HEART BOOK
僕は今東京で音楽をやっています。なかなかうまくはいってませんが今の生活を選んだことを後悔したことはないです。もちろん選択が違えば別の人生もあっただろうけど。
高校を出て、なんとなく、本当に何となく地元の会社に就職をさせてもらった。
上司や先輩も良くしてくれ特に不満は無かった。
ただ、当時の自分はこの仕事を一生やるのかな?などと考えていた。
今思えば本当に生意気で、考え足らず。その仕事のほんの一部を経験しただけでそんな考えになるのはただの甘えだったと思う。
きっと周りの友達が進学して遊んでいる事が羨ましかったり、自分の同期が居なかったので気楽に話を出来る人間が近くに居なかったからなのかもしれない。
そんな中、ちょっとした音楽の大会に出場してみることになった。急な話だったので急いで音源を作り申し込みをした。
期限ギリギリの申し込みだったので半月程で音源審査の結果が出た。
通過。無事二時審査へ進めることに。
そこからまた一月後のライブ審査へ、仕事の合間を縫って練習を重ねた。
その審査の為に急遽集めたメンバーだったが、なんと結果は2位。嬉しかったが、次の大会には進まずそこ止まりだった。
ただ、この一件で更に仕事へのモチベーションは下がってしまった。
メンバーも即席メンバーだった為、各々の生活へ戻り、僕も日常のサイクルに戻っていった。
来る日も来る日も、大差の無い毎日。もちろん会社としては僕をまだ戦力として数えていない為、与える仕事がさほどなく、仕事を覚えてもらっているところだったのだろう。
そんな時に一冊の本に出会った。
廣瀬裕子さんのHEARTBOOKだった。
少しの挿し絵と文章が並んでいる。本で、自己啓発というほどではないと思うが、人生のヒントのような言葉が散りばめられていた。
僕が出会った言葉は、「今やっていることに悩んだなら、あなたの取る行動は2つ。その中に意味を見出すか、別のことに挑戦するか。」
文章通りではないと思うけど、僕はこの言葉を見た時にちょっとした衝撃が走った。そして、考えた。
意味は大事だけど、それをどこに置くのかもとても大事。
つまり1番何を守りたいかじゃないだろうか?
もし、結婚して、子供がいるのなら家庭を1番に考えただろう。
ただ、僕にはそこに居続けなければいけない理由は無かった。
後は、意味を見出すか、別の場所に探しに行くか。
田舎の人間だった僕は、地元を飛び出すことは当初選択肢としては無かった。
しかし。結局は会社を辞め、挑戦を選んだ。
今となっては、いい思い出。恐らく命を賭けるほどの挑戦は未だ出来ていないけれど元々の性分も手伝って、色んな出会いに恵まれなんとかまぁ幸せに過ごしています。
人生は選択の連続だと思う。
常に正しい選択は中々難しい。でも、迷ったときこそ難しそうな方を選んでみると意外と素晴らしい答えが用意されていたりする。
不思議なもので、それが出来る人間の周りには、それを慕う人間が集まってくる。
とても勇気がいる事だけど、出来たら僕もそうでありたいと常々思う。
人生を変えるような一冊に出会えたことが僕の最大のラッキーなのかもしれない。
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