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【新刊】9月7日発売『コバニ・コーリング』

 弊社で刊行した海外コミックも10冊を超えましたが、いよいよ、初となるイタリアのコミックを刊行します!

ゼロカルカーレ作、栗原俊秀訳
『コバニ・コーリング』

コバニ・コーリング書影


 試し読みは以下のリンクから!!!!


 イタリアで12万部を売り上げ、すでに8か国語に翻訳されている本作。作者のゼロカルカーレは、2017年イタリアの全書籍売上ランキングトップ20において『ドラゴンボール』鳥山明先生とともに唯一漫画家としてランクインしており、イタリア人気No.1漫画家と言っても過言ではない存在です。また、刊行したコミックが、漫画家として2人目の「ストレーガ賞」(イタリアでもっとも影響力のある文学賞)候補となるなど、高い評価を受けています。


 1983年生まれの彼は、ローマの、刑務所があり「治安が悪い」とされる地域、レビッビアに長年居住しており、駅脇に大きな壁画を描いてもいます。

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 レビッビア刑務所は、日本でも公開された映画「いつだってやめられる」シリーズ第3作、「闘う名誉教授」の舞台であり、刑務所における演劇実践は、「塀の中のジュリアス・シーザー」という劇映画にもなっています。
 実は、ゼロカルカーレも映画に無縁ではなく、去年のイタリア映画祭(東京・大阪)では、ゼロカルカーレの第一作を原作とした映画、「アルマジロの予言」が上映されました!(ご覧になった方はご感想を教えてください。)


 このコロナ禍で、ますます彼の人気は高まっています。というのも、イタリアで人気のあるテレビ番組「プロパガンダ」(すごい名前)に出演し、コロナ禍における自分の生活などをテーマにした自主制作のアニメーションを次々と公開しているからです。

※早口ですが、レストランに行ってメニューが選べないという内容だそう。


 そんな、イタリアを代表する漫画家である彼の作品の中でも、もっとも国際的な成功をおさめているのが本作『コバニ・コーリング』です。

※英語版プロモーションビデオ

 2014年、当時31歳だった作者は、友人たちと物資の支援のために、トルコ―シリアの国境地帯を訪れます。当時、シリア北部にあるコバニでは、イスラム国(IS)に対抗するクルド人民兵の戦闘が続いていました。
 翌15年、32歳となったゼロカルカーレは、再び仲間たちと、解放されたコバニ、さらにYPJ(クルド女性防衛部隊)の訓練キャンプを訪れます。そこで目にした人や物事を、オタクならではの視点で(「北●の拳」などにたとえたりしながら)彼なりの感覚で綴ったのが本作です。

 本作のドイツ語版は、権威ある伊独翻訳賞の新人賞を受賞。また、イタリアでは本作を原作とした舞台も上演されました!

※冒頭シーンは、試し読みにもあるロケット弾の解説ですね。

 作中にはイタリアのパンク音楽が多数登場。プレイリストを作成しました!(2度目の旅に同行する友人ガブリエーレの音楽もお聞きいただけます。)


 翻訳された栗原俊秀さんは、ゼロカルカーレと同じ83年生まれにして、須賀敦子翻訳賞も受賞されている実力派。日本語版にあたっては、みすず書房から翻訳『シリア獄中獄外』を出された岡崎弘樹さんと、谷川俊太郎作品などの翻訳日本語の詩集を刊行されているマルティーナ・ディエゴさんにご協力をいただきました。また、ジャーナリストの安田純平さんから以下のようなご推薦文を賜りました。

推薦:安田純平氏(ジャーナリスト)
「漫画だから表現できる世界の真理がある。文章や映像、写真だけでは戦争は描ききれない。戦場の現実をここで追体験してほしい。」
「日本ではコバニの取材を検討しただけでジャーナリストが旅券を奪われた。しかし現地には多様な人々が集っていた。普段の日常はあらゆる表現方法で描かれ、それでも描ききれていないはずなのに、日常の全てを破壊する戦争をごく少数の記者だけで描ききれるわけがない。あらゆる人々が現場に行って多様な視点で見て表現してこそ、戦争の本当の姿に迫れるはずなのだ。」

 コバニに取材を検討したフリーカメラマンの杉本祐一さんは、パスポートを強制返納させられ、その後お亡くなりになられました。

 安田純平さんも、外務省のパスポート発給拒否に対し、今年1月に提訴しています。


 ぜひ多くの方にお読みいただきたいと思っています。9月7日発売です!
全国書店さまのほか、以下各種ネット書店でもご購入いただけます。花伝社オンラインショップからのご注文は、送料無料です。

https://books.rakuten.co.jp/rb/16421698/?scid=af_pc_etc&sc2id=af_101_0_0

https://www.yodobashi.com/product/100000009003321369/

※送料無料


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