからこそ、雲にはこんなにたくさんの名前がつけられた。 つまり、白かったりグレーがかっていたりもくもくしてたりちっちゃく千切れてたりする、あの

          言葉とは、世界を区切っていくもの

          アスファルトの隙間から、雨を好きになる。

          ユメノハナシちいさな動物たちが通う、小学校の夢を見た。登場人物(じゃなくて動物)は、入学したての、小学一年生たち。 今日は、雨だ。 「雨かあ。つまんないなあ。」 リスが言った。まわりのみんなも、そうだね、と口々に言った。 そんな中、かえるくんだけは、うれしそうにぴょんぴょん跳ねはじめた。 「ねえ、かえるくん。どうしてそんなに、うれしそうなの。」 「ぼく、雨がすきなんだ。」 「ふうん。」 このことがあってから、リスは、なんだか雨がきらいではなくなった。少なくとも

          アスファルトの隙間から、雨を好きになる。

          「好きな季節は?」と聞かれたら、「変わり目が好き。」と答える

          季節の変わり目は、複雑な色をしている 少し前のこと。 朝、いつものように窓を開けたら、冬の匂いがやってきた(これ、なんの匂いなんだろう)。 あ、来た!と思うが早いか、言葉でうまく言い表せないいろんな感情が襲ってくる。いろんな色のやつが一気に来るから、ちょっとダークで複雑な色になる。 今まで経験したすべての冬が、一気に押し寄せてくる感覚。 わたしは、この瞬間が好き。 冬といえば、吉本ばななさん 冬になると、たまに思い出すことがある。 当時のわたしは、大学卒業後東京に

          「好きな季節は?」と聞かれたら、「変わり目が好き。」と答える

          わたしはこうして、ナルコレプシーを克服した

          「みんな毎日眠気と戦いながら過ごしているんだ」と思い込み、10年もの間、正体不明の眠気に苦しみながら過ごした。 検査を受けて診断が下り、薬を飲み始めてからも、結局はつらい闘いだった。 しかし今は、症状が完全に収まったわけではないけれど、薬を飲むこともなくフルタイムで仕事をこなせている。 これまでに見つけた「ナルコレプシーとうまく付き合っていくためのステップ2 つとヒント4つ」を、書き留めておきたい。もしナルコレプシーで苦しんでいる人がいたら、試してみてほしい。 追記:

          わたしはこうして、ナルコレプシーを克服した

          「にんげん、みんな怪我人」という考え方

          「にんげん、みんな怪我人」と、ある人は言った ひとは誰でも、多かれ少なかれ、大きい傷や小さい傷を抱えて生きている。 その傷は、他人から見えやすい場所にあったり、見えにくい場所にあったりする。 見えやすい場所に傷を負ったひとは、「目立つから嫌だ」「この傷が、見えにくい場所にあったら良かったのに」と思うかもしれない。 見えにくい場所に傷を負ったひとは、傷を負っていることに誰からも気づいてもらえず、「苦しい」「誰かに気づいてほしい」と思っているかもしれないね。 いつも寝てる

          「にんげん、みんな怪我人」という考え方